山内溥氏(任天堂相談役)は、20代前半の若さで花札やカードゲームの製造を行う任天堂(http://www.nintendo.co.jp/)の経営者になり、50年近く経営に携わっていた戦後日本を代表する経営者ですが、日本においては、山内氏に対する正当な評価があるとは到底いえないと思います。
冷静に考えると、「ファミリーコンピュータ」を開発・発売して、新しい娯楽産業をつくりあげた、その新規性は、おそらく山内氏がなくてはありえなかったのではないでしょうか。そして、「ゲームボーイ」という携帯型のゲーム機は、世界でもっとも売れた製品となりました。
アップル・コンピュータ(http://www.apple.com/)の創業者であるスティーブ・ジョーブズ氏は、パーソナルコンピュータという概念を発明した天才だとされて、評価されています。ソニー(http://www.sony.co.jp/)の創業者の一人、故盛田昭夫氏はコンスーマー・エレクトロニクスと言う概念を生み出したと高く評価されています。山内氏の役割は、ジョーブズ氏や盛田氏のそれと比べて、決して見劣りしないものです。
そして最後の貢献は、岩田聡氏を後継の経営者にしたことです。2006年に発売された「Wii」がどれだけ成功し、ゲーム市場のあり方そのものを変えたかをみれば、明らかです。岩田氏にしても、仮に本人が優れた能力を持った開発者、経営者としての潜在能力をもっていたとしても、山内氏が岩田氏の潜在能力を見抜いて社長に抜擢したからこそ、このようなゲーム市場の根本的な変化がありえたのです。
残念ながら、日本社会は、優れた日本人を正しく評価できない傾向にあるようです。
2008年6月20日金曜日
2008年6月14日土曜日
東大の改革の行方をよく見守ろう(1)
私は一応、東京大学の出身者です。大学ではいろいろな方にお世話になりました。海外に出て、世界中からきた学生と大学院で切磋琢磨したり、仕事をして競争したりすると、日本の大学は、大学教育を通じて、国際的に競争しているんだと感じるところがあります。
例えば、インドの名門校インド工科大学(India Institute of Technology)は、インドにある7つの科学・工学系の大学の集合体(日本の戦前旧帝大のようなものです)ですが、学部卒業生の学力のレベルが、大体MITやスタンフォード大学の修士卒業生のレベルであり、ここからコンピューター・サイエンスを筆頭としたアメリカの工学大学院にフェローシップ付きで入学して、著名なサイエンチストになっていく競争力のある学生を多数生み出していることが、インドの工学における世界的な地位をあげているといってもよいと思います。30万人のうち、5000人程度しか入試に通らないのです。(このような競争力のある大学は、例えばイランのSharif University of Technologyもその一例です)。
インド工科大学の記事
http://en.wikipedia.org/wiki/Indian_Institutes_of_Technology
Sharif University of technologyのホームページ
http://www.sharif.ir/en/
http://en.wikipedia.org/wiki/Sharif_University_of_Technology
はたして何人の東大教官が、自分たちはインド工科大学やイランのトップの大学と競争しているという意識を持っているのでしょうか。たとえば私が以前に見たコンピューター・サイエンスの分野での引用数では、トップ1000に入っている日本人の研究者はたった一人だったと記憶しています。
私は経済学やコンピュータ・サイエンスなどの分野での学部教育のレベルについて、コメントできる実経験を持っていますが、東大といえども、MITやスタンフォードのみならず、インドや途上国でのトップ大学との比較でも、レベルが少し低すぎるように感じています。
さてわが出身大学ですが、授業料600万円のリーダー養成講座をはじめるという記事。
http://www.j-cast.com/tv/2008/06/12021669.html
日本の大学は、東大をお手本として動いていくことは否定しきれないわけですから、東大の行方には日本の大学教育の将来がかかっていくといっても過言ではありません。私の外部から見た印象では、小宮山宏総長になってから、大分正しい改革の方向性へ舵が切られたように見えます。大学の独立行政法人化により、変わらざるをえないということなのかもしれませんが。
ハーバード大学やエール大学などでも、短期の講座で大学が収入をあげるということは普通に行われています。国際的に競争力のある大学としては、収入もあげなくてはならないのですから、方向性は正しいのでしょう。
東京大学のページ
http://www.u-tokyo.ac.jp
ハーバード大学のページ
http://www.harvard.edu
エール大学のページ
http://www.yale.edu
例えば、インドの名門校インド工科大学(India Institute of Technology)は、インドにある7つの科学・工学系の大学の集合体(日本の戦前旧帝大のようなものです)ですが、学部卒業生の学力のレベルが、大体MITやスタンフォード大学の修士卒業生のレベルであり、ここからコンピューター・サイエンスを筆頭としたアメリカの工学大学院にフェローシップ付きで入学して、著名なサイエンチストになっていく競争力のある学生を多数生み出していることが、インドの工学における世界的な地位をあげているといってもよいと思います。30万人のうち、5000人程度しか入試に通らないのです。(このような競争力のある大学は、例えばイランのSharif University of Technologyもその一例です)。
インド工科大学の記事
http://en.wikipedia.org/wiki/Indian_Institutes_of_Technology
Sharif University of technologyのホームページ
http://www.sharif.ir/en/
http://en.wikipedia.org/wiki/Sharif_University_of_Technology
はたして何人の東大教官が、自分たちはインド工科大学やイランのトップの大学と競争しているという意識を持っているのでしょうか。たとえば私が以前に見たコンピューター・サイエンスの分野での引用数では、トップ1000に入っている日本人の研究者はたった一人だったと記憶しています。
私は経済学やコンピュータ・サイエンスなどの分野での学部教育のレベルについて、コメントできる実経験を持っていますが、東大といえども、MITやスタンフォードのみならず、インドや途上国でのトップ大学との比較でも、レベルが少し低すぎるように感じています。
さてわが出身大学ですが、授業料600万円のリーダー養成講座をはじめるという記事。
http://www.j-cast.com/tv/2008/06/12021669.html
日本の大学は、東大をお手本として動いていくことは否定しきれないわけですから、東大の行方には日本の大学教育の将来がかかっていくといっても過言ではありません。私の外部から見た印象では、小宮山宏総長になってから、大分正しい改革の方向性へ舵が切られたように見えます。大学の独立行政法人化により、変わらざるをえないということなのかもしれませんが。
ハーバード大学やエール大学などでも、短期の講座で大学が収入をあげるということは普通に行われています。国際的に競争力のある大学としては、収入もあげなくてはならないのですから、方向性は正しいのでしょう。
東京大学のページ
http://www.u-tokyo.ac.jp
ハーバード大学のページ
http://www.harvard.edu
エール大学のページ
http://www.yale.edu
2008年6月8日日曜日
『超・格差社会アメリカの真実』(小林由美著)は、まれに見る名著である
最近になって、以下の本を手に取りました。
以前に私が毎週視聴しているビデオニュース・ドットコムに出演されていたので、それで小林氏のことは知っていたし、一定の評価はしていたのですが、それだけではこの本のよさを見抜けませんでした。http://www.videonews.com/on-demand/311320/001046.php
『超・格差社会アメリカの真実』(日経BP社 2006年出版) 小林 由美 (著)http://www.amazon.co.jp/gp/product/482224542X/ref=sib_rdr_dp
小林由美氏は、1975年東京大学経済学部卒、スタンフォード大学MBAであり、東大時代は小宮龍太郎氏の(日本における近代経済学の草分けの人物の一人)ゼミであり、当然学生時代から聡明であったと予想されるが、実際のところ、啓蒙書としてこの水準を達成している本は、なかなかない。
すでに日本でも多くの書評が書かれているようだが、小林氏はいわいる民間のエコノミスト・コンサルタントであり、歴史学を専門にしているわけでもないにも関わらず、例えばアメリカの歴史において、南北戦争が奴隷制度の廃止を理念に掲げていたとはいうものの、基本的には北部と南部の利権争いから発生したものであり、戦後に南部から北部へ大きな富が移転したことなど、近年の経済史、歴史学の研究成果を、さらりと指摘しているなど、小林氏の知的教養や分析力の深さを垣間見ることができる。
特権階級とされる資産10億ドル以上の超富裕層の影響力は、アメリカ社会では計り知れないが、彼らがエリートとして外交や慈善活動を行っていることも事実。あるいは公教育の荒廃や、シンクタンクやプライベート・エクイティー・ファンドなどの、プライベートクラブについても、おおまか客観的で正しいと言える言及がある。
以前に私が毎週視聴しているビデオニュース・ドットコムに出演されていたので、それで小林氏のことは知っていたし、一定の評価はしていたのですが、それだけではこの本のよさを見抜けませんでした。http://www.videonews.com/on-demand/311320/001046.php
『超・格差社会アメリカの真実』(日経BP社 2006年出版) 小林 由美 (著)http://www.amazon.co.jp/gp/product/482224542X/ref=sib_rdr_dp
小林由美氏は、1975年東京大学経済学部卒、スタンフォード大学MBAであり、東大時代は小宮龍太郎氏の(日本における近代経済学の草分けの人物の一人)ゼミであり、当然学生時代から聡明であったと予想されるが、実際のところ、啓蒙書としてこの水準を達成している本は、なかなかない。
すでに日本でも多くの書評が書かれているようだが、小林氏はいわいる民間のエコノミスト・コンサルタントであり、歴史学を専門にしているわけでもないにも関わらず、例えばアメリカの歴史において、南北戦争が奴隷制度の廃止を理念に掲げていたとはいうものの、基本的には北部と南部の利権争いから発生したものであり、戦後に南部から北部へ大きな富が移転したことなど、近年の経済史、歴史学の研究成果を、さらりと指摘しているなど、小林氏の知的教養や分析力の深さを垣間見ることができる。
特権階級とされる資産10億ドル以上の超富裕層の影響力は、アメリカ社会では計り知れないが、彼らがエリートとして外交や慈善活動を行っていることも事実。あるいは公教育の荒廃や、シンクタンクやプライベート・エクイティー・ファンドなどの、プライベートクラブについても、おおまか客観的で正しいと言える言及がある。
2008年6月4日水曜日
ブロンクス動物園(Bronx Zoo)訪問記
先日の日曜日に、ニューヨーク近郊の動物園であるブロンクス・ズー(Bronx Zoo)へ行って来ました。
http://www.bronxzoo.com
365日オープンというふれこみではあるが、夏の季節になると、さすがに日曜は人が多い。いくつかのアトラクションでの行列の待ち時間が嫌な場合は、平日に行くしかないと思える。立地はBronxというあまり治安が宜しくないところにあるが、実はマンハッタンからも、2の電車に乗って、1本だったりする。
いくつかの見所があったが、あえてここでは書かないことにする。
http://www.bronxzoo.com
365日オープンというふれこみではあるが、夏の季節になると、さすがに日曜は人が多い。いくつかのアトラクションでの行列の待ち時間が嫌な場合は、平日に行くしかないと思える。立地はBronxというあまり治安が宜しくないところにあるが、実はマンハッタンからも、2の電車に乗って、1本だったりする。
いくつかの見所があったが、あえてここでは書かないことにする。
2008年5月28日水曜日
「5年前から分かっていたこと」
以下の発言について。
ロイターサミット:HOYA、今後数年で10─50億ドルのM&Aが必要
http://ascii.jp/elem/000/000/134/134949/
http://special.reuters.co.jp/contents/techsummit_article.html?storyID=2008-05-21T200139Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-318982-1.xml
[東京 21日 ロイター] HOYA<7741.t>の鈴木洋CEO(最高経営責任者)は21日、ロイター・テクノロジー・サミットの席上で、事業ポートフォリオの分散化を図るため、10億─50億ドル(約1000─5000億円)規模のM&Aを仕掛ける必要があるとの認識を示した。
鈴木CEOは「(手元の)現金が15億ドル(約1500億円)というのは多過ぎる。今後2─3年でかなりの規模の買収をやっていかないといけない」と述べた。現金と借入金による買収を想定しているという。
ロイターサミットでの鈴木洋氏の発言内容は、「5年前から分かっていた事」という私の以前のコメントの論理的正当性を、まさに裏付けた内容です。なぜならば、「(手元の)現金が15億ドル(約1500億円)というのは多過ぎる」というが、それは5年前の2003年の段階でも同じ状態だったからです。
私のコメント:
HOYAの経営課題と事実関係について
2008年1月3日 山中 裕
http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoya_08.html
日経ビジネス記事(2007年5月28日):HOYA、TOB合意後の「試練」http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070524/125459
ご承知のとおり、2007年第四四半期の決算で、約1500億円を費やした買収対象の旧ペンタックス社部門の赤字転落が発表されました。株価は2007年第三四半期発表の決算後に急落し、2年間で45%近い下落となっており、お話にならない状態です。「今後2─3年でかなりの規模の買収をやっていかないといけない」というのは、それは5年前以上から分かっていたことにすぎません。株価が急落してからでは、遅すぎるのです。
また余剰資金があったとしても、社内のプロジェクトに資金を使うこともできるわけですから、鈴木洋氏の発言内容は、買収でしか新事業を作れないこと、つまり社内の研究開発能力が低いこと、そこを経営上いままでおろそかにしてきたことも、いみじくも露呈させて、認めた格好です。
このような発言が、最高経営者として適切であるかについても、私はそもそも疑問です。例えば、任天堂(http://www.nintendo.co.jp/)の新世代ゲーム機「Will」や、Boston Scientific社(http://www.bostonscientific.com/)のDES(Drug Eluting Stent:薬剤溶出ステント)は、年間数百億円(あるいはそれ以上)の利益を生むにいたった社内開発の成果ですが、類似の企業価値を増大させる製品開発能力が、HOYA社内にないということを、明言すること自体、いったい何なのかと感じます。
HOYAが優良企業といわれるようになり、最近になり株価が急落したその歴史を見ると、結局のところ、株主価値を増やすということは、地道な研究や製品開発を行うことに尽きるということが結論できると思います。なるべく早く、その任務に適任な人材を、技術開発の担当者に任命すべきです。
「君たち、何か理由があって、会社の価値が増えないように、わざとやっているの?」と聞きたくなるような状況です。だからお願いだから、どうにかしてほしいというのが、私の正直なところです。
HOYA株式会社のホームページ
http://www.hoya.co.jp/
HOYA株式会社(ウィキペディア記事)
http://ja.wikipedia.org/wiki/HOYA
日経ビジネス記事(2007年5月28日):HOYA、TOB合意後の「試練」http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070524/125459
Nikkei BP Net 記事(2007年8月8日):HOYA、TOB成立は単なる一里塚http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q3/541954/
HOYA株式会社の会社概要のページ
http://www.hoya.co.jp/HOYA_DYNAMIC/index.cfm?fuseaction=company.about
ペンタックスのページ
http://www.pentax.jp/japan/index.php
HOYAの経営に関する私の文章(2008年1月3日)http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoya_08.html
HOYAのCOOに浜田宏氏就任
http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoyacoo.html
HOYA株式会社最高執行役に浜田宏氏就任のニュースリリースhttp://www.hoya.co.jp/data/current/newsobj-578-pdf.pdf
HOYA株式会社R&Dのページ
http://www.hoya.co.jp/japanese/company/company_06.cfm
HOYA株式会社の経営理念のページhttp://www.hoya.co.jp/japanese/company/company_03.cfm
ロイターサミット:HOYA、今後数年で10─50億ドルのM&Aが必要
http://ascii.jp/elem/000/000/134/134949/
http://special.reuters.co.jp/contents/techsummit_article.html?storyID=2008-05-21T200139Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-318982-1.xml
[東京 21日 ロイター] HOYA<7741.t>の鈴木洋CEO(最高経営責任者)は21日、ロイター・テクノロジー・サミットの席上で、事業ポートフォリオの分散化を図るため、10億─50億ドル(約1000─5000億円)規模のM&Aを仕掛ける必要があるとの認識を示した。
鈴木CEOは「(手元の)現金が15億ドル(約1500億円)というのは多過ぎる。今後2─3年でかなりの規模の買収をやっていかないといけない」と述べた。現金と借入金による買収を想定しているという。
ロイターサミットでの鈴木洋氏の発言内容は、「5年前から分かっていた事」という私の以前のコメントの論理的正当性を、まさに裏付けた内容です。なぜならば、「(手元の)現金が15億ドル(約1500億円)というのは多過ぎる」というが、それは5年前の2003年の段階でも同じ状態だったからです。
私のコメント:
HOYAの経営課題と事実関係について
2008年1月3日 山中 裕
http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoya_08.html
日経ビジネス記事(2007年5月28日):HOYA、TOB合意後の「試練」http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070524/125459
ご承知のとおり、2007年第四四半期の決算で、約1500億円を費やした買収対象の旧ペンタックス社部門の赤字転落が発表されました。株価は2007年第三四半期発表の決算後に急落し、2年間で45%近い下落となっており、お話にならない状態です。「今後2─3年でかなりの規模の買収をやっていかないといけない」というのは、それは5年前以上から分かっていたことにすぎません。株価が急落してからでは、遅すぎるのです。
また余剰資金があったとしても、社内のプロジェクトに資金を使うこともできるわけですから、鈴木洋氏の発言内容は、買収でしか新事業を作れないこと、つまり社内の研究開発能力が低いこと、そこを経営上いままでおろそかにしてきたことも、いみじくも露呈させて、認めた格好です。
このような発言が、最高経営者として適切であるかについても、私はそもそも疑問です。例えば、任天堂(http://www.nintendo.co.jp/)の新世代ゲーム機「Will」や、Boston Scientific社(http://www.bostonscientific.com/)のDES(Drug Eluting Stent:薬剤溶出ステント)は、年間数百億円(あるいはそれ以上)の利益を生むにいたった社内開発の成果ですが、類似の企業価値を増大させる製品開発能力が、HOYA社内にないということを、明言すること自体、いったい何なのかと感じます。
HOYAが優良企業といわれるようになり、最近になり株価が急落したその歴史を見ると、結局のところ、株主価値を増やすということは、地道な研究や製品開発を行うことに尽きるということが結論できると思います。なるべく早く、その任務に適任な人材を、技術開発の担当者に任命すべきです。
「君たち、何か理由があって、会社の価値が増えないように、わざとやっているの?」と聞きたくなるような状況です。だからお願いだから、どうにかしてほしいというのが、私の正直なところです。
HOYA株式会社のホームページ
http://www.hoya.co.jp/
HOYA株式会社(ウィキペディア記事)
http://ja.wikipedia.org/wiki/HOYA
日経ビジネス記事(2007年5月28日):HOYA、TOB合意後の「試練」http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070524/125459
Nikkei BP Net 記事(2007年8月8日):HOYA、TOB成立は単なる一里塚http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q3/541954/
HOYA株式会社の会社概要のページ
http://www.hoya.co.jp/HOYA_DYNAMIC/index.cfm?fuseaction=company.about
ペンタックスのページ
http://www.pentax.jp/japan/index.php
HOYAの経営に関する私の文章(2008年1月3日)http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoya_08.html
HOYAのCOOに浜田宏氏就任
http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoyacoo.html
HOYA株式会社最高執行役に浜田宏氏就任のニュースリリースhttp://www.hoya.co.jp/data/current/newsobj-578-pdf.pdf
HOYA株式会社R&Dのページ
http://www.hoya.co.jp/japanese/company/company_06.cfm
HOYA株式会社の経営理念のページhttp://www.hoya.co.jp/japanese/company/company_03.cfm
2008年5月24日土曜日
ボストン・レッドソックス戦の観戦記(5月21日22日)
5月20日21日のボストンの大リーグ球団、ボストン・レッドソックス(Boston Redsox)の試合(対カンザスシティー・ロイヤルズ(Kansas City Royals))に行ってきました。カンザス・シティーの監督は、去年まで日本ハムファイターズの監督だった、トレイ・ヒルマン(Trey Hillman)氏。
ボストン・レッドソックスのホームページ
http://boston.redsox.mlb.com/index.jsp?c_id=bos
カンザスシティー・ロイヤルズのホームページ
http://kansascity.royals.mlb.com/index.jsp?c_id=kc
ヒルマン監督のサイト
http://www.baseball-reference.com/bullpen/Trey_Hillman
20日(水)は、2005年アメリカンリーグのサイヤング賞(Cy Young Prize)のバルトロ・コロン(Bartolo Colon)のレッドソックスでの初先発。初回にアメリカン・インディアン初の大リーガーの人気選手ジャコビ・エルスバリー(Jacoby Ellsbury)の先頭打者ホームランが飛び出す。2回表に1点、5回表に1点ずつとられて逆転を許すも、5回裏にジェイソン・バリテック(Jason Varitek)のホームランで追いつくと、一挙に4点、7回裏にもエルスバリーがヒットですかさず盗塁、ダスティン・ペドロイア(Dustin Pedroia)のヒットで得点。6回からハンセン(Craig Hansen)、ロペス(Javier Lopez)、デルカーメン(Manny Delcarmen)、ティムリン(Mike Timlin)の継投で1点に抑え、勝利。
バルトロ・コロンのページ
http://en.wikipedia.org/wiki/Bartolo_Col%C3%B3n
ジャコビ・エルスバリーのページ
http://en.wikipedia.org/wiki/Jacoby_Ellsbury
ジェイソン・バリテックのページ
http://en.wikipedia.org/wiki/Jason_Varitek
21日(木)は、1時半ころの開始。それまでハーバード大学の本屋などを物色する。試合はまず松坂大輔投手が登板。これまで7勝0敗としているが、初回にいきなり1点取られ、投球回数も30球を越える(注:大リーグの場合、投手分業が徹底しており、投手生命の維持の観点もあり、先発は100球程度をめどにして降板するのが一般的)が、2回の裏になんとJD ドリュー(JD Drew)が満塁ホームランで4点。3回裏にも1点をとるも、5回表に2失点で追い上げられ、6回表途中で松坂は降板して、ロペスに交代。ロペスは何とか抑える。ところが6回裏に、ペドロイアの2点2塁打と、主砲ラミレス(Manny Ramirez)敬遠後のローウェル(Mike Lowell)の満塁ホームランでさらに4点として、11-3として試合を決めたかに見えた。ところが、今年のレッドソックスはブルペン投手がいまいちピリッとせず、7回のハンセンが2失点、8回ここまでのシーズンは比較的良く、防御率2点台前半のアーズマ(David Aardsma)が運の悪いヒット2本後の、3ランホームランで3点を失い、11-8となる。9回表には抑えの守護神パペルボン(Jonathan Papelbon)を投入。今年のパペルボンは、2回連続で救援に失敗した記憶がよみがえる。2アウト後からヒットで2人ランナーが出て、一打同点のピンチ。3番のゴードン(Alex Gordon)の打球は左翼に飛ぶ大きなあたりで、特に左翼がグリーンモンスターと言われる狭い球場だけにヒヤッとさせられるが、エルスバリーが取ってアウトで試合終了。
なお岡島秀樹選手は、今回は試合では見ることができなかった。ロイヤルズは、薮田安彦選手が登板。今回は相手のチームだが、個人的にはがんばってほしいと思う。
松坂大輔選手のページ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%9D%82%E5%A4%A7%E8%BC%94
マイク・ローウェルのページ
http://en.wikipedia.org/wiki/Mike_Lowell
ジョナサン・パペルボンのページ
http://en.wikipedia.org/wiki/Jonathan_Papelbon
マニー・ラミレスのページ
http://www.mannyramirez.com/home.htm
薮田安彦選手(ロイヤルズ)のページ
http://ballplayers.jp/yabuta/
以上のとおりで、両ゲームともそれなりにスリルのある試合であり、特に一試合2満塁ホームラン(Grand Slam)が見れたのは幸運。
大リーグで特に思うのは、観客に若い女性が多いこと。観客席からのゲームの盛り上げ方が、ロック・コンサートに似ているように思える。ロック・コンサートとK1を同時に体験しているようなものと言ったら言い過ぎか。けれども、選手の動きがよりダイナミックであり、そこにも面白さを感じる。
またこれはフェンウェー・パーク(Fenway Park)の特徴でもあるのだが、ファールゾーンが小さく、観客席と球場内部の間の柵などもないので、選手が近く見えるし、ファールのときに選手を触れたりすることもある。
またここでは今回は詳細は省略するが、エンターテーメントとしてのスポーツビジネスとしての運用方法も、一つ一つ面白いと感じる。若い女性の皆さんも、ぜひボストンまで遊びに来てください。
ボストン・レッドソックスのホームページ
http://boston.redsox.mlb.com/index.jsp?c_id=bos
カンザスシティー・ロイヤルズのホームページ
http://kansascity.royals.mlb.com/index.jsp?c_id=kc
ヒルマン監督のサイト
http://www.baseball-reference.com/bullpen/Trey_Hillman
20日(水)は、2005年アメリカンリーグのサイヤング賞(Cy Young Prize)のバルトロ・コロン(Bartolo Colon)のレッドソックスでの初先発。初回にアメリカン・インディアン初の大リーガーの人気選手ジャコビ・エルスバリー(Jacoby Ellsbury)の先頭打者ホームランが飛び出す。2回表に1点、5回表に1点ずつとられて逆転を許すも、5回裏にジェイソン・バリテック(Jason Varitek)のホームランで追いつくと、一挙に4点、7回裏にもエルスバリーがヒットですかさず盗塁、ダスティン・ペドロイア(Dustin Pedroia)のヒットで得点。6回からハンセン(Craig Hansen)、ロペス(Javier Lopez)、デルカーメン(Manny Delcarmen)、ティムリン(Mike Timlin)の継投で1点に抑え、勝利。
バルトロ・コロンのページ
http://en.wikipedia.org/wiki/Bartolo_Col%C3%B3n
ジャコビ・エルスバリーのページ
http://en.wikipedia.org/wiki/Jacoby_Ellsbury
ジェイソン・バリテックのページ
http://en.wikipedia.org/wiki/Jason_Varitek
21日(木)は、1時半ころの開始。それまでハーバード大学の本屋などを物色する。試合はまず松坂大輔投手が登板。これまで7勝0敗としているが、初回にいきなり1点取られ、投球回数も30球を越える(注:大リーグの場合、投手分業が徹底しており、投手生命の維持の観点もあり、先発は100球程度をめどにして降板するのが一般的)が、2回の裏になんとJD ドリュー(JD Drew)が満塁ホームランで4点。3回裏にも1点をとるも、5回表に2失点で追い上げられ、6回表途中で松坂は降板して、ロペスに交代。ロペスは何とか抑える。ところが6回裏に、ペドロイアの2点2塁打と、主砲ラミレス(Manny Ramirez)敬遠後のローウェル(Mike Lowell)の満塁ホームランでさらに4点として、11-3として試合を決めたかに見えた。ところが、今年のレッドソックスはブルペン投手がいまいちピリッとせず、7回のハンセンが2失点、8回ここまでのシーズンは比較的良く、防御率2点台前半のアーズマ(David Aardsma)が運の悪いヒット2本後の、3ランホームランで3点を失い、11-8となる。9回表には抑えの守護神パペルボン(Jonathan Papelbon)を投入。今年のパペルボンは、2回連続で救援に失敗した記憶がよみがえる。2アウト後からヒットで2人ランナーが出て、一打同点のピンチ。3番のゴードン(Alex Gordon)の打球は左翼に飛ぶ大きなあたりで、特に左翼がグリーンモンスターと言われる狭い球場だけにヒヤッとさせられるが、エルスバリーが取ってアウトで試合終了。
なお岡島秀樹選手は、今回は試合では見ることができなかった。ロイヤルズは、薮田安彦選手が登板。今回は相手のチームだが、個人的にはがんばってほしいと思う。
松坂大輔選手のページ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%9D%82%E5%A4%A7%E8%BC%94
マイク・ローウェルのページ
http://en.wikipedia.org/wiki/Mike_Lowell
ジョナサン・パペルボンのページ
http://en.wikipedia.org/wiki/Jonathan_Papelbon
マニー・ラミレスのページ
http://www.mannyramirez.com/home.htm
薮田安彦選手(ロイヤルズ)のページ
http://ballplayers.jp/yabuta/
以上のとおりで、両ゲームともそれなりにスリルのある試合であり、特に一試合2満塁ホームラン(Grand Slam)が見れたのは幸運。
大リーグで特に思うのは、観客に若い女性が多いこと。観客席からのゲームの盛り上げ方が、ロック・コンサートに似ているように思える。ロック・コンサートとK1を同時に体験しているようなものと言ったら言い過ぎか。けれども、選手の動きがよりダイナミックであり、そこにも面白さを感じる。
またこれはフェンウェー・パーク(Fenway Park)の特徴でもあるのだが、ファールゾーンが小さく、観客席と球場内部の間の柵などもないので、選手が近く見えるし、ファールのときに選手を触れたりすることもある。
またここでは今回は詳細は省略するが、エンターテーメントとしてのスポーツビジネスとしての運用方法も、一つ一つ面白いと感じる。若い女性の皆さんも、ぜひボストンまで遊びに来てください。
2008年5月20日火曜日
鈴木哲夫氏による経営改革は結局のところ失敗
鈴木哲夫氏による経営改革は結局のところ失敗
2008年5月20日 山中 裕
私の伯父である鈴木哲夫氏は、私の祖父の山中茂氏が病気で倒れてから、40年以上HOYA(旧保谷硝子)の経営に携わってきました。会社が世の中に受け入れられて発展できたのは、鈴木哲夫氏とその世代の経営者の経営手腕に負うことが大きかったのは事実ですが、様々な事柄に関して、客観的に見なければ、発展的な議論を行うことはできません。
2007年度第三四半期、第四四半期の大幅減益の決算内容と、年初来の株価の急落により、HOYAの経営陣は2000年以降に企業価値の増大に完全に失敗してしまったことが明らかになりました。残念なことですが、取締役半減や社外取締役制度の導入は、他の日本の会社にも同様の形態が導入されるきっかけになった貢献はあながち否定できませんが、HOYAの企業価値を増やすことには、結局のところ、まるで役に立ってこなかったというのが真実です。
すでに述べたように、2008年3月31日のHOYAの株価の終値は、2,340円でした。鈴木洋氏らが経営陣に就任内定した2000年5月末の株価が9990円(4分割修正後の値で2497円)、2000年6月末(30日)の株価は9500円(4分割修正後の値で2375円)ですので、株価は実際には8年間で下がっていますので、結局のところ、8年間でまったく企業価値を増やすことができなかったということです。一部マスコミの提灯報道があろうとも、株価は経営者にとっては通信簿のようなもので、企業価値を中長期的には反映する指標であり、決して誤魔化しが効かない。
同様にいくつかの場所で私が述べたように、すでに観察能力の欠如したマスコミ報道により、世間では完全に誤解されているわけですが、私が言いたいことを簡潔にまとめておきます。私の問題提起が、今後の株主利益の増加にとって、少しでもプラスに働けばと思っています。
①HOYAが高収益企業になったのは、70年代初頭に獲得したガラス研磨技術のおかげ。ガラス研磨技術の応用商品は、技術的な参入障壁が高いため、高収益となった。80年代に地道に事業として育て上げ、90年代に急成長の原動力となるべく、花を咲かせたことによる。材料科学メーカーの技術開発のタイムスパンのあるべき姿をあらわしている。マスクブランクス、フォトマスク、ガラス磁気ディスク基盤、光学レンズの四天王は、いずれも80年代後半までに開発された商品である。真に賞賛されるべきは、鈴木哲夫氏らによる70年代から80年代の経営姿勢であって、ガラス研磨技術の圧倒的な優位性と、そこから出てくる潤沢なキャッシュ・フローにより、90年代後半以降のお粗末な経営が、外から見えにくかったと言うのが真相。
②90年代後半以降15年近くにわたって、HOYAには新規事業の創出実績がない。鈴木洋氏が現地法人責任者時代にシリコンバレーで行った投資は、ほとんどすべて破産に終わり、企業価値に多大な損害を与えた。優良案件の獲得の仕方、投資銀行の使い方、技術開発型企業の評価の仕方、ベンチャー投資界での人脈の作り方など、すべてにおいて合格点を与えられないような惨めな内容。
③2000年代前半より、大手機関投資家からも、余剰資金の使い方についてクレームがつけられていたが、成長率鈍化が明らかになった2005年ころからも、経営陣は何も手を打てなかった。代替品であるフラッシュ・メモリーの台頭などにより、既存事業の将来性が危ういことは、2004年にはすでに内部関係者にも認識されていた。そこでようやく行ったのが、1500億円での戦略なき高値掴み的なペンタックス社の買収。経営陣は株主価値に多大な損害を与えた。
④社外取締役は取締役会を仲良しクラブ化しており、執行にあたる役員の監督機能を果たしているとは到底いえない。私は②や③にある問題について、以前より気がついていたが、結局のところ、株価が2年で45%急落する以前に、何も手を打てなかったということ。株価が急落して気がついてからでは遅すぎる。北米の上場企業ならば、善管注意義務違反と指摘されてもおかしくない。
⑤社内R&Dも、実質すべて失敗に終わっている。2004年買収のRadiant Images社の競合他社への知的所有権売却は、株主総会で問題にすべき内容。3CSiC事業の子会社も2007年に上場予定と5年前に発表も、まったく成果がない。売り上げ初年度数億円を見込むとしたXponent Photonics社は、見事に破産に終わった模様。技術担当者を交代させなければ、何のために指名委員会があるのかわからない。
⑥まとめると、いかに鈴木哲夫氏が以下で述べていた「持ち株会社化で本社は投資家に、少数で戦略練り企業価値を図る」という考え方自体は決して誤りではないが、実態を伴っていなかったということが結論できる。「HOYA株主にとっての失われた8年」を、決して「15年」にしてはならない。
編集長インタビュー
人物 鈴木 哲夫氏[HOYA会長]
持ち株会社化で本社は“投資家”に 少数で戦略練り企業価値向上図る
http://bizboard.nikkeibp.co.jp/kijiken/summary/19981130/NB0968H_408644a.html
問 この不況下で、HOYAの今年9月中間期の連結税引き後利益は92億円と半期として過去最高を記録しました。鈴木さんは40年近く経営トップの座にありますが、4年ほど前から取締役の数を半減させたり、事業分野を再編したりと、経営改革を進めています。今回の最高益はその成果という見方もあるわけですが、経営改革を決断したきっかけは何だったのですか。
以下は、参考のページです。
HOYA株式会社のホームページ
http://www.hoya.co.jp/japanese/index.cfm
HOYA株式会社(ウィキペディア記事)
http://ja.wikipedia.org/wiki/HOYA
日経ビジネス記事(2007年5月28日):HOYA、TOB合意後の「試練」http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070524/125459/
Nikkei BP Net 記事(2007年8月8日):HOYA、TOB成立は単なる一里塚http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q3/541954/
HOYA株式会社の会社概要のページ
http://www.hoya.co.jp/HOYA_DYNAMIC/index.cfm?fuseaction=company.about
ペンタックスのページ
http://www.pentax.jp/japan/index.php
HOYAの経営に関する私の文章(2008年1月3日)http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoya_08.html
HOYAのCOOに浜田宏氏就任
http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoyacoo.html
HOYA株式会社最高執行役に浜田宏氏就任のニュースリリースhttp://www.hoya.co.jp/data/current/newsobj-578-pdf.pdf
HOYA株式会社R&Dのページ
http://www.hoya.co.jp/japanese/company/company_06.cfm
HOYA株式会社の経営理念のページhttp://www.hoya.co.jp/japanese/company/company_03.cfm
キャピタル・グループのホームページ
http://www.capgroup.com/
フィデリティのホームページ
https://www.fidelity.com/
2008年5月20日 山中 裕
私の伯父である鈴木哲夫氏は、私の祖父の山中茂氏が病気で倒れてから、40年以上HOYA(旧保谷硝子)の経営に携わってきました。会社が世の中に受け入れられて発展できたのは、鈴木哲夫氏とその世代の経営者の経営手腕に負うことが大きかったのは事実ですが、様々な事柄に関して、客観的に見なければ、発展的な議論を行うことはできません。
2007年度第三四半期、第四四半期の大幅減益の決算内容と、年初来の株価の急落により、HOYAの経営陣は2000年以降に企業価値の増大に完全に失敗してしまったことが明らかになりました。残念なことですが、取締役半減や社外取締役制度の導入は、他の日本の会社にも同様の形態が導入されるきっかけになった貢献はあながち否定できませんが、HOYAの企業価値を増やすことには、結局のところ、まるで役に立ってこなかったというのが真実です。
すでに述べたように、2008年3月31日のHOYAの株価の終値は、2,340円でした。鈴木洋氏らが経営陣に就任内定した2000年5月末の株価が9990円(4分割修正後の値で2497円)、2000年6月末(30日)の株価は9500円(4分割修正後の値で2375円)ですので、株価は実際には8年間で下がっていますので、結局のところ、8年間でまったく企業価値を増やすことができなかったということです。一部マスコミの提灯報道があろうとも、株価は経営者にとっては通信簿のようなもので、企業価値を中長期的には反映する指標であり、決して誤魔化しが効かない。
同様にいくつかの場所で私が述べたように、すでに観察能力の欠如したマスコミ報道により、世間では完全に誤解されているわけですが、私が言いたいことを簡潔にまとめておきます。私の問題提起が、今後の株主利益の増加にとって、少しでもプラスに働けばと思っています。
①HOYAが高収益企業になったのは、70年代初頭に獲得したガラス研磨技術のおかげ。ガラス研磨技術の応用商品は、技術的な参入障壁が高いため、高収益となった。80年代に地道に事業として育て上げ、90年代に急成長の原動力となるべく、花を咲かせたことによる。材料科学メーカーの技術開発のタイムスパンのあるべき姿をあらわしている。マスクブランクス、フォトマスク、ガラス磁気ディスク基盤、光学レンズの四天王は、いずれも80年代後半までに開発された商品である。真に賞賛されるべきは、鈴木哲夫氏らによる70年代から80年代の経営姿勢であって、ガラス研磨技術の圧倒的な優位性と、そこから出てくる潤沢なキャッシュ・フローにより、90年代後半以降のお粗末な経営が、外から見えにくかったと言うのが真相。
②90年代後半以降15年近くにわたって、HOYAには新規事業の創出実績がない。鈴木洋氏が現地法人責任者時代にシリコンバレーで行った投資は、ほとんどすべて破産に終わり、企業価値に多大な損害を与えた。優良案件の獲得の仕方、投資銀行の使い方、技術開発型企業の評価の仕方、ベンチャー投資界での人脈の作り方など、すべてにおいて合格点を与えられないような惨めな内容。
③2000年代前半より、大手機関投資家からも、余剰資金の使い方についてクレームがつけられていたが、成長率鈍化が明らかになった2005年ころからも、経営陣は何も手を打てなかった。代替品であるフラッシュ・メモリーの台頭などにより、既存事業の将来性が危ういことは、2004年にはすでに内部関係者にも認識されていた。そこでようやく行ったのが、1500億円での戦略なき高値掴み的なペンタックス社の買収。経営陣は株主価値に多大な損害を与えた。
④社外取締役は取締役会を仲良しクラブ化しており、執行にあたる役員の監督機能を果たしているとは到底いえない。私は②や③にある問題について、以前より気がついていたが、結局のところ、株価が2年で45%急落する以前に、何も手を打てなかったということ。株価が急落して気がついてからでは遅すぎる。北米の上場企業ならば、善管注意義務違反と指摘されてもおかしくない。
⑤社内R&Dも、実質すべて失敗に終わっている。2004年買収のRadiant Images社の競合他社への知的所有権売却は、株主総会で問題にすべき内容。3CSiC事業の子会社も2007年に上場予定と5年前に発表も、まったく成果がない。売り上げ初年度数億円を見込むとしたXponent Photonics社は、見事に破産に終わった模様。技術担当者を交代させなければ、何のために指名委員会があるのかわからない。
⑥まとめると、いかに鈴木哲夫氏が以下で述べていた「持ち株会社化で本社は投資家に、少数で戦略練り企業価値を図る」という考え方自体は決して誤りではないが、実態を伴っていなかったということが結論できる。「HOYA株主にとっての失われた8年」を、決して「15年」にしてはならない。
編集長インタビュー
人物 鈴木 哲夫氏[HOYA会長]
持ち株会社化で本社は“投資家”に 少数で戦略練り企業価値向上図る
http://bizboard.nikkeibp.co.jp/kijiken/summary/19981130/NB0968H_408644a.html
問 この不況下で、HOYAの今年9月中間期の連結税引き後利益は92億円と半期として過去最高を記録しました。鈴木さんは40年近く経営トップの座にありますが、4年ほど前から取締役の数を半減させたり、事業分野を再編したりと、経営改革を進めています。今回の最高益はその成果という見方もあるわけですが、経営改革を決断したきっかけは何だったのですか。
以下は、参考のページです。
HOYA株式会社のホームページ
http://www.hoya.co.jp/japanese/index.cfm
HOYA株式会社(ウィキペディア記事)
http://ja.wikipedia.org/wiki/HOYA
日経ビジネス記事(2007年5月28日):HOYA、TOB合意後の「試練」http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070524/125459/
Nikkei BP Net 記事(2007年8月8日):HOYA、TOB成立は単なる一里塚http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q3/541954/
HOYA株式会社の会社概要のページ
http://www.hoya.co.jp/HOYA_DYNAMIC/index.cfm?fuseaction=company.about
ペンタックスのページ
http://www.pentax.jp/japan/index.php
HOYAの経営に関する私の文章(2008年1月3日)http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoya_08.html
HOYAのCOOに浜田宏氏就任
http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoyacoo.html
HOYA株式会社最高執行役に浜田宏氏就任のニュースリリースhttp://www.hoya.co.jp/data/current/newsobj-578-pdf.pdf
HOYA株式会社R&Dのページ
http://www.hoya.co.jp/japanese/company/company_06.cfm
HOYA株式会社の経営理念のページhttp://www.hoya.co.jp/japanese/company/company_03.cfm
キャピタル・グループのホームページ
http://www.capgroup.com/
フィデリティのホームページ
https://www.fidelity.com/
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