すでに一部報道がされているように、平成22年6月の株主総会へ向けて、HOYA株式会社へ株主提案を行いました。だいぶん株主提案の数が多くなると思います。題目の議論に移りたいと思いますが、私の理解では、やはり社外取締役制度の歴史がまちがってはじまってしまったことが大きいかと。HOYA株式会社のはじめ2人の社外取締役(椎名武雄氏、佐伯尚孝氏)の人選から垣間見れます。理由をまず簡潔に述べます。
まず社外取締役の独立性の「独立」の意味ですが、分りやすく言えば、社外取締役であること以外に会社との関係がないことを言います。詳しくはリスクメトリクス社の石田猛行さんの論文を読んでください。基本線では石田さんの見解に私も同意しています。そういった観点から考えるに以下の事実が指摘できます。なお私は椎名武雄氏や佐伯尚孝氏の社外取締役としての実績には問題があると考えていますが、仮に彼らが大変素晴らしい方だとしても、独立性という意味では問題になるのです。よりよいガバナンスは投資家にとっては保険のようなものであり、業績がいいことが問題のある企業統治が放置されてもいいという発想にはならないのです(どうも日本人には分りにくい発想のようですが)。
①椎名武雄氏はもともとの主要取引先(日本IBM社)の経営幹部なので、そもそも独立性が疑わしい。
②少なくとも開示情報で明らかなように、椎名武雄氏は、少なくとも2003年まで取締役報酬とは別に、自分の個人会社でHOYA株式会社とコンサルティング契約を結び、多額の報酬を受け取っていたことがあります。
③椎名武雄氏の社外取締役としての在任期間が15年となっていますが、少なくとも10年をこえた在任期間を持つ取締役に、「独立性」を認めていいかという問題があります。たとえば日本プロクシーガバナンス研究所という議決権行使助言会社は、8年を越える在任期間を持つ社外取締役の選任議案には、機械的に反対票を投じることを推奨するとしています。
④佐伯尚考氏は三和銀行の前頭取でしたから、いわいるメインバンクの出身者です。債権者と株主の利益は相反するので、融資を行っている銀行の出身者には独立性を認めないというのが、現代の企業統治論の標準的な考え方です。
⑤また三和銀行出身の佐伯尚考氏がHOYA株式会社の取締役となり、HOYA株式会社名誉会長の鈴木哲夫氏が三和銀行の取締役となっていましたが、取締役を交換している主体出身の取締役(「交換取締役:Interlocking Director」)に独立性を認めないのも、標準的な考え方です。
なお平成22年6月の株主総会向けには、交換取締役を禁止する定款規定を導入する定款変更議案の株主提案を行いました。
以上の意見へのコメントを募集します。今後の株主提案の方法などに反映させていきたいと考えています。以下のメールアドレスまで宜しくお願いします。
yy2248[@]columbia.edu([@]を@に変えてください)。
参考
「取締役の独立性の要件―Riskmetricsの見解」(溝渕彰先生のブログ投稿:2010年4月3日)
http://jcorporate-governance-forum.blogspot.com/2010_04_01_archive.html
2010年5月5日水曜日
2010年4月23日金曜日
私が株主総会の取締役選出での累積投票を推奨する理由
HOYA株式会社を含むほとんどの上場企業は、株主総会での取締役選任における累積投票制度の採用を、定款で排除しています。以下に、私が累積投票を推奨する理由を述べておきます。
(累積投票:推奨する理由:HOYA株式会社の株主様へ)
現在の日本社会の問題の一つが、企業統治の不在による、上場企業の経営における非効率性の放置である。上場企業は、私企業とはいえど、日本の個人が直接・間接に便益を受けるはずの年金基金の運用対象であるので、極めて公共性が高い。経営者は株主の代理人として、配当やキャピタルゲインを増加させることにより株主利益を最大化するよう経営を行うことが望ましく、それを監視するのが取締役会の本来与えられた使命である。ところが、当社を含めたほとんどの日本の上場企業では、そういったメカニズムが、諸外国の資本市場と比較しても、ほとんど働いていない。この現実に非常に憂慮している。
メガネレンズの分野で国内の優位な地位を確立していた当社は、70年代から80年代にかけて、獲得したガラス研磨技術をプラット・フォームの技術として、無機材料科学の分野において、主に半導体産業や液晶の分野を応用とした製品開発に成功し、その結果として90年代に株価が年率15%程度に増加し、10年間で約4倍程度に上昇した。90年代以降成長をけん引したガラス磁気ディスク基板、マスクブランクス、フォトマスクなどの商品はいずれも80年代までに基本的な開発が終了していた商品である。
他方、当社の過去10年間の株価をみると、ここ十年間でほとんど株主価値が創出されていない。実際2000年代冒頭は一見利益ベースでの成長が起きていたが、それは以前の技術・製品開発の成果がそのまま伸びていたわけであり、こういった業績は当社代表執行役CEO鈴木洋氏ら現経営陣に帰するのではなく、それ以前の世代の経営陣の力によるものであると評価することができる。
それではなぜここ10年間、企業価値が創出されなかったのだろうか。
この点、第一にペンタックスの買収が与えたネガティブな影響が挙げられる。すなわち、2006年12月時点の合併会見時でさえ、カメラの市場においてヒット商品が出ていたためにペンタックス社は一時的に黒字になっていただけである。材料科学と異なり、カメラの商品サイクルが2年程度であること等、事業の基礎的な条件だけを見れば、優良な買収対象だと言えない同社を考えられないような高値掴みをしたことが挙げられる。ロイターのインタビューにおいて、3年前に「2011年3月にのれん代を除く営業利益率を18%にすることを目指す」と、鈴木洋氏は発言している。しかしながら、現時点においてこれが実現する可能性はほぼ皆無といって等しい。すでに赤字に転落し、現在の状態は損益分岐点をようやく達成可能かどうかという水準である。買収コストの約1500億円があれば、現在何%の自社株を消却できたであろうか。投資銀行およびやプライベート・エクイティーの実務の観点からは、今回のようないわゆる「高値掴み」は、最大の失敗と解される事例である。残念ながら、本買収については、投資資銀行のアナリストのレベルでも適切な判断が可能といわざるを得ない。結果、現経営陣の能力は、その水準の認識力もないことを意味している。従って、ペンタックス買収は、企業価値の数十パーセントを喪失させた買収であると評価できる。
第二に、ベンチャー企業の投資に悲惨な結果を、「実績」として残していることが挙げられる。公開情報をもとに例を挙げると、2008年(平成20年)に投資対象であるXponent Photonics社やQstream Networks社の実質的な破産が会社から公表されているが、これが当社経営陣の手によるベンチャー投資の実態を示している。例えば2006年(平成18年)にXponent Photonics社への投資と代理店締結時に、「「GE-PON」用光トランシーバーの初年度の売上を6億円と見込んでおります」と発表しているが、なんら成果は上がっていない。これらは株主に損害を与えた投資活動の公開されているほんの一部である。なおRadiant Images社という2004年に連結対象になった投資先についても、ほぼ同様の結果となっている。なお、現社長である鈴木洋氏が米国駐在時に主導した投資は、すべて破産しているのが実態である。以上のような結果になっている理由は、優良案件を掴むための人脈や情報源を保有しておらずそのための努力も全く行っていないこと、投資を行った後は放置したままであり少なくとも四半期おきに投資先の技術開発の動向や代替技術の動向がどうなっているか、買収提案をするべきかどうかなどの精査な分析を一切行っていないこと等が挙げられる。なお、提案者は、こうした問題があることを3年以上前から現経営陣に伝えているが改善に取り組んだ形跡は全く見られないのが実情である。
第三に、社内のR&D(研究開発)の結果が、ここ10年に見るべき実績が全くないことが挙げられる。当前のことであるが、当社は2007年度まで経常利益で約1000億円の利益を出しており、更に成長率を底上げするためには、少なくとも100億円以上の利益を上げられる事業を経済合理的な形で創出する必要がある。ところが株主向け資料に記載されているプロジェクトの中に、一つでも5年から7年以内に100億円以上の営業利益が創出されるようなものが含まれているであろうか。答えは否である。例えば2002年(平成14年)5月発表の、SiC其板の開発、製造子会社のHAST(HOYA Advanced Semiconductor Technology)という会社でも、2007年(平成19年)での上場を目指すと公表されている。すなわち、「設備投資金額は2004年度までに合計で26億円。設備投資の内訳は以下の通り。2002年度が工場の基礎工事費、装置などに7億2000万円。2003年度は結晶成長装置の増設、デバイスの試作装置などに7億6000万円。2004年度は量産設備に11億3000万円。設立5年後には、売上高40億円と株式上場を計画している」とある。しかし、8年たっても株主利益に貢献するような成果が何もないことは、利益に貢献するような事業の創出が行われていないことからも明らかである。これはあくまで一例である。丹治宏彰氏が最高技術責任者として不適格であることは、現場の従業員は認識していた事実であった。従って、丹治宏彰氏に支払われていた報酬自体が株主利益に反するものであり、取締役が株主の利益に立って報酬の決定を行ってこなかったことも明らかである。
基本的に2000年以降に株主価値の増加や、株価の上昇が見られなかった最大の理由は、以上のような状況を当社の執行役を中心とする経営陣が放置していたにもかかわらず、社外取締役を多数とする取締役会がその状況を容認、放置していたことにある。しかし、その状況はいまだに継続している。例えば提案者は昨年度冒頭に、株主提案書の提出により、丹治宏彰氏(当時最高技術責任者)の取締役からの解任を要求、結果として経営陣は丹治宏彰氏を取締役からは自主的に退任させたが、2009年6月の株主総会後の取締役会において、依然として執行役(企画担当)として選任された。提案者から判断すると、社外取締役と経営陣はいわゆる「なれ合いの仲良しクラブ」とも言える関係となっていると目さざるを得ず、到底、最適な人材を執行役に選任するという動機や意思を持ち合わせていないと評価せざるを得ない。以前、鈴木哲夫氏は、「役員の任期は1年」と言っていたはずだが、不適切とされた取締役が以前執行役として留まることを容認している「仲良しクラブ化」の取締役会のもとでは、最適な人材を配置することなど適わないと言える。
当社の株主価値が創出されない経営上の問題について説明を試みたが、それではなぜ累積投票を排除する定款規定が、株主利益上望ましいかについて、最後に説明したい。現在の累積投票によらない取締役選出方法だと、株主の間で意見の対立があった場合、51%の賛同を得ればすべての取締役選任議案は承認され、49%の賛同があっても一人の取締役候補者も取締役にすることができない多数決ルールになっている。これは冷静に考えれば、民主主義において極めて不合理である。例えば国政選挙において、50%を超える得票を集めた政党だけが議員を選出でき、49%や8%といった得票であれば一人も議員を選出できないという制度が存在したとして、その制度に賛同する人はあまりいないのではないだろうか。仮に取締役の員数が10人である場合、10%以上を持つ株主が自らの票(1議決権につき10票)を一人の候補者に集中的に投票すれば、確実に一人の候補者が取締役になることが、累積投票が定款で排除されていなければ(本提案が可決された場合、来年以降は)可能である。
多くの個人株主諸氏は、個人株主比率が全体の15%とか20%になっても、なんら経営陣や取締役は自分たちの株主利益ことを省みないではないかと感じることがあるのではないかと思う。ところが、累積投票制度が排除されていなければ、個人株主の票が一人の取締役候補者に15%集中すれば、個人株主代表の取締役を選出することが容易になる。これは従業員持株会が一定以上の株数を持つ場合にもあてはまる。機能する取締役会において重要な要素は、見解の多様性である。実際に提案者や提案者の推薦する候補がすでに取締役になっていれば、彼らはペンタックスの買収などで経営陣の独走を許すことに反対していいたであろうし、その他の問題となる状況も取締役会ですでに検討されていたであろう。
彼らの意見が取締役の中で少数だったとしても、その意見を取締役会議事録に残すことで、過去の経営行動をチェックし、再検証することも容易になり、責任の追及もしやすくなるのである。この側面は、株主利益に大きく貢献する潜在的な可能性を持っており、取締役会に多様な意見を反映させることは、株主利益の実現上極めて重要である。
累積投票制度は、現在の取締役会の構成や運営の欠陥を是正し、少数株主からの代表を取締役会に送り込む可能性を高め、取締役会の多様な意見の確保を行うのに適している制度である。総会屋等が横行した昭和49年の旧商法改正当時とは状況が変わっているため、現況に鑑みると会社法で認められている累積投票制度を定款で排除する理由は特に見当たらない。実際に、コロンビア大学のゴードン教授(*1)や、CFA協会(*2)、米国最大の年金基金であるカルパース(*3)などの権威筋についても、株主が自らの意見を反映させる可能性が高められるとして同制度を推奨している。現在民主党政権下において、公開会社法の制定が進められているが、本来あるべき労働者利益と株主利益を一体化していくことも、累積投票の存在によって、より可能になる。累積投票は株主民主主義を健全に機能させるために非常に有効な方式であるので、同方式を排除する当社の定款規定は排除するべきである。
*1 Geffrey N. Gordon, "Institutions as Relational Investors: A New Look at
Cumulative Voting, 94 Colum. L. Rev. 124-192 (1995).
*2 CFA協会「上場企業のコーポレートガバナンス 投資家のためのマニュアル」p.36-37(2005年)
(http://www.cfaj.org/publications/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%EF%BC%88%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%89%88%EF%BC%89forEthics%20class%20at%20Waseda.pdfを参照)
*3 カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)「説明責任のあるコーポレートガバナンス(企業統治)国際原則」20頁(最終改訂2008年4月21日)
(http://www.calpers-governance.org/docs-sof/marketinitiatives/japanese-global-principles.pdf参照)
(累積投票:推奨する理由:HOYA株式会社の株主様へ)
現在の日本社会の問題の一つが、企業統治の不在による、上場企業の経営における非効率性の放置である。上場企業は、私企業とはいえど、日本の個人が直接・間接に便益を受けるはずの年金基金の運用対象であるので、極めて公共性が高い。経営者は株主の代理人として、配当やキャピタルゲインを増加させることにより株主利益を最大化するよう経営を行うことが望ましく、それを監視するのが取締役会の本来与えられた使命である。ところが、当社を含めたほとんどの日本の上場企業では、そういったメカニズムが、諸外国の資本市場と比較しても、ほとんど働いていない。この現実に非常に憂慮している。
メガネレンズの分野で国内の優位な地位を確立していた当社は、70年代から80年代にかけて、獲得したガラス研磨技術をプラット・フォームの技術として、無機材料科学の分野において、主に半導体産業や液晶の分野を応用とした製品開発に成功し、その結果として90年代に株価が年率15%程度に増加し、10年間で約4倍程度に上昇した。90年代以降成長をけん引したガラス磁気ディスク基板、マスクブランクス、フォトマスクなどの商品はいずれも80年代までに基本的な開発が終了していた商品である。
他方、当社の過去10年間の株価をみると、ここ十年間でほとんど株主価値が創出されていない。実際2000年代冒頭は一見利益ベースでの成長が起きていたが、それは以前の技術・製品開発の成果がそのまま伸びていたわけであり、こういった業績は当社代表執行役CEO鈴木洋氏ら現経営陣に帰するのではなく、それ以前の世代の経営陣の力によるものであると評価することができる。
それではなぜここ10年間、企業価値が創出されなかったのだろうか。
この点、第一にペンタックスの買収が与えたネガティブな影響が挙げられる。すなわち、2006年12月時点の合併会見時でさえ、カメラの市場においてヒット商品が出ていたためにペンタックス社は一時的に黒字になっていただけである。材料科学と異なり、カメラの商品サイクルが2年程度であること等、事業の基礎的な条件だけを見れば、優良な買収対象だと言えない同社を考えられないような高値掴みをしたことが挙げられる。ロイターのインタビューにおいて、3年前に「2011年3月にのれん代を除く営業利益率を18%にすることを目指す」と、鈴木洋氏は発言している。しかしながら、現時点においてこれが実現する可能性はほぼ皆無といって等しい。すでに赤字に転落し、現在の状態は損益分岐点をようやく達成可能かどうかという水準である。買収コストの約1500億円があれば、現在何%の自社株を消却できたであろうか。投資銀行およびやプライベート・エクイティーの実務の観点からは、今回のようないわゆる「高値掴み」は、最大の失敗と解される事例である。残念ながら、本買収については、投資資銀行のアナリストのレベルでも適切な判断が可能といわざるを得ない。結果、現経営陣の能力は、その水準の認識力もないことを意味している。従って、ペンタックス買収は、企業価値の数十パーセントを喪失させた買収であると評価できる。
第二に、ベンチャー企業の投資に悲惨な結果を、「実績」として残していることが挙げられる。公開情報をもとに例を挙げると、2008年(平成20年)に投資対象であるXponent Photonics社やQstream Networks社の実質的な破産が会社から公表されているが、これが当社経営陣の手によるベンチャー投資の実態を示している。例えば2006年(平成18年)にXponent Photonics社への投資と代理店締結時に、「「GE-PON」用光トランシーバーの初年度の売上を6億円と見込んでおります」と発表しているが、なんら成果は上がっていない。これらは株主に損害を与えた投資活動の公開されているほんの一部である。なおRadiant Images社という2004年に連結対象になった投資先についても、ほぼ同様の結果となっている。なお、現社長である鈴木洋氏が米国駐在時に主導した投資は、すべて破産しているのが実態である。以上のような結果になっている理由は、優良案件を掴むための人脈や情報源を保有しておらずそのための努力も全く行っていないこと、投資を行った後は放置したままであり少なくとも四半期おきに投資先の技術開発の動向や代替技術の動向がどうなっているか、買収提案をするべきかどうかなどの精査な分析を一切行っていないこと等が挙げられる。なお、提案者は、こうした問題があることを3年以上前から現経営陣に伝えているが改善に取り組んだ形跡は全く見られないのが実情である。
第三に、社内のR&D(研究開発)の結果が、ここ10年に見るべき実績が全くないことが挙げられる。当前のことであるが、当社は2007年度まで経常利益で約1000億円の利益を出しており、更に成長率を底上げするためには、少なくとも100億円以上の利益を上げられる事業を経済合理的な形で創出する必要がある。ところが株主向け資料に記載されているプロジェクトの中に、一つでも5年から7年以内に100億円以上の営業利益が創出されるようなものが含まれているであろうか。答えは否である。例えば2002年(平成14年)5月発表の、SiC其板の開発、製造子会社のHAST(HOYA Advanced Semiconductor Technology)という会社でも、2007年(平成19年)での上場を目指すと公表されている。すなわち、「設備投資金額は2004年度までに合計で26億円。設備投資の内訳は以下の通り。2002年度が工場の基礎工事費、装置などに7億2000万円。2003年度は結晶成長装置の増設、デバイスの試作装置などに7億6000万円。2004年度は量産設備に11億3000万円。設立5年後には、売上高40億円と株式上場を計画している」とある。しかし、8年たっても株主利益に貢献するような成果が何もないことは、利益に貢献するような事業の創出が行われていないことからも明らかである。これはあくまで一例である。丹治宏彰氏が最高技術責任者として不適格であることは、現場の従業員は認識していた事実であった。従って、丹治宏彰氏に支払われていた報酬自体が株主利益に反するものであり、取締役が株主の利益に立って報酬の決定を行ってこなかったことも明らかである。
基本的に2000年以降に株主価値の増加や、株価の上昇が見られなかった最大の理由は、以上のような状況を当社の執行役を中心とする経営陣が放置していたにもかかわらず、社外取締役を多数とする取締役会がその状況を容認、放置していたことにある。しかし、その状況はいまだに継続している。例えば提案者は昨年度冒頭に、株主提案書の提出により、丹治宏彰氏(当時最高技術責任者)の取締役からの解任を要求、結果として経営陣は丹治宏彰氏を取締役からは自主的に退任させたが、2009年6月の株主総会後の取締役会において、依然として執行役(企画担当)として選任された。提案者から判断すると、社外取締役と経営陣はいわゆる「なれ合いの仲良しクラブ」とも言える関係となっていると目さざるを得ず、到底、最適な人材を執行役に選任するという動機や意思を持ち合わせていないと評価せざるを得ない。以前、鈴木哲夫氏は、「役員の任期は1年」と言っていたはずだが、不適切とされた取締役が以前執行役として留まることを容認している「仲良しクラブ化」の取締役会のもとでは、最適な人材を配置することなど適わないと言える。
当社の株主価値が創出されない経営上の問題について説明を試みたが、それではなぜ累積投票を排除する定款規定が、株主利益上望ましいかについて、最後に説明したい。現在の累積投票によらない取締役選出方法だと、株主の間で意見の対立があった場合、51%の賛同を得ればすべての取締役選任議案は承認され、49%の賛同があっても一人の取締役候補者も取締役にすることができない多数決ルールになっている。これは冷静に考えれば、民主主義において極めて不合理である。例えば国政選挙において、50%を超える得票を集めた政党だけが議員を選出でき、49%や8%といった得票であれば一人も議員を選出できないという制度が存在したとして、その制度に賛同する人はあまりいないのではないだろうか。仮に取締役の員数が10人である場合、10%以上を持つ株主が自らの票(1議決権につき10票)を一人の候補者に集中的に投票すれば、確実に一人の候補者が取締役になることが、累積投票が定款で排除されていなければ(本提案が可決された場合、来年以降は)可能である。
多くの個人株主諸氏は、個人株主比率が全体の15%とか20%になっても、なんら経営陣や取締役は自分たちの株主利益ことを省みないではないかと感じることがあるのではないかと思う。ところが、累積投票制度が排除されていなければ、個人株主の票が一人の取締役候補者に15%集中すれば、個人株主代表の取締役を選出することが容易になる。これは従業員持株会が一定以上の株数を持つ場合にもあてはまる。機能する取締役会において重要な要素は、見解の多様性である。実際に提案者や提案者の推薦する候補がすでに取締役になっていれば、彼らはペンタックスの買収などで経営陣の独走を許すことに反対していいたであろうし、その他の問題となる状況も取締役会ですでに検討されていたであろう。
彼らの意見が取締役の中で少数だったとしても、その意見を取締役会議事録に残すことで、過去の経営行動をチェックし、再検証することも容易になり、責任の追及もしやすくなるのである。この側面は、株主利益に大きく貢献する潜在的な可能性を持っており、取締役会に多様な意見を反映させることは、株主利益の実現上極めて重要である。
累積投票制度は、現在の取締役会の構成や運営の欠陥を是正し、少数株主からの代表を取締役会に送り込む可能性を高め、取締役会の多様な意見の確保を行うのに適している制度である。総会屋等が横行した昭和49年の旧商法改正当時とは状況が変わっているため、現況に鑑みると会社法で認められている累積投票制度を定款で排除する理由は特に見当たらない。実際に、コロンビア大学のゴードン教授(*1)や、CFA協会(*2)、米国最大の年金基金であるカルパース(*3)などの権威筋についても、株主が自らの意見を反映させる可能性が高められるとして同制度を推奨している。現在民主党政権下において、公開会社法の制定が進められているが、本来あるべき労働者利益と株主利益を一体化していくことも、累積投票の存在によって、より可能になる。累積投票は株主民主主義を健全に機能させるために非常に有効な方式であるので、同方式を排除する当社の定款規定は排除するべきである。
*1 Geffrey N. Gordon, "Institutions as Relational Investors: A New Look at
Cumulative Voting, 94 Colum. L. Rev. 124-192 (1995).
*2 CFA協会「上場企業のコーポレートガバナンス 投資家のためのマニュアル」p.36-37(2005年)
(http://www.cfaj.org/publications/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%EF%BC%88%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%89%88%EF%BC%89forEthics%20class%20at%20Waseda.pdfを参照)
*3 カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)「説明責任のあるコーポレートガバナンス(企業統治)国際原則」20頁(最終改訂2008年4月21日)
(http://www.calpers-governance.org/docs-sof/marketinitiatives/japanese-global-principles.pdf参照)
2010年4月13日火曜日
社外取締役候補の略歴その1:Cardinal Warde博士(マサチューセッツ工科大学電子工学教授)
6月の予定されている、次期HOYA株式会社の株主総会での社外取締役の候補として考えているDr. Cardinal Warde(マサチューセッツ工科大学電子工学科教授)を紹介します。黒人で数少ないMITでの終身教授権を獲得した先生です。

Dr. Cardinal Warde joined the faculty of the Department of Electrical Engineering and Computer Science at the Massachusetts Institute of Technology in 1974, where he is currently Professor of Electrical Engineering. He graduated from the Stevens Institute of Technology (with high honor) in 1969, and received the M.Phil. and Ph.D. degrees in physics in 1971 and 1974, respectively, from Yale University.
.Professor Warde's current research activities are centered on the development of: (1) compact optoelectronic neural network co-processors for brain-like computing, (2) imaging multispectral-polarimetric sensors, (3) light modulators for optical switching and projection displays based on micro-electro-mechanical-systems (MEMS), and (4) high-resolution adaptive wavefront phase compensation systems for imaging and optical communications. He has published over one-hundred-fifty technical papers on optical materials, devices and systems, and he is the holder of twelve patents on spatial light modulators, displays and optical information processing systems.
As an entrepreneur, Dr. Warde founded Optron Systems, Inc. in 1982, and then in 1999 co-founded Radiant Images, Inc. Radiant Images was subsequently acquired by the Hoya Corporation of Japan in 2004. Radiant Images was a manufacturer of transparent liquid-crystal microdisplays for use in display eyeglasses, compact computer projectors and TV monitors, and cellular phones and digital cameras.
Dr. Warde is a fellow of the Optical Society of America, and an Associate Editor of the Journal of Display Technology. He has spent sabbaticals as a Visiting Professor at the University of California (San Diego), Alabama A & M University, Universidad Carlos III de Madrid, and the Barbados and Trinidad campuses of the University of the West Indies. Previously, he served as a member of the Board of Trustees of Stevens Institute of Technology.

Dr. Cardinal Warde joined the faculty of the Department of Electrical Engineering and Computer Science at the Massachusetts Institute of Technology in 1974, where he is currently Professor of Electrical Engineering. He graduated from the Stevens Institute of Technology (with high honor) in 1969, and received the M.Phil. and Ph.D. degrees in physics in 1971 and 1974, respectively, from Yale University.
.Professor Warde's current research activities are centered on the development of: (1) compact optoelectronic neural network co-processors for brain-like computing, (2) imaging multispectral-polarimetric sensors, (3) light modulators for optical switching and projection displays based on micro-electro-mechanical-systems (MEMS), and (4) high-resolution adaptive wavefront phase compensation systems for imaging and optical communications. He has published over one-hundred-fifty technical papers on optical materials, devices and systems, and he is the holder of twelve patents on spatial light modulators, displays and optical information processing systems.
As an entrepreneur, Dr. Warde founded Optron Systems, Inc. in 1982, and then in 1999 co-founded Radiant Images, Inc. Radiant Images was subsequently acquired by the Hoya Corporation of Japan in 2004. Radiant Images was a manufacturer of transparent liquid-crystal microdisplays for use in display eyeglasses, compact computer projectors and TV monitors, and cellular phones and digital cameras.
Dr. Warde is a fellow of the Optical Society of America, and an Associate Editor of the Journal of Display Technology. He has spent sabbaticals as a Visiting Professor at the University of California (San Diego), Alabama A & M University, Universidad Carlos III de Madrid, and the Barbados and Trinidad campuses of the University of the West Indies. Previously, he served as a member of the Board of Trustees of Stevens Institute of Technology.
2010年3月27日土曜日
これがギネスブックに載っている32歳眼科医の正体:Baramurali K. Ambati博士(ユタ大学医学部眼科及び視覚科学准教授)
今のHOYA株式会社の社外取締役は「仲良しクラブ化」していて、株主の利益を十分に考慮しているとは言えないと断言できます。私が疑問に思う最大の理由は、ペンタックスの買収資金1500億円があれば、眼科新薬の候補などをその3分の1でも買うことができたのではないかということ。眼内レンズと組み合わせて、北米で会社の市場での地位を急速に上げていくべきです。
そのために、インド生まれでアメリカで育ち、17歳で医学博士を取得した神童で、ギネスブック記録保持者のバラムラリ・クリシュナ・アンバッティ博士(ユタ大学医学部眼科及び視覚科学准教授兼角膜研究部門長)をHOYA株式会社の社外取締役にして、新しい日本の資本市場の流れを作りたいとおもいます。機関投資家、個人投資家を含む、皆様のご助力を、ぜひともお願いします。1兆円市場である加齢黄班変性症の研究分野でも第一人者となっている人です。お兄さんも眼科医の研究者ですが。加齢変性症の薬を他社に先駆けて市場に出せば、北米と世界の眼科市場を席巻できます。眼科は高齢化に伴い急成長している分野なのに、経営陣はどぶに金を捨てるような投資の失敗ばかり繰り返して、何もできていません。今こそ変革を求めるときです。

Dr. Balamurali Krishna Ambati(University of Utah, Associate Professor of Ophthalmology and Visual Sciences & Director of Corneal Research at the University of Utah School of Medicine)
冬のソルトレーク・シティーで私自身が昨年12月に撮影した写真もあります。
そのために、インド生まれでアメリカで育ち、17歳で医学博士を取得した神童で、ギネスブック記録保持者のバラムラリ・クリシュナ・アンバッティ博士(ユタ大学医学部眼科及び視覚科学准教授兼角膜研究部門長)をHOYA株式会社の社外取締役にして、新しい日本の資本市場の流れを作りたいとおもいます。機関投資家、個人投資家を含む、皆様のご助力を、ぜひともお願いします。1兆円市場である加齢黄班変性症の研究分野でも第一人者となっている人です。お兄さんも眼科医の研究者ですが。加齢変性症の薬を他社に先駆けて市場に出せば、北米と世界の眼科市場を席巻できます。眼科は高齢化に伴い急成長している分野なのに、経営陣はどぶに金を捨てるような投資の失敗ばかり繰り返して、何もできていません。今こそ変革を求めるときです。

Dr. Balamurali Krishna Ambati(University of Utah, Associate Professor of Ophthalmology and Visual Sciences & Director of Corneal Research at the University of Utah School of Medicine)
冬のソルトレーク・シティーで私自身が昨年12月に撮影した写真もあります。
2010年3月15日月曜日
「企業内容等の開示に関する内閣府令(案)」等の公表についてのパブリックコメント
株主提案などの経験も踏まえて、金融庁にパブリックコメントを行いました。
「『企業内容等の開示に関する内閣府令(案)』等の公表について」のパブリックコメント
2010年3月15日 山中 裕
日本の企業統治は、経営者が会社を自分の私物のように扱うことが多く、「会社は株主のもの」という日本以外の先進国での常識が全般的に理解されていない。取締役を株主の代理人という受託者責任の明確化は、労働者や地域雇用のために株主利益を犠牲にしてもいいという根拠を与えてしまうと、結果として会社内部の資源の配分を経営者の自己利益のために図ることを認めてしまうことになるから必要である(80年代の北米でも後半に見られた現象)。より多くの富を持つ者の方がより多くのリスクを取りより大きなリターンを得られるという現実があるが、所得分配の問題はベイシック・インカムの導入や、北欧などにある失業者の再教育システムを強化することで対応するべきであり、「会社が株主のもの」という商法上の原則を崩すことは、経営者の広大な裁量権を認めてしまい、今の日本経済がそうであるように、経済全体での非効率を広範に認める結果となる。
役員報酬については、投資家が役員報酬の妥当性を検証できるようにするために、基本的には役員報酬は額にかかわらず、(社外取締役を含む)取締役と執行役の全額を開示するべきであると考えるが、より重要な論点は、役員報酬を株式の長期保有と経営陣のパフォーマンスに応じた業績連動型を組み合わせ、ストック・オプションは日経平均や産業別のインデックスを用いたインデックス型のオプションを用いるべきである。また開示される報酬以外に実質的に報酬を得ることが、年金やその他のベネフィットを得ることで可能なことにも注意が必要であるし、取締役や執行役の家族がプット・オプションを所有することも、情報開示や禁止をするべきである。株主持ち合いは、非効率な投資であることが多く、議決権行使をゆがめ、結果として株主軽視と経営陣の保護になるので、株式保有目的は明確に開示し、少数株主の責任追及が可能な情報を広くアクセス可能な状況にするべきであるし、議決権行使結果については、臨時報告書において、株主総会における議案ごとの議決権行使の結果(得票数等)を開示することは、投資家が投資を行う際に現状の投資家の投票行動が参考になるので、望ましいことだと考えられる。
日本の企業統治を改善する方法は、①取締役選任において累積投票を義務化、②株主総会決議の秘密投票の2点が重要である。現在の取締役の選任方法は、ほとんどの上場企業で「取締役の選任は累積投票によらない」という定款上の定めがあるため、49%を保有する株主は、51%の株主が反対票を投じた場合には、一人の取締役を選出することもできない。結果として、少数株主の利益を無視した経営が公然とまかり通る。社外取締役や社外監査役の選任(たとえば民主党公開会社法の試案にある労働者代表の監査役就任の強制)を義務付けたとしても、現状では主に現在の経営陣や取締役側が選任権を実質的に持つのであれば、社外取締役や社外監査役の制度はあまり意味をなさないと思える。取引先や保険会社や株式持ち合いの株主が、現経営陣に反対の票を入れることは、取引中止の恐れなどから難しいので、株主総会決議を秘密投票にすることは、問題のある経営陣を解任する可能性を担保する意味で重要である。累積投票も秘密投票も、カリフォルニア公務員年金基金(CalPERS)などほとんどの機関投資家が推奨している企業統治原則である。
今回の金融庁の企業内容開示府令案は、不十分な側面もあるが、基本的には投資家保護の観点から妥当な内容が多く、累積投票や秘密投票などの会社法の改正を立法化とセットになれば、日本の資本市場と年金の運用にとっても極めて有意義なものとなる可能性が高いと考えられる。
「『企業内容等の開示に関する内閣府令(案)』等の公表について」のパブリックコメント
2010年3月15日 山中 裕
日本の企業統治は、経営者が会社を自分の私物のように扱うことが多く、「会社は株主のもの」という日本以外の先進国での常識が全般的に理解されていない。取締役を株主の代理人という受託者責任の明確化は、労働者や地域雇用のために株主利益を犠牲にしてもいいという根拠を与えてしまうと、結果として会社内部の資源の配分を経営者の自己利益のために図ることを認めてしまうことになるから必要である(80年代の北米でも後半に見られた現象)。より多くの富を持つ者の方がより多くのリスクを取りより大きなリターンを得られるという現実があるが、所得分配の問題はベイシック・インカムの導入や、北欧などにある失業者の再教育システムを強化することで対応するべきであり、「会社が株主のもの」という商法上の原則を崩すことは、経営者の広大な裁量権を認めてしまい、今の日本経済がそうであるように、経済全体での非効率を広範に認める結果となる。
役員報酬については、投資家が役員報酬の妥当性を検証できるようにするために、基本的には役員報酬は額にかかわらず、(社外取締役を含む)取締役と執行役の全額を開示するべきであると考えるが、より重要な論点は、役員報酬を株式の長期保有と経営陣のパフォーマンスに応じた業績連動型を組み合わせ、ストック・オプションは日経平均や産業別のインデックスを用いたインデックス型のオプションを用いるべきである。また開示される報酬以外に実質的に報酬を得ることが、年金やその他のベネフィットを得ることで可能なことにも注意が必要であるし、取締役や執行役の家族がプット・オプションを所有することも、情報開示や禁止をするべきである。株主持ち合いは、非効率な投資であることが多く、議決権行使をゆがめ、結果として株主軽視と経営陣の保護になるので、株式保有目的は明確に開示し、少数株主の責任追及が可能な情報を広くアクセス可能な状況にするべきであるし、議決権行使結果については、臨時報告書において、株主総会における議案ごとの議決権行使の結果(得票数等)を開示することは、投資家が投資を行う際に現状の投資家の投票行動が参考になるので、望ましいことだと考えられる。
日本の企業統治を改善する方法は、①取締役選任において累積投票を義務化、②株主総会決議の秘密投票の2点が重要である。現在の取締役の選任方法は、ほとんどの上場企業で「取締役の選任は累積投票によらない」という定款上の定めがあるため、49%を保有する株主は、51%の株主が反対票を投じた場合には、一人の取締役を選出することもできない。結果として、少数株主の利益を無視した経営が公然とまかり通る。社外取締役や社外監査役の選任(たとえば民主党公開会社法の試案にある労働者代表の監査役就任の強制)を義務付けたとしても、現状では主に現在の経営陣や取締役側が選任権を実質的に持つのであれば、社外取締役や社外監査役の制度はあまり意味をなさないと思える。取引先や保険会社や株式持ち合いの株主が、現経営陣に反対の票を入れることは、取引中止の恐れなどから難しいので、株主総会決議を秘密投票にすることは、問題のある経営陣を解任する可能性を担保する意味で重要である。累積投票も秘密投票も、カリフォルニア公務員年金基金(CalPERS)などほとんどの機関投資家が推奨している企業統治原則である。
今回の金融庁の企業内容開示府令案は、不十分な側面もあるが、基本的には投資家保護の観点から妥当な内容が多く、累積投票や秘密投票などの会社法の改正を立法化とセットになれば、日本の資本市場と年金の運用にとっても極めて有意義なものとなる可能性が高いと考えられる。
2010年3月2日火曜日
土井香苗さん夕食会(3月19日)

私の東京大学の一つ上の先輩に当たり、「東京大学の卒業生をはじめとする日本の志を持つ者が、公共的な生き方をするためのロール・モデル(の一つ)を開発して提示した」土井香苗弁護士との東京での夕食会(3月19日午後7時から開始)を、友人に企画させました。写真の左の女性(2010年2月19日衆議院第二議員会館にて撮影)です。NGOセクターの人材を社外取締役にしていくことについても、個人的にご相談に乗ってもらっています。ちなみに右の男性は、私の累積投票の運動の知的バックボーンを支えている溝渕彰先生(下関市立大学経済学部)です。以下の会は、たった7000円(学生5000円)で誰でも参加可能ですので、以下のページのリンクから登録されて、ぜひご参加を!
http://d.hatena.ne.jp/polyculture
ポリカルチャーの皆様
寒さが一段と厳しくなって参りましたが、皆さま如何お過ごしでしょうか?
3月のポリカルチャーでは、2月のテーマ「恋愛 amour」とはガラリと変わって、硬派な分野、『人権』に挑みたいと思います。
ゲストには、世界最大の人権団体、国際NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチの東京ディレクター(日本代表)であり、弁護士でもいらっしゃる土井 香苗氏をお迎えいたします。
ヒューマン・ライツ・ウォッチとは、世界80カ国に250人の優秀な職員を擁する世界最大の人権団体で、その入手する人権侵害情報は、速さ・質・量とも世界最高。
質の高い調査とアドボカシーとを組み合わせて、人権侵害の解決に向けた行動を求める世論と圧力を作り出すことで弾圧する側への政治的圧力をかけ、人権侵害の加害者が負うコストを高めることで事態を改善することを目的としています。また、先進国の政府に国際政策を提言するシンクタンクの機能をも有しています。
(ヒューマン・ライツ・ウォッチについて詳細はコチラ http://www.hrw.org/ja/about)
土井氏は東大在学中に史上最年少(当時)で司法試験合格、大学4年次にNGOピースボートのボランティアとしてアフリカで一番新しい独立国エリトリアにて法律作りに従事し広く世界を見聞。
帰国後弁護士として数年間勤務の傍ら難民の法的救済に携わり、その後ニューヨーク大学ロースクール(LLM)に留学。現地にてヒューマン・ライツ・ウォッチのフェローとして活躍の後2007年にヒューマン・ライツ・ウォッチ日本支社を立ち上げて現在は日本代表をなさっております。
その目も眩むような華やかなご経歴からは想像もつかないほどの気さくなお人柄は土井氏にお会いした方々全員に共通の印象です。
その土井氏より、ヒューマン・ライツ・ウォッチのご活動全般のお話から、土井氏が何故ヒューマン・ライツ・ウォッチでのご活動に携わるようになられたのかというプライベートな話まで、じっくりお聞きしたいと思います。
海外での現地政府の目を盗みながらの情報収集活動、外務省には語れない国際政治の内情などなど、ハリウッド映画並みのスリリングなお話もきっと期待できるはず(?)です。
Q&Aセッションでは「ぜひ土井氏に伺いたい!」という個別のご質問も大歓迎ですので、ぜひ皆様奮ってご参加くださいませ!
【土井香苗氏プロフィール】
1975年8月 神奈川県生まれ
1996年に司法試験に合格後、大学4年生の時、NGOピースボートのボランティアとして、アフリカで一番新しい独立国・エリトリアに赴き、1年間、エリトリア法務省で法律作りのお手伝いのボランティア。
その後、1998年東京大学法学部卒。2000年司法研修所終了。
2000年から弁護士。普段の業務の傍ら、日本にいる難民の法的支援や難民認定法の改正のロビーイングやキャンペーンにかかわる。
2006年6月米国ニューヨーク大学ロースクール修士課程終了(国際法)。
2007年、米国ニューヨーク州弁護士。
2006年から、国際NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチのニューヨーク本部のフェロー。2007年から日本駐在員。
2008年9月から東京ディレクター(日本代表)。
著書に、「”ようこそ”といえる日本へ」(岩波書店 2005年)、「テキストブック 現代の人権第3版」(日本評論社 2004年)など。
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★日時: 3月19日(金) 18:30集合19:00開始
**通常の例会より開始時間が早いのでご注意ください**
★場所: フレンチビストロ「レシャンソン」
銀座メルキュールホテル tel.03-4335-1100(レストラン直通)
http://mercureginza.jp/ja/restaurantbar
★交通: メルキュールホテル銀座東京へのアクセス
・東京メトロ有楽町線「銀座一丁目駅」11番出口直結(07:00~22:00)
・東京メトロ銀座線・丸の内線「銀座駅」A13番出口より徒歩3分
・東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線「東銀座駅」より徒歩3分
・JR山手線・京浜東北線「有楽町駅」より徒歩7分
http://mercureginza.jp/ja/images/location_map.pdf
★ゲスト: 土井 香苗(どい かなえ)氏
国際NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ 東京ディレクター(日本代表)、
弁護士
(http://www.hrw.org/ja/home)
★テーマ: 「人権に挑む」
★言語: スピーチは日本語、Q&Aセッションでは英語での質問も可
★参加費: 7000円 (学生5000円)
★参加申し込み:下記ホームページからお願いします。
http://www.polyculture.net/login.htm
パスワード:human
**3月12日以降のキャンセル、通知なしの欠席の方は不可抗力を除き、
7000円徴収となりますので、ご注意くださいませ**
★3月幹事: 杉江 真理子、砂金政良
2010年2月23日火曜日
痴漢えん罪と女性専用車両
今日ふと頭にきて、大泉学園駅の駅員室の助役に、痴漢えん罪の温床となっている駅員が被疑者を警察に引き渡す行為について、意見を言いました。
被疑者とされる人物の名前と住所を確認するのを優先し、その場合は原告犯逮捕ができないはずなので、警察に引き渡すな、ということですが。
ところで海外から一時帰国中に、女性専用車両にふと乗り込んでしまったことがあります。ところが今日駅員に問い合わせたところ、「女性専用車両に男性が乗り込むことは違法ではない」という言質を得ました。あくまで協力を求めているものなので、要するに男性が乗っても(法的には)いいものらしいです。
被疑者とされる人物の名前と住所を確認するのを優先し、その場合は原告犯逮捕ができないはずなので、警察に引き渡すな、ということですが。
ところで海外から一時帰国中に、女性専用車両にふと乗り込んでしまったことがあります。ところが今日駅員に問い合わせたところ、「女性専用車両に男性が乗り込むことは違法ではない」という言質を得ました。あくまで協力を求めているものなので、要するに男性が乗っても(法的には)いいものらしいです。
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