自分自身がヘッジファンドの投資手法を開発しながら、東京地裁民事8部で本人訴訟をやったり、仮処分申請を行ったりする、おそらく比較的希少性の高いであろう様々な体験からつくづく思うのですが、日本の政治経済システムの最大の問題の一つは、立法機能を実質的に霞が関の官僚が独占していることだと思います。
すでに述べたように、法治国家たる日本では、法律の最終的な解釈権は裁判所が持っています。地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所の順に上位に位置づけられますし、私の提起している株主総会決議取消訴訟の最初の担当判事だった福井章代裁判官がなっていた最高裁判所の調査官というポジションは、裁判官のキャリアの中ではエリートコースとされる分野です。彼らは法律の解釈者ですので、「会社が適法な株主提案の議題を株主総会で取り上げなくても、会社が提案した議題・議案の取消事由にはしない」という判決を、いわば解釈で行っているわけです。しかしながら、国会で「会社が適法な株主提案の議題を取り上げなかった場合は、当該株主総会でのすべての決議を取消しとする」という条文を、会社法改正案として衆議院と参議院で可決し、国会で成立させれば、裁判官は従わざるを得ないわけです。従って、私の思い描くような資本市場を作るためには、立法活動は極めて重要なのです。
あまりよく知られていないかもしれませんが、衆議院と参議院にはそれぞれ衆議院法制局と参議院法制局があります。国会議員が議員立法をするときには、これら事務局が、他の法律との関係などを含めて対応することになっています。原則立法の事務局ですから、人事という意味では、比較的霞が関からも独立しています。ただし、司法修習の期間に修習生が交流することはあるみたいです。
ところが実際のところ、日本では政府提出の法案がほとんどであり、その作成は霞が関の官僚諸氏が行うわけです。すると霞が関の官僚の行動原理は、基本的には自らの省庁の天下り先の確保ですから、そこのところで徹底的に骨抜きをされるわけです。法務省の法制審議会も同じような機能です。法務省民事局のキャリア官僚(過去に太田洋氏や泰田啓太氏なども所属)などは、東京地裁民事8部の若手裁判官と同じように、企業法務を行う弁護士事務所へのパートナー弁護士としての転身を狙っていたりしますので、少なくとも大多数の国民の利益とは別個の方に目が向いているわけで、それに比べれば、選挙で落とされることにおびえている衆議院議員に権限を与えることは、必要ですばらしいことなんですね。
ただし、国会議員に力を与えるにしても、小沢一郎氏が従来から言っていた国会議員が内閣に100人単位で入るという政治主導の絵は、結局のところ、内閣法や国会法の改正がないので、一切実現していません。政務三役に入れなかった大半の議員の不満がうっ積し、彼らの存在意義が失われるという結果になっただけです。あと二院制の下では、いくら政府や政務三役が決めても、連立内閣や衆参のねじれがある状況だと、複数の党の幹部が一致しないと実際は何も法律が国会を通過して実際の法律にならないという現実もあります。政務三役よりも幹事長室に最終的な権限が集中していたのが、鳩山首相・小沢幹事長時代の民主党政権でしたし、「議員立法の禁止」という党の方針もありました。
以上を踏まえると、おそらく改革にとって肝心要のところは、「霞が関の官僚でない主体が立法を行える仕組み」だと思います。都市部の多くの有権者の支持を受けているみんなの党も、シンクタンクを設立する公約を掲げていましたが、いまだに当該議員立法を提出するには至っていませんし、日本では国会議員に立法機能がほとんどないことが問題としてあります。
私は一つの補完的な案として、地方議会の議員が国会の立法機能をサポートすることの兼職を広範に認めて予算をつけ、そして立法能力で頭角を現した地方議員には、国会議員への道が開かれるというようなシステムが良いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
2011年6月4日土曜日
2011年5月31日火曜日
なぜ東京地裁民事8部で株主敗訴の判決が東京高裁で逆転勝訴になるのか
東京地裁の民事8部(通称商事部)ででた株主敗訴の判決が、東京高等裁判所(東京高裁)に控訴されると逆転で勝訴するケースが多々あります。山口三尊先生のレックスホールディングの事件が典型です。原弘産の日本ハウズイングの株主名簿閲覧請求事件もそうですし、同じく山口先生のサイバードもそうです。さすがにカネボウ事件だけは、あまりにひどいケースということで、一審の東京地裁民事8部でも株主勝訴です。確かに地裁レベルでは変な判決は結構ありますが、これだけ勝率に差があるのはなんか変?というのは明らかです。
先日和解した小生の株主提案に関する仮処分事件も、少なくとも債権者(株主側)の一部は認容する決定を出すつもりだったことは、担当の裁判官は口頭で小生に伝えています。あまりにひどいケースは、株主側請求でも認めていますね。なお東京地裁民事8部とほかの裁判所での商事事件でも、勝率が明らかに違うことは判例等を研究していると感じるところでもあります。小生の決議取消訴訟の裁判例と明らかに相反する「否決の決議の取消の利益はある」という判決文を書いたのは、山形地裁の裁判官です。
私の取消訴訟の判決などは、裁判所が明らかに説明義務に関する事実認定を曲げており、異常だといわざるを得ないと思いました。ただ裁判官たちも法律の訓練を伊藤塾などの司法試験予備校等で受けてきた人たちですので、事後的に検証されてぼろくそに言われると自分たちの立身出世にかかわりますから、さすがに「脅迫がない」とか、「適法な株主提案をとりあげなかったことが適法だ」というような意見は言っておらず、「取消事由ではない」といっただけです。この点は、はっきりと裁判での書面を示して、皆さんに判断していただきたいと思います。ただこの裁判は、形式的には原告敗訴ですが、実質的に勝訴です。鈴木洋氏は小生の質問を株主総会の議事録に掲載せずに、「原告は質問権を行使していない」などと述べたかと思うと、福井裁判長から総会当日の録画資料等の提出を求められると、質問したことにはするなど、支離滅裂ぶりを明らかにしています。会社側のめちゃくちゃな株主総会運営と主張を法廷の場で結果的に暴いていますが、最後に裁判官たちは「会社の総会運営方法がめちゃくちゃであっても、株主総会の決議の取り消し事由にはしない」と言っただけですからね。ぜひ訴訟記録を閲覧してみてください。個人的には、正論を貫こうとしていたにみえた福井章代裁判官から大門匡裁判官への変更には納得いきませんが。
それではなぜ東京地裁民事8部の判決が高裁で逆転する傾向にあるのでしょうか?(山口三尊先生はこのような背景を踏まえて、「民事8部は高裁の受付係」といっていました。)
①裁判官の天下りへのインセンティブです。民事8部の裁判官が、大手渉外事務所へのパートナー弁護士へ転身の下心を持つと、会社側に不利な判決を出すとそのような転身に悪影響を及ぼすと考えるみたいですね。法曹の天下りにはまだあまり注目が集まっていないので、これから若林亜紀さんに書いてもらいますので。
代表的なのはこの人(高山祟彦弁護士)ですが。裁判官だった人物が、次に物理的に同じ法廷(民事8部601号法廷)で弁護士として出てくることには、大いなる違和感を持たざるを得ないですが、いかがでしょうか?(以下山口三尊先生ブログより)
(ТМI総合法律事務所)高山祟彦弁護士:元東京地裁商事部の判事として、カネボウ営業譲渡差し止め事件で、株主敗訴の決定を書く。その後弁護士となりシャルレの代理人として、株主と敵対。
また法務省民事局付などというポジションがあり、私の相手方の泰田啓太弁護士(松尾・桃尾・難波法律事務所、当時は検事としてですが)や、山口三尊先生曰く「日本で最も株主の利益を侵害してきた」太田洋弁護士(西村あさひ法律事務所)などがかつて所属しています。この法務省民事局なるものは、法制審議会で御用学者を並べて法務官僚に都合のいい立法とするための局であり、特捜検察と並んで速攻おとり潰しにするべき不要な存在だと思います。政治主導の流れの中で、議員立法を強化する流れからいけば、議員立法をサポートする衆議院や参議院の法制局こそがエリートコースになるべきだと思うのですが。
議員が国民のために働かないのならば、自分で法案の素案を作って各議員の事務所を回るしかありません。今夜、知人と日本版ERISA法の立法をしようという話になりました。
②また日本の商法・会社法では、株主の権利が強く明確に規定されているという点があります。したがって、東京地裁民事8部の裁判官が解釈を捻じ曲げて会社側有利な判決を書いても、高裁の判事は株主の明文上規定された権利をそのまま適用して、逆転判決になることが多いのです。
③一つには裁判官の人事の問題があります。裁判官は任官すると地方の裁判所の判事をやらなければいけないなど、会社法や商法だけやっているわけではありませんし、一方で実務の世界はどんどん進んでいくので、裁判官がどんなに頭がよくて勉強をする気のある人でも、さすがについていけないということはあるのだと思います。裁判官は、日本の霞が関の官僚と同じように、特に専門性がないのですね。保全事件では裁判官と言葉を交わす頻度が高いのですが、(非公開の場ですが)その中で実務の感覚では変な発言を裁判官がすることは結構あります。
④あと③とも関連していますが、会社法と商法の経験が少ないために、民事8部の裁判官は企業法務を担当する大手弁護士事務所と勉強会などと称する交流会をやっています。そんなことが許されるのか、と言いたい。
しかし裁判所は、その権力の構造では、所詮は法律の解釈権を持っているにすぎないので、いくら東京地裁民事8部の裁判官が天下りの方向に目が向いていても、選挙で落とせる国会議員に国会で立法させてしまえば、すべてとは言えないにせよかなりの部分が解決します。やはり「資本市場改革関連法案」の立法活動しかないのでしょう。我々の年金を守るために、市民が立法をする仕組みを作りましょう。
先日和解した小生の株主提案に関する仮処分事件も、少なくとも債権者(株主側)の一部は認容する決定を出すつもりだったことは、担当の裁判官は口頭で小生に伝えています。あまりにひどいケースは、株主側請求でも認めていますね。なお東京地裁民事8部とほかの裁判所での商事事件でも、勝率が明らかに違うことは判例等を研究していると感じるところでもあります。小生の決議取消訴訟の裁判例と明らかに相反する「否決の決議の取消の利益はある」という判決文を書いたのは、山形地裁の裁判官です。
私の取消訴訟の判決などは、裁判所が明らかに説明義務に関する事実認定を曲げており、異常だといわざるを得ないと思いました。ただ裁判官たちも法律の訓練を伊藤塾などの司法試験予備校等で受けてきた人たちですので、事後的に検証されてぼろくそに言われると自分たちの立身出世にかかわりますから、さすがに「脅迫がない」とか、「適法な株主提案をとりあげなかったことが適法だ」というような意見は言っておらず、「取消事由ではない」といっただけです。この点は、はっきりと裁判での書面を示して、皆さんに判断していただきたいと思います。ただこの裁判は、形式的には原告敗訴ですが、実質的に勝訴です。鈴木洋氏は小生の質問を株主総会の議事録に掲載せずに、「原告は質問権を行使していない」などと述べたかと思うと、福井裁判長から総会当日の録画資料等の提出を求められると、質問したことにはするなど、支離滅裂ぶりを明らかにしています。会社側のめちゃくちゃな株主総会運営と主張を法廷の場で結果的に暴いていますが、最後に裁判官たちは「会社の総会運営方法がめちゃくちゃであっても、株主総会の決議の取り消し事由にはしない」と言っただけですからね。ぜひ訴訟記録を閲覧してみてください。個人的には、正論を貫こうとしていたにみえた福井章代裁判官から大門匡裁判官への変更には納得いきませんが。
それではなぜ東京地裁民事8部の判決が高裁で逆転する傾向にあるのでしょうか?(山口三尊先生はこのような背景を踏まえて、「民事8部は高裁の受付係」といっていました。)
①裁判官の天下りへのインセンティブです。民事8部の裁判官が、大手渉外事務所へのパートナー弁護士へ転身の下心を持つと、会社側に不利な判決を出すとそのような転身に悪影響を及ぼすと考えるみたいですね。法曹の天下りにはまだあまり注目が集まっていないので、これから若林亜紀さんに書いてもらいますので。
代表的なのはこの人(高山祟彦弁護士)ですが。裁判官だった人物が、次に物理的に同じ法廷(民事8部601号法廷)で弁護士として出てくることには、大いなる違和感を持たざるを得ないですが、いかがでしょうか?(以下山口三尊先生ブログより)
(ТМI総合法律事務所)高山祟彦弁護士:元東京地裁商事部の判事として、カネボウ営業譲渡差し止め事件で、株主敗訴の決定を書く。その後弁護士となりシャルレの代理人として、株主と敵対。
また法務省民事局付などというポジションがあり、私の相手方の泰田啓太弁護士(松尾・桃尾・難波法律事務所、当時は検事としてですが)や、山口三尊先生曰く「日本で最も株主の利益を侵害してきた」太田洋弁護士(西村あさひ法律事務所)などがかつて所属しています。この法務省民事局なるものは、法制審議会で御用学者を並べて法務官僚に都合のいい立法とするための局であり、特捜検察と並んで速攻おとり潰しにするべき不要な存在だと思います。政治主導の流れの中で、議員立法を強化する流れからいけば、議員立法をサポートする衆議院や参議院の法制局こそがエリートコースになるべきだと思うのですが。
議員が国民のために働かないのならば、自分で法案の素案を作って各議員の事務所を回るしかありません。今夜、知人と日本版ERISA法の立法をしようという話になりました。
②また日本の商法・会社法では、株主の権利が強く明確に規定されているという点があります。したがって、東京地裁民事8部の裁判官が解釈を捻じ曲げて会社側有利な判決を書いても、高裁の判事は株主の明文上規定された権利をそのまま適用して、逆転判決になることが多いのです。
③一つには裁判官の人事の問題があります。裁判官は任官すると地方の裁判所の判事をやらなければいけないなど、会社法や商法だけやっているわけではありませんし、一方で実務の世界はどんどん進んでいくので、裁判官がどんなに頭がよくて勉強をする気のある人でも、さすがについていけないということはあるのだと思います。裁判官は、日本の霞が関の官僚と同じように、特に専門性がないのですね。保全事件では裁判官と言葉を交わす頻度が高いのですが、(非公開の場ですが)その中で実務の感覚では変な発言を裁判官がすることは結構あります。
④あと③とも関連していますが、会社法と商法の経験が少ないために、民事8部の裁判官は企業法務を担当する大手弁護士事務所と勉強会などと称する交流会をやっています。そんなことが許されるのか、と言いたい。
しかし裁判所は、その権力の構造では、所詮は法律の解釈権を持っているにすぎないので、いくら東京地裁民事8部の裁判官が天下りの方向に目が向いていても、選挙で落とせる国会議員に国会で立法させてしまえば、すべてとは言えないにせよかなりの部分が解決します。やはり「資本市場改革関連法案」の立法活動しかないのでしょう。我々の年金を守るために、市民が立法をする仕組みを作りましょう。
2011年5月30日月曜日
株主提案関係で、取材したい方へ。
取材したい方は、どうぞメールください。
小生の取材申し込み用のメールアドレスは、yy2248[at]columbia.edu です。[at]を@に変えてください。
原則として、過去に失礼な対応をした以外の、すべての取材に答えます。
小生の取材申し込み用のメールアドレスは、yy2248[at]columbia.edu です。[at]を@に変えてください。
原則として、過去に失礼な対応をした以外の、すべての取材に答えます。
2011年5月26日木曜日
あるべく企業統治を破壊する中川知子氏(コーポレート企画室ジェネラル・マネージャー)
HOYA株式会社の企業統治の最大の問題点は、社外取締役が企業統治、株主価値の最大化の観点からまったく機能していないことです。日本が何でだめかについての、複合的な構造がそこに読み取れます。
というのも、社外取締役の情報のほとんどが、最高執行役傘下のコーポレート企画室(特に幹部社員の中川知子氏)の作成したものからのみ得られており、なんと昨年度の株主提案に対する反対理由のほとんどが、幹部社員の中川知子氏が作成したものを、浜田宏氏を含む取締役会の構成員が、何の批判もなく掲載したという問題があります。このことは、私の提起した決議取消訴訟の裁判資料からもはっきりと見ることもできます。そもそも適法な株主提案の議題を一方的に落とすことは違法であり、その違法行為を隠蔽するために、さらに違法行為を繰り返すというありさまであり、中川知子氏は鈴木洋氏と共謀して、違法行為を連発していると言えます。
そもそも例の無機EL(ナノ粒子)の研究中止について、監査委員会へ萩原太郎氏と塙義一氏、椎名武雄氏への賠償請求の書面を会社(というか監査委員会事務局)に送付しましたが、これらはすべて中川知子氏の検閲もどきがかかっており、監査委員会委員の取締役へ行く前に、中川氏らが中身を精査するわけですね。このことは、先日の仮処分の審尋の時に、相手方の泰田啓太弁護士(検事出身)がその事実をコメントしていたことからも明らかです。
取締役会反対意見として書かれている「秘密投票で議決権行使は変わらないと考えている」とかは、機関投資家の担当者であれば、当該議案に賛成するかどうかは別として、この取締役会はいったいどうなっているのではないかと思ったと思います。実は形式的に解任権限等を持つ取締役よりも、中川知子氏が主導し、実質的に力を持っていることが大問題なのです。このような仕組みの下では、中川知子氏と鈴木洋氏が不正行為を連発していても、なんら社外取締役がチェックする機能は果たされないわけで、内部統制システムの構築義務にも関連してきます。
結局高橋洋一氏の本とか読んでいても思うんですけれど、情報をコントロールしている人間が権利的には権限がなくても、実質大きな権限を行使しているということがあるんですね。それは内閣であっても、会社であっても変わらないと。大臣に人事権があっても、それを行使するのを妨害しようとしてくるのと似ています。実質的には社外取締役が大きな権限をいても、中川知子氏が決裁している書類しか取締役会や3委員会に行かないのであるから、当然誰が実質的な権限を持っているかという構造になるわけです。だからこそ、中川氏の権限外しになる議案「執行役を交えない経営会議」(ただそのアジェンダを中川氏が決めていればそれも骨抜きに)とか「取締役会だけの執行役が雇用するのとは別の法律顧問の雇用予算」とかの議案を不掲載にするでたらめな法解釈に基づく総会運営をやってこようとしてくるんですね。
というか、そもそも相手方の松尾・桃尾・難波弁護士事務所なども執行役側(というより鈴木洋氏と中川知子氏)のほぼいいなりなんだから、いままでの経緯はいずれこのサイトなどで公開していきますね。あと法的に正当化できる理屈と、株主利益の観点から望ましい理屈は、ずれてくることもあるんですね。
そして以上のような状況なのに、「PIが業界水準より高い」などと言って、取締役選任議案に賛成推奨する議決権行使会社にも大きな問題があると思います。以前ビデオニュースのなかで、宮台真司氏が「なぜ関西電力の経済合理性に反する原発建設計画に、株主が株主代表訴訟などのアクションを取らないのか?」という質問に、飯田哲也氏は「保険会社等には事業を分析する能力がなく、アメリカの議決権行使会社の推奨に従っているだけだ。議決権行使助言会社は、独占企業だから収益的には現状のままでOKとする。」と答えていました。議決権行使助言会社は、会社の分析をする能力や資源が十分にないことを認めたうえで、議決権行使の推奨レポートを発行するべきではないでしょうか?
同世代の方から、数多くの応援メッセージと助言をいただけていることに感謝を申し上げます。
外国人投資家の議決権行使行動と議決権行使助言会社の問題点については、別に記載します。
というのも、社外取締役の情報のほとんどが、最高執行役傘下のコーポレート企画室(特に幹部社員の中川知子氏)の作成したものからのみ得られており、なんと昨年度の株主提案に対する反対理由のほとんどが、幹部社員の中川知子氏が作成したものを、浜田宏氏を含む取締役会の構成員が、何の批判もなく掲載したという問題があります。このことは、私の提起した決議取消訴訟の裁判資料からもはっきりと見ることもできます。そもそも適法な株主提案の議題を一方的に落とすことは違法であり、その違法行為を隠蔽するために、さらに違法行為を繰り返すというありさまであり、中川知子氏は鈴木洋氏と共謀して、違法行為を連発していると言えます。
そもそも例の無機EL(ナノ粒子)の研究中止について、監査委員会へ萩原太郎氏と塙義一氏、椎名武雄氏への賠償請求の書面を会社(というか監査委員会事務局)に送付しましたが、これらはすべて中川知子氏の検閲もどきがかかっており、監査委員会委員の取締役へ行く前に、中川氏らが中身を精査するわけですね。このことは、先日の仮処分の審尋の時に、相手方の泰田啓太弁護士(検事出身)がその事実をコメントしていたことからも明らかです。
取締役会反対意見として書かれている「秘密投票で議決権行使は変わらないと考えている」とかは、機関投資家の担当者であれば、当該議案に賛成するかどうかは別として、この取締役会はいったいどうなっているのではないかと思ったと思います。実は形式的に解任権限等を持つ取締役よりも、中川知子氏が主導し、実質的に力を持っていることが大問題なのです。このような仕組みの下では、中川知子氏と鈴木洋氏が不正行為を連発していても、なんら社外取締役がチェックする機能は果たされないわけで、内部統制システムの構築義務にも関連してきます。
結局高橋洋一氏の本とか読んでいても思うんですけれど、情報をコントロールしている人間が権利的には権限がなくても、実質大きな権限を行使しているということがあるんですね。それは内閣であっても、会社であっても変わらないと。大臣に人事権があっても、それを行使するのを妨害しようとしてくるのと似ています。実質的には社外取締役が大きな権限をいても、中川知子氏が決裁している書類しか取締役会や3委員会に行かないのであるから、当然誰が実質的な権限を持っているかという構造になるわけです。だからこそ、中川氏の権限外しになる議案「執行役を交えない経営会議」(ただそのアジェンダを中川氏が決めていればそれも骨抜きに)とか「取締役会だけの執行役が雇用するのとは別の法律顧問の雇用予算」とかの議案を不掲載にするでたらめな法解釈に基づく総会運営をやってこようとしてくるんですね。
というか、そもそも相手方の松尾・桃尾・難波弁護士事務所なども執行役側(というより鈴木洋氏と中川知子氏)のほぼいいなりなんだから、いままでの経緯はいずれこのサイトなどで公開していきますね。あと法的に正当化できる理屈と、株主利益の観点から望ましい理屈は、ずれてくることもあるんですね。
そして以上のような状況なのに、「PIが業界水準より高い」などと言って、取締役選任議案に賛成推奨する議決権行使会社にも大きな問題があると思います。以前ビデオニュースのなかで、宮台真司氏が「なぜ関西電力の経済合理性に反する原発建設計画に、株主が株主代表訴訟などのアクションを取らないのか?」という質問に、飯田哲也氏は「保険会社等には事業を分析する能力がなく、アメリカの議決権行使会社の推奨に従っているだけだ。議決権行使助言会社は、独占企業だから収益的には現状のままでOKとする。」と答えていました。議決権行使助言会社は、会社の分析をする能力や資源が十分にないことを認めたうえで、議決権行使の推奨レポートを発行するべきではないでしょうか?
同世代の方から、数多くの応援メッセージと助言をいただけていることに感謝を申し上げます。
外国人投資家の議決権行使行動と議決権行使助言会社の問題点については、別に記載します。
2011年5月21日土曜日
萩原太郎氏(技術担当執行役)へ提訴請求
2008年7月24日に発表されている「全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子研究グループがJJAP論文賞を受賞」の研究成果でもある無機ELに関する研究開発を、2010年春ごろに突如中止していたことが判明しました。この研究グループは、大阪大学の松尾先生の研究室と、科学技術振興機構(略称JST)とのあいだで共同研究していたものであり、非常に高い評価を得ていたのに、突如としてその研究成果である機械等を寄贈してしまうなどの前代未聞の行為を行っています。小生が去年の株主総会で主張したように、萩原太郎氏は早急に退任するべきです。
なお当社においては、執行役候補の取締役会への上程権限が指名委員会にあることから、特に責任のある指名委員長椎名武雄氏と、塙義一氏についても、提訴対象としました。
株主代表訴訟に係る提訴請求書
〒161-8525
東京都新宿区中落合2丁目7番5号
H O Y A 株式会社 監査委員会 御中
H O Y A 株式会社 監査委員会委員長 児玉幸治様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 椎名武雄様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 茂木友三郎様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 小枝至様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 河野栄子様
平成23年5月16日
H O Y A 株式会社 株主 山中 裕
前略 私こと山中裕は、六ヶ月前より引き続き貴社株式を保有する株主である(会社法八百四十七条一項参照)。
貴社は、2008年度のアニュアルレポートにて、研究開発活動の一つとして、「ナノ粒子」の項目を設け、「ナノ粒子とは、粒径が数ナノメートルの超微小な粒子のことです。金属やセラミクスなどの材料をナノサイズまで小さくすると、その材料の性質が変化し、発光など新しい機能がうまれたりします。HOYAは、さまざまなナノ粒子の分散・表面改質技術の研究に取り組んでおり、これらをうまく組み合わせることで新しい物性をもった複合材料の開発に挑戦しています。今季は高屈折率工学部品や磁気媒体関連分野での応用を目指します」(27ページ)と記載するなど、3年前の時点でも目玉プロジェクトの一つとして宣伝していた無機ELに係る研究開発プロジェクトを、2010年春ごろに一方的に脈絡ない技術経営判断の結果、中止した。
当該研究開発は、2008年7月24日の当社プレスリリースでも、「全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子研究グループがJJAP論文賞を受賞」などとして、「この度、HOYA株式会社 R&Dセンター QD-EL研究グループ(小林哲 主任研究員、谷由紀研究員)は、川副博司 東京工業大学名誉教授と共著の全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子に関する論文が認められ、(社)応用物理学会より第30回(2008年度)応用物理学会論文賞(JJAP論文賞)を受賞することとなりました」と、重要な研究開発活動の成果であるとして、3年弱前の時点でも、投資家に広く公表されている。
さらには係る研究開発の蓄積として社内独自に長年改良を行っていた機械を、大阪大学松尾研究室に、ほぼ無償で寄贈するという暴挙に至っている。当該製造技術等の構成は、二十メートル四方のクリーンルームとカスタムメイドの備品からなり、これらを再び初めから構築しようとすると少なくとも二十億円程度の費用が発生することは明らかである。
また人材の育成が企業としての主要な競争力の源泉であるにもかかわらず、このような顕著な研究開発の能力を持つ小林哲研究員を、社外(本ケースではサムソン電子)へ転職させ、引き留める積極的な行動も行わなかった。
以上のような多額の費用を費やしたはずの当該プロジェクトを一方的に中止する等の意思決定については、最低限の分析を行えば、これら意思決定は技術経営の観点から不適切であることは、簡単に理解できたことである。技術開発に何ら成果がないことは、株価を長期低迷させる主因の一つとなっている。このような会社に多大なる損害を与えた執行役(技術担当)の萩原太郎氏の業務執行行為は任務懈怠を始めとする善管注意義務(ないしは忠実義務)に違反する行為と言わざるを得ない。
加えて、萩原太郎氏が技術担当執行役に就任した平成二十一年六月以降、新規事業に関する技術開発には何ら成果がなく、萩原太郎氏の業務執行行為により発生したこれら投資に関する損害についても、萩原太郎氏は善管注意義務(ないしは忠実義務)違反として損害賠償責任を負うべきである。
前記、萩原太郎氏の善管注意義務(ないしは忠実義務)違反の結果、発生した貴社に対する損害額は、第一に長年にわたった研究開発の成果であるところの機械を大阪大学にほぼ無償で寄贈した二十億円程度の損害額、第二に当該プロジェクトを継続あるいは少なくとも社外に売却した場合には、機械を除いても、最低でも三十億円程度の金銭的価値を生み出していたと予想されることに係る機会費用であり、合算して総額約五十億円の損害が貴社に対し発生したと認められる。これら算出額は、仮に当該研究開発プロジェクトに少数持分投資した場合には、投資前価値が五十億円程度になることは容易に予想されるうえ、逆に当社が同研究開発活動を買収した場合には百億円以上の費用が発生することを考えれば損害額の下限と言ってもよい。
さらには、萩原太郎氏が技術担当執行役に就任して以来、光通信部品、3CSiC、微細加工の主要プロジェクトについて何一つ進捗についての成果が見られず、一つも新規技術開発に係る起案がなく、本来新規プロジェクトを起案し新たな事業を起こす事がR%Dセンターのミッションである事を考慮すると職務怠慢とも言える行為であるが、そもそも萩原太郎氏は東京大学の機械工学科(学士)を卒業しており、日産自動車入社後も車のボディーの開発などに主たる時間を費やしていた人物であり、硝子研磨や加工などの材料科学や眼科領域、光学あるいは医療機器(旧ペンタックス内視鏡分野は赤字に転落しているが売り上げはまだ大きい)を主たる事業分野とする当社の技術担当執行役として適格性がないことはもともと明らかである。一般に他社の例を見ても、企業の研究会開発部門の長に任命される者は、①博士の称号(最低でも修士)を有する、②学界や特定の研究機関で顕著な活躍がある、③海外留学経験がある等の条件を満たす必要があるが、萩原太郎氏には、それに匹敵する研究機関での実績や外部研究機関からの賞賛の実績が全く無い。萩原太郎氏が前職で従事していた燃料電池のプロジェクトも、日産自動車で不要となった部門であり、なんら成果もなかった。従って以上のような背景の人物が技術担当執行役として不適切であることは、元社外取締役で日産自動車名誉会長(当時)の塙義一氏であれば容易に理解していたことである。自社で不要となった人材を、自らが社外取締役となる会社に押し付けた背任的行為ともみなすことができる。
従って、かかる実績の存在しない人物を技術担当執行役として取締役会への推薦を行ったことについて、塙義一氏ならびに指名委員長である椎名武雄氏については、善管注意義務違反、あるいは忠実義務違反が認められることは明らかであり、萩原太郎氏の指名に特に責任のある2名については、最低でも二年分の研究開発費の六十億円の十分の一である六億円程度の賠償責任を負うと解するべきである。
従って、会社法八百四十七条一項に基づき、貴社の技術担当の執行役である萩原太郎氏を被告として約五十億円、塙義一氏と椎名武雄氏については約六億円の損害賠償を請求する訴えを提起することを貴社に対し、請求する。早々
参考
全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子研究グループがJJAP論文賞を受賞
2008年7月24日 HOYA株式会社 R&Dセンター
この度、HOYA株式会社 R&Dセンター QD-EL研究グループ(小林 哲 主任研究員、谷 由紀 研究員)は、川副 博司 東京工業大学名誉教授と共著の全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子に関する論文1)が認められ、(社)応用物理学会より第30回(2008年度)応用物理学会論文賞(JJAP論文賞)を受賞することとなりました。
受賞対象の論文に著された素子は、その構成部材を全て無機材料とした面状自発光素子(エレクトロルミネッセンス素子: EL素子)です。化学合成手法によるコロイダル量子ドットを発光層の原材料に用いることにより、CRTに比肩する純色の自己発光を実現できることが特徴です。
コロイダル量子ドット: QDは、液相にて化学合成され、表面を界面活性剤有機分子で覆われた、数ナノメートルの直径を有する半導体ナノ結晶であり、極めて色純度の良い高効率の蛍光を発する優れた発光材料として知られています。しかし、その表面に存在する界面活性剤や、QDを分散させる為に用いられる有機溶剤に由来する有機物の存在が、無機材料で構成される発光素子への応用を拒んできました。
QD-EL研究グループは、コロイダルQDから有機物を除去しつつも、QD構造を保存し、高効率純色発光特性を有する半導体発光活性薄膜を比較的低温で形成できる成膜技術を既に開発しています 。この度、二重絶縁層型薄膜EL素子の発光活性層の形成に新成膜技術を応用し、初めて量子ドットからの高純色自発光(電子・正孔の量子閉じ込め準位間発光)に成功いたしました。過酷な環境下でも、全無機構造が高い信頼性をもたらすことが期待できます。また、プラスティック基板を使用することが可能で、さらに全ての電極に透明導電材料を用いることで、フルカラーのフレキシブル透明ディスプレーも構成可能です。今後は、各構成部材の調製を行い、高輝度化のための開発を行っていきます。
本件に関するお問い合わせ:
196-8510 東京都昭島市武蔵野3-3-1
HOYA(株) R&Dセンター
企画部 探索評価 QD-EL担当
liquid@sngw.rdc.hoya.co.jp
----------------------------------------------------------------------------
*1 “Quantum Dot Activated All-inorganic Electroluminescent Device Fabricated Using Solution-Synthesized CdSe/ZnS Nanocrystals” Jpn. J. Appl. Phys. 46, L966 (2007)
なお当社においては、執行役候補の取締役会への上程権限が指名委員会にあることから、特に責任のある指名委員長椎名武雄氏と、塙義一氏についても、提訴対象としました。
株主代表訴訟に係る提訴請求書
〒161-8525
東京都新宿区中落合2丁目7番5号
H O Y A 株式会社 監査委員会 御中
H O Y A 株式会社 監査委員会委員長 児玉幸治様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 椎名武雄様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 茂木友三郎様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 小枝至様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 河野栄子様
平成23年5月16日
H O Y A 株式会社 株主 山中 裕
前略 私こと山中裕は、六ヶ月前より引き続き貴社株式を保有する株主である(会社法八百四十七条一項参照)。
貴社は、2008年度のアニュアルレポートにて、研究開発活動の一つとして、「ナノ粒子」の項目を設け、「ナノ粒子とは、粒径が数ナノメートルの超微小な粒子のことです。金属やセラミクスなどの材料をナノサイズまで小さくすると、その材料の性質が変化し、発光など新しい機能がうまれたりします。HOYAは、さまざまなナノ粒子の分散・表面改質技術の研究に取り組んでおり、これらをうまく組み合わせることで新しい物性をもった複合材料の開発に挑戦しています。今季は高屈折率工学部品や磁気媒体関連分野での応用を目指します」(27ページ)と記載するなど、3年前の時点でも目玉プロジェクトの一つとして宣伝していた無機ELに係る研究開発プロジェクトを、2010年春ごろに一方的に脈絡ない技術経営判断の結果、中止した。
当該研究開発は、2008年7月24日の当社プレスリリースでも、「全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子研究グループがJJAP論文賞を受賞」などとして、「この度、HOYA株式会社 R&Dセンター QD-EL研究グループ(小林哲 主任研究員、谷由紀研究員)は、川副博司 東京工業大学名誉教授と共著の全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子に関する論文が認められ、(社)応用物理学会より第30回(2008年度)応用物理学会論文賞(JJAP論文賞)を受賞することとなりました」と、重要な研究開発活動の成果であるとして、3年弱前の時点でも、投資家に広く公表されている。
さらには係る研究開発の蓄積として社内独自に長年改良を行っていた機械を、大阪大学松尾研究室に、ほぼ無償で寄贈するという暴挙に至っている。当該製造技術等の構成は、二十メートル四方のクリーンルームとカスタムメイドの備品からなり、これらを再び初めから構築しようとすると少なくとも二十億円程度の費用が発生することは明らかである。
また人材の育成が企業としての主要な競争力の源泉であるにもかかわらず、このような顕著な研究開発の能力を持つ小林哲研究員を、社外(本ケースではサムソン電子)へ転職させ、引き留める積極的な行動も行わなかった。
以上のような多額の費用を費やしたはずの当該プロジェクトを一方的に中止する等の意思決定については、最低限の分析を行えば、これら意思決定は技術経営の観点から不適切であることは、簡単に理解できたことである。技術開発に何ら成果がないことは、株価を長期低迷させる主因の一つとなっている。このような会社に多大なる損害を与えた執行役(技術担当)の萩原太郎氏の業務執行行為は任務懈怠を始めとする善管注意義務(ないしは忠実義務)に違反する行為と言わざるを得ない。
加えて、萩原太郎氏が技術担当執行役に就任した平成二十一年六月以降、新規事業に関する技術開発には何ら成果がなく、萩原太郎氏の業務執行行為により発生したこれら投資に関する損害についても、萩原太郎氏は善管注意義務(ないしは忠実義務)違反として損害賠償責任を負うべきである。
前記、萩原太郎氏の善管注意義務(ないしは忠実義務)違反の結果、発生した貴社に対する損害額は、第一に長年にわたった研究開発の成果であるところの機械を大阪大学にほぼ無償で寄贈した二十億円程度の損害額、第二に当該プロジェクトを継続あるいは少なくとも社外に売却した場合には、機械を除いても、最低でも三十億円程度の金銭的価値を生み出していたと予想されることに係る機会費用であり、合算して総額約五十億円の損害が貴社に対し発生したと認められる。これら算出額は、仮に当該研究開発プロジェクトに少数持分投資した場合には、投資前価値が五十億円程度になることは容易に予想されるうえ、逆に当社が同研究開発活動を買収した場合には百億円以上の費用が発生することを考えれば損害額の下限と言ってもよい。
さらには、萩原太郎氏が技術担当執行役に就任して以来、光通信部品、3CSiC、微細加工の主要プロジェクトについて何一つ進捗についての成果が見られず、一つも新規技術開発に係る起案がなく、本来新規プロジェクトを起案し新たな事業を起こす事がR%Dセンターのミッションである事を考慮すると職務怠慢とも言える行為であるが、そもそも萩原太郎氏は東京大学の機械工学科(学士)を卒業しており、日産自動車入社後も車のボディーの開発などに主たる時間を費やしていた人物であり、硝子研磨や加工などの材料科学や眼科領域、光学あるいは医療機器(旧ペンタックス内視鏡分野は赤字に転落しているが売り上げはまだ大きい)を主たる事業分野とする当社の技術担当執行役として適格性がないことはもともと明らかである。一般に他社の例を見ても、企業の研究会開発部門の長に任命される者は、①博士の称号(最低でも修士)を有する、②学界や特定の研究機関で顕著な活躍がある、③海外留学経験がある等の条件を満たす必要があるが、萩原太郎氏には、それに匹敵する研究機関での実績や外部研究機関からの賞賛の実績が全く無い。萩原太郎氏が前職で従事していた燃料電池のプロジェクトも、日産自動車で不要となった部門であり、なんら成果もなかった。従って以上のような背景の人物が技術担当執行役として不適切であることは、元社外取締役で日産自動車名誉会長(当時)の塙義一氏であれば容易に理解していたことである。自社で不要となった人材を、自らが社外取締役となる会社に押し付けた背任的行為ともみなすことができる。
従って、かかる実績の存在しない人物を技術担当執行役として取締役会への推薦を行ったことについて、塙義一氏ならびに指名委員長である椎名武雄氏については、善管注意義務違反、あるいは忠実義務違反が認められることは明らかであり、萩原太郎氏の指名に特に責任のある2名については、最低でも二年分の研究開発費の六十億円の十分の一である六億円程度の賠償責任を負うと解するべきである。
従って、会社法八百四十七条一項に基づき、貴社の技術担当の執行役である萩原太郎氏を被告として約五十億円、塙義一氏と椎名武雄氏については約六億円の損害賠償を請求する訴えを提起することを貴社に対し、請求する。早々
参考
全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子研究グループがJJAP論文賞を受賞
2008年7月24日 HOYA株式会社 R&Dセンター
この度、HOYA株式会社 R&Dセンター QD-EL研究グループ(小林 哲 主任研究員、谷 由紀 研究員)は、川副 博司 東京工業大学名誉教授と共著の全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子に関する論文1)が認められ、(社)応用物理学会より第30回(2008年度)応用物理学会論文賞(JJAP論文賞)を受賞することとなりました。
受賞対象の論文に著された素子は、その構成部材を全て無機材料とした面状自発光素子(エレクトロルミネッセンス素子: EL素子)です。化学合成手法によるコロイダル量子ドットを発光層の原材料に用いることにより、CRTに比肩する純色の自己発光を実現できることが特徴です。
コロイダル量子ドット: QDは、液相にて化学合成され、表面を界面活性剤有機分子で覆われた、数ナノメートルの直径を有する半導体ナノ結晶であり、極めて色純度の良い高効率の蛍光を発する優れた発光材料として知られています。しかし、その表面に存在する界面活性剤や、QDを分散させる為に用いられる有機溶剤に由来する有機物の存在が、無機材料で構成される発光素子への応用を拒んできました。
QD-EL研究グループは、コロイダルQDから有機物を除去しつつも、QD構造を保存し、高効率純色発光特性を有する半導体発光活性薄膜を比較的低温で形成できる成膜技術を既に開発しています 。この度、二重絶縁層型薄膜EL素子の発光活性層の形成に新成膜技術を応用し、初めて量子ドットからの高純色自発光(電子・正孔の量子閉じ込め準位間発光)に成功いたしました。過酷な環境下でも、全無機構造が高い信頼性をもたらすことが期待できます。また、プラスティック基板を使用することが可能で、さらに全ての電極に透明導電材料を用いることで、フルカラーのフレキシブル透明ディスプレーも構成可能です。今後は、各構成部材の調製を行い、高輝度化のための開発を行っていきます。
本件に関するお問い合わせ:
196-8510 東京都昭島市武蔵野3-3-1
HOYA(株) R&Dセンター
企画部 探索評価 QD-EL担当
liquid@sngw.rdc.hoya.co.jp
----------------------------------------------------------------------------
*1 “Quantum Dot Activated All-inorganic Electroluminescent Device Fabricated Using Solution-Synthesized CdSe/ZnS Nanocrystals” Jpn. J. Appl. Phys. 46, L966 (2007)
2011年5月18日水曜日
祝、椎名武雄氏が取締役退任
小生の株主提案の圧力により、椎名武雄氏がHOYA株式会社の取締役から退任します。遅ればせながらですけれども、株主提案の一つの成果です。今後よりよい企業統治と、取締役会を目指すために、皆様の力もお借りして、戦っていきます。なお小生は、児玉幸治氏と茂木友三郎氏の取締役の不再任をめざす議案も、すでに提出しています。
そもそも9年を超える再任期間を持つ取締役は原則独立性がないというのがイギリス・ロンドンの証券取引所のルールなのです。それが16年というのはあまりに一般的な資本市場の感覚からかい離しているのではないかと。さらに言えば、椎名氏の罪は、児玉幸治氏や茂木友三郎氏などの同世代の人間のみからなる仲良しクラブ的な取締役会を作ったこと、丹治宏彰氏や鈴木洋氏によるR&Dの運営が10年以上の間支離めちゃくちゃなのを一切放置していたこと、さらにペンタックス買収の高み掴みに反対しなかったことです。今後、これらの問題を追及していきたいとかんがえています。
(以下引用)
時事通信 2011/05/10-19:53 椎名氏が社外取締役を退任=HOYA HOYAは10日、社外取締役の椎名武雄氏(日本IBM名誉相談役)が6月21日付で退任すると発表した。日本IBM会長だった1995年6月 に就任し、16年間務めた。後任には麻生太郎元首相の弟で、医療関連事業などを手掛ける麻生(福岡県飯塚市)の麻生泰会長が就任する予定。
椎名氏ら社外取締役をめぐっては、HOYAの経営陣と「情実的な関係にある」として、創業家株主が6月の株主総会に、退任を求める株主提案を会 社側に提出している。(了)
そもそも9年を超える再任期間を持つ取締役は原則独立性がないというのがイギリス・ロンドンの証券取引所のルールなのです。それが16年というのはあまりに一般的な資本市場の感覚からかい離しているのではないかと。さらに言えば、椎名氏の罪は、児玉幸治氏や茂木友三郎氏などの同世代の人間のみからなる仲良しクラブ的な取締役会を作ったこと、丹治宏彰氏や鈴木洋氏によるR&Dの運営が10年以上の間支離めちゃくちゃなのを一切放置していたこと、さらにペンタックス買収の高み掴みに反対しなかったことです。今後、これらの問題を追及していきたいとかんがえています。
(以下引用)
時事通信 2011/05/10-19:53 椎名氏が社外取締役を退任=HOYA HOYAは10日、社外取締役の椎名武雄氏(日本IBM名誉相談役)が6月21日付で退任すると発表した。日本IBM会長だった1995年6月 に就任し、16年間務めた。後任には麻生太郎元首相の弟で、医療関連事業などを手掛ける麻生(福岡県飯塚市)の麻生泰会長が就任する予定。
椎名氏ら社外取締役をめぐっては、HOYAの経営陣と「情実的な関係にある」として、創業家株主が6月の株主総会に、退任を求める株主提案を会 社側に提出している。(了)
2011年5月15日日曜日
眼科部門における世界的な再編の動き
(取締役選解任や定款改正議案の多くの議案と関係する記述として、参考してください)
眼科部門における世界的な再編の動き
Alcon社:従来スイスの食品大手ネスレ社の上場子会社であったが、同じくスイスの製薬大手ノバルティス社が、2010年12月にネスレ社から77%の株式を取得している。時価2011年4月時点の総額は約4兆円である。
Bosch Lomb社:2007年に、プライベートエクイティー投資会社であるWarburg Pincus社が$3.67 Billion USDで買収している。
Advanced Medical Optics社:製薬大手のAbbotts Laboratories社が、2009年に$2.8 Billion USDにて買収している。なおAbbott Laboratories社の2011年4月ころの時価総額は、6兆円以上である。
なお眼科分野は、網膜の病気である加齢黄斑変性症が、今後の市場と成長性などを考えると大きく、まだ有望な効果的な治療のための新薬開発の余地がある。一方緑内障に関しては、現状の薬剤の特許が切れるので、当社でもジェネリック医薬品を製造して販売できるようになり、むしろ薬物伝達(Drug Delivery)技術などが差別化要因になるので、当社が優位に事業展開する余地がある。世界的な眼科分野での再編と事業展開の動きに対し、当社経営陣は過去10年間に何もできずに取り残されているのが現状である。提案者が推奨する企業戦略は、Balamurali K. Ambati博士の記述を参考にされたい。
眼科部門における世界的な再編の動き
Alcon社:従来スイスの食品大手ネスレ社の上場子会社であったが、同じくスイスの製薬大手ノバルティス社が、2010年12月にネスレ社から77%の株式を取得している。時価2011年4月時点の総額は約4兆円である。
Bosch Lomb社:2007年に、プライベートエクイティー投資会社であるWarburg Pincus社が$3.67 Billion USDで買収している。
Advanced Medical Optics社:製薬大手のAbbotts Laboratories社が、2009年に$2.8 Billion USDにて買収している。なおAbbott Laboratories社の2011年4月ころの時価総額は、6兆円以上である。
なお眼科分野は、網膜の病気である加齢黄斑変性症が、今後の市場と成長性などを考えると大きく、まだ有望な効果的な治療のための新薬開発の余地がある。一方緑内障に関しては、現状の薬剤の特許が切れるので、当社でもジェネリック医薬品を製造して販売できるようになり、むしろ薬物伝達(Drug Delivery)技術などが差別化要因になるので、当社が優位に事業展開する余地がある。世界的な眼科分野での再編と事業展開の動きに対し、当社経営陣は過去10年間に何もできずに取り残されているのが現状である。提案者が推奨する企業戦略は、Balamurali K. Ambati博士の記述を参考にされたい。
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