2009年12月7日月曜日

司法制度改革と記者クラブの解放を遅らせる鳩山献金問題の罪

私は民主党が300議席を越える大勝となるという結果が見えるはるか前の2008年の10月から、「私が民主党(日本)と小沢一郎氏を支持する理由(1):小沢一郎流の国連中心主義とは何か」(2008年10月20日)の投稿以来、はっきりと民主党を中心とする(当時の)野党が政権をとる方が、(当時の)自公政権よりもよいという立場に立って、はっきりと意見を述べてきました。そういった個人的な経験からも、8月30日の総選挙の結果から現在に至るまでの間に残念なのは、おそらく改革の本丸であるはずの①司法制度改革と、②(記者クラブの解放を主とする)メディア改革が、ほとんど実現されていないことです。

小学校の教科書にあるように、権力は腐敗するので、三権が相互にチェックすることが重要なのです。特に日本は議院内閣制で、立法府が内閣を指名するので、司法と第四の権力たるマスメディアが非常に重要なの話で、勿論様々な個別の政策内容も重要だけれども、これらの改革は本丸と言えるようなものなのです。 逆にいえば、ほかの政策は何もやらなくてよい、以上の2つをやれさえすれば、それだけで画期的で歴史に名が残るのです。

最高裁の権限というのは実は極めて大きく、一票の格差が放置されていることで利権談合共産主義がゾンビ的に残存しているのも、サラ金の過払いの返還が義務付けられて消費者金融のビジネス・モデルが吹っ飛んだのも、代わりに過払い請求の代理人弁護士のスポットCMが流れるようになったのも、最高裁の力です。60代の特定の職業的バックグランドを持っている人だけが、最高裁判事になっているのは、実は大きな問題なのです。 最高裁判事15名のうち、弁護士や裁判官、検事、官界などに枠が決まっているのはそもそもおかしな話です。NGOなどの非政府セクターなどからも、最高裁判事を登用すべきだし、年齢的にも30代や40代の最高裁判事がいてもいいはずです。

アメリカの最高裁判事の構成(ここを参照)を見ていただければ分りますが、9人中3人は50代の年齢です(平均年齢は67歳だが、基本的に終身なのでより高齢の方がいるのです)。Clarence Thomas判事は43歳の時の任用(パパブッシュ政権の時)です。日本の最高裁判事の年齢上の構成の問題点が分ります。

検察庁という強大な権力をもつ機関に民主主義的なチェックがまったく効いていないという点に、多くの国民が懸念を持っているのは、この段階では明らかです。

ところが昨今の政治情勢のため、司法制度の変更も鳩山政権下では難しそうだし、記者クラブも公然と公約違反をしていても平然としています(詳しくは、例えば上杉隆氏の著書や、宮台真司氏の「民主党の重大な「公約破り」はじまる 許すまじ!」を参照)。記者クラブは日本の恥ですし、記者クラブに雑誌記者入れるけど、フリーランスは入れないとかいう、平野博文官房長官の政治的発想は古いですね。これでは何のために政権交代があったの?、という世論に少しずつなっていってもおかしくないでしょう。 というか、民主党の議員さんには忠告したいのですが、もうなりはじめていますよ。 「騙されて投票したけど、何も変わらないじゃないか」とね。

私の改革案は、田中康夫官房長官案ですが、それはいずれ詳細を述べます。私は最終的には小沢一郎という政治家はやると思いますよ。ただ今の内閣の現状は残念ですね。