2008年6月20日金曜日

山内溥氏(任天堂相談役)を、もっと評価しよう

山内溥氏(任天堂相談役)は、20代前半の若さで花札やカードゲームの製造を行う任天堂(http://www.nintendo.co.jp/)の経営者になり、50年近く経営に携わっていた戦後日本を代表する経営者ですが、日本においては、山内氏に対する正当な評価があるとは到底いえないと思います。

冷静に考えると、「ファミリーコンピュータ」を開発・発売して、新しい娯楽産業をつくりあげた、その新規性は、おそらく山内氏がなくてはありえなかったのではないでしょうか。そして、「ゲームボーイ」という携帯型のゲーム機は、世界でもっとも売れた製品となりました。

アップル・コンピュータ(http://www.apple.com/)の創業者であるスティーブ・ジョーブズ氏は、パーソナルコンピュータという概念を発明した天才だとされて、評価されています。ソニー(http://www.sony.co.jp/)の創業者の一人、故盛田昭夫氏はコンスーマー・エレクトロニクスと言う概念を生み出したと高く評価されています。山内氏の役割は、ジョーブズ氏や盛田氏のそれと比べて、決して見劣りしないものです。

そして最後の貢献は、岩田聡氏を後継の経営者にしたことです。2006年に発売された「Wii」がどれだけ成功し、ゲーム市場のあり方そのものを変えたかをみれば、明らかです。岩田氏にしても、仮に本人が優れた能力を持った開発者、経営者としての潜在能力をもっていたとしても、山内氏が岩田氏の潜在能力を見抜いて社長に抜擢したからこそ、このようなゲーム市場の根本的な変化がありえたのです。

残念ながら、日本社会は、優れた日本人を正しく評価できない傾向にあるようです。

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