2010年9月7日火曜日

株主提案文字数増加議案(HOYA株式会社2010年6月18日定時株主総会第4号議案)の成果と報告

皆様にご報告をしたいと思います。6月の株主提案の第四号議案で求めていた株主提案の説明字数制限の緩和(いわいる「文字数増加議案」)について、以下のような改正が取締役会の承認によりなされたので、お伝えしたいと思います。別に下を見ていただければ分りますが、株式取扱規則の改定により、株主提案の説明分量の制限が事実上撤廃されました。これまでご協力いただいた方々、賛成いただいた個人株主や機関投資家の方々、誠にありがとうございました。今後も報酬個別開示ほか、企業統治の論点については意見表明をしていきます。

6月総会時点(株主提案の説明字数は400字であるとされています)。


現在(株主提案で説明できる字数制限が撤廃されています)。


先日の東洋経済の記事(「HOYA、創業家経営者に問われる“負の影響力”の自覚《新しい経営の形》(1)」2010年8月18日号)にあるように、当社は研究開発体制に問題があり、ここ10年間で新規事業の創出に成果がありません。高密度実装基板、光通信コネクターのいずれも、「終了」の状態です。09年まで丹治宏彰氏が最高技術責任者でありましたが、丹治氏に代わって日産自動車の燃料技術開発担当者として全く実績を有しない萩原太郎氏が技術担当執行役になったことで、さらに問題が悪化している模様です。今後もBalamurali Ambati博士(ユタ大学准教授)をはじめとした30代社外取締役の実現、研究開発体制の整備、萩原太郎氏と鈴木洋氏の退任を重点的に要求していきたいと思います。よみがえれ、日本の資本市場。

追伸:この規則変更を伝えた記事。
HOYA:全役員報酬の個別開示検討、株主意向踏まえて情報開示強化
8月30日(ブルームバーグ):
総会では株主提案議案説明量を4000字に拡大する議案も出されたが否決(賛成率43%)された。この点についてHOYAはすでに8月の取締役会で現行の400字という制限を撤廃、株主の権利を拡大した。HOYAの外国人持ち株比率は3月末で53.6%と1年前に比べて2.3ポイント上昇した。

HOYA、総会で否決の株主提案を採用=取締役会で「規則変更」
9月10日(金)21時17分配信 時事通信

HOYA<7741>が、6月の株主総会で否決された株主提案を取締役会決議で 「規則変更」として採用していたことが10日に明らかになった

2010年7月14日水曜日

SiCの会議で無視されているHOYA株式会社

こんにちは、事情により参議院選挙まで更新を自粛しました。会社による株主提案の反対理由があまりにお粗末だったので、取締役会のレベルのお里が知れてしまったために、投資家が離れているのではないかの心配になります。「秘密投票で投票行動が変わらない」とか言っていたが、従業員株主もいるんだよ。「ストックオプション保有者がヘッジすることは想定し難い」「財産権の問題」など、あまりに浮世離れしていますが、反論の反論は事後的になりますが、今後のために至急掲載していくようにしたいと思います。
なお下記URLは、JSTの主催で京都で開催された、SiC関連の会議(2010年7月5日)です。
当然ながら、HOYA株式会社R&Dグループからは、出席者が誰も出ていません。
http://www.astem.or.jp/kyo-nano/news/forum20100705.htm

株主総会で萩原太郎氏の技術担当の執行役としての適格性についての質問を事前に提出しましたが、まだ回答を得ていません。取締役の説明義務についてどの程度理解しているのか、不明です。
萩原氏の任務が既存の研究開発プロジェクトを整理することならば、萩原氏が材料科学や眼科に関する技術的及び業界に関する知識がないことや、前任の日産自動車の傍流となった燃料電池の開発の担当者として成果を上げていないことを考えると、まさに適任なのかもしれません。

上記URLから一部引用。
■プログラム:
13:30 – 13:35 挨拶
京都環境ナノクラスター 事業総括  市原達朗
13:35 – 13:55 基調講演  「ここまで来たSiCパワーデバイス実用化」
(独)科学技術振興機構 JSTイノベーションプラザ京都 館長  松波弘之 氏
13:55 – 14:40 SiCデバイス
SiC SBD/MOSFET ローム株式会社 センター長  中村 孝 氏
SiC RESURF-JFETの開発 住友電気工業株式会社 開発室次長  並川靖生 氏
SiC インバータ 三菱電機株式会社 主席研究員  中田修平 氏
14:40 – 15:10 SiCウェハ
SiC基板ウェハ 新日本製鐵株式会社 主幹研究員  柘植弘志 氏
SiCエピタキシャルウェハ 昭和電工株式会社 プロジェクトマネージャ 佐藤貴幸 氏
15:10 – 15:20 休 憩
15:20 – 15:50 SiCデバイス応用
自動車応用SiCデバイス 株式会社デンソー 部長  恩田正一 氏
家電応用SiCデバイス パナソニック株式会社 参事  北畠 真 氏
15:50 – 16:20 関連技術・システム
Siパワーデバイス 富士電機システムズ株式会社 部長  藤島直人 氏
太陽光発電用パワーコンディショナ 日新電機株式会社 グループ長  栗尾信広 氏
16:20 – 16:50 技術コメント
京都大学 木本恒暢 教授
京都大学 引原隆士 教授
大阪大学 舟木 剛 教授

なおR&Dセンターは、本日(2010年7月14日)時点で人材採用もストップしています。自主的な萩原太郎氏の報酬個別開示を求めたいと思います。
http://www.hoya.co.jp/japanese/recruit/recruit_career_06_00.html
キャリア採用募集職種一覧
現在、募集はありません。

2010年6月16日水曜日

すでに目標の一部を達成している株主提案。だが丹治宏彰氏の退任では新規事業の問題点は改善されない

株主提案に少しずつとはいえ、関心が高まってきていることは、そもそも株主提案権の立法趣旨である、株主間のコミュニケーションをとる手段という意味を、正しく実現できていると考えています。椎名武雄氏の15年再任の問題、茂木友三郎氏の社外取締役や社外監査役の多数兼任の問題(なお公益法人の役員兼任問題もあり)、天下り官僚である児玉幸治氏の取締役就任の問題とか、旭硝子財団理事や旭化成の取締役との兼任の問題とかが注目されるようになって良かったと思います。そもそも9年を超える取締役には独立性を認めないというのが、ロンドン証券取引所の上場規則にあるので、ある意味でこれがグローバル・スタンダードなのです。新規事業が過去10年の間一回も成功していないことも着目され、話題になっているので、これはすばらしいことです。ちなみに私はこの株主運動に、信託銀行名義の個別株主通知の郵送料80円しか費用を使っていませんが、これでだけを持って丹治宏彰氏(前取締役、現企画担当執行役)を退社に追い込んだことは大きいと思います。

HOYA株式会社の株価は10年間で低落し、長期的に低迷しています。2000年6月末(30日)の株価は9500円(4分割修正後の値で2375円)、今日2010年6月16日の時点の株価は、2130円ぐらいです。このような経営陣に合格点はつけられないと思います。このような株価低迷の原因は、外部の企業買収、R&Dなどの新規事業に全く成果が上がっていないことです。なお会社は、私の要求に応じて丹治宏彰氏(当時最高技術責任者)を2009年6月に取締役から退任させ(なぜか執行役企画担当などとして再任される)、2010年6月付けで執行役からも退任させる人事を発表(「役員異動のお知らせ」2010年5月14日HOYA株式会社)しています。株主の要求に応じて役員を実質的に更迭できたことは、大きいと思います(詳しくは、「私の株主運動により丹治宏彰氏が執行役から退任したならば、それは一つの大きな成果だ。」小生ブログ2010年5月16日)が、これだけでは当社の抱える問題点は改善されないと考えます。

まず最大の問題は、後任の萩原太郎氏が技術担当執行役としては不適格だということです。萩原太郎氏はまず東京大学機械工学の出身であり、材料科学と眼科分野をコアコンピタンスとして持つ当社の技術責任者として相当の教育的バックグラウンドを持っていないといえます。第二に、萩原氏はもともと日産自動車の燃料電池部門の開発責任者でありますが、この分野は電気自動車の開発に経営資源を集中させる経営戦略の傍流となっており、また萩原氏自体が何か顕著な開発に成功した実績を持っているわけでもありません。私が丹治氏について言っていたように、萩原氏についても「過去の人生で一回でも技術開発に成功した実績があるか」といえば、私にはそれがあるといえる根拠を探すことができません。事業部の技術説明会で、技術の中身がまるでわからないから、居眠りしているという証言もあります。

そもそも、日産自動車(前取締役の塙義一氏、あるいは小枝至氏)と当社執行役の人間関係により、社外取締役の出身会社で不必要になった人材を、社外取締役に就任している会社に押し付けるような行為だと疑う余地すらあるわけで、とんでもない人事です。鈴木洋氏が行った投資はペンタックスだけではなく、90年代後半の駐米時代も含め、すべて失敗しているのが実情ですし、丹治宏彰氏も同様です。センスがない人間を指名委員会が指名していること自体が取締役の善管注意義務の観点からも大いに問題なのですが、また萩原太郎氏のような実績のない人間を指名してしまいました。

材料科学ではCardinal Warde博士(MIT)、眼科ではPaul Ashton博士(pSivida社社長兼最高経営責任者)やBalamurali Ambati博士(ユタ大学医学部)などの取締役会での監督を受けながら、新規事業を正しい方向に導いていくことこそが、株主価値を増加させるための、より正しい道だと思います。萩原太郎氏を再び技術担当執行役として選任するのならば、指名委員会メンバーの取締役は、善管注意義務違反です。私はどのような取締役の専任になったとしても、引き続いて萩原太郎氏の技術担当執行役からの退任を求めたいと思います。

2010年5月30日日曜日

民主党政権になって企業統治にとって良かったこと

何はともかく企業統治関係では、金融庁主導(大塚耕平副大臣の力が大きいと思われる)の内閣府令のレベルで、①取締役報酬の個別開示(ただしいまのところは年収1億円以上のみ)や、②株主総会の議決権行使結果の開示(可決否決だけでなく賛成票の割合が開示される)が、今年から初めて行われるようになりました。またバーゼル関係の規制の問題もあり、持ち合い株が自己資本比率に算入されにくくなる方向性が明確なため、③株式の持ち合いに関しても規制が加えられる方向性です。株式持ち合いが日本の資本市場の最大の悪ですし、議決権行使に関する受託者責任も今後厳しく立法化する方向性を問うていくべきです。

私としては、経団連の企業団体献金を大量に受けていた自民党時代では、これらの動きが実行されることはあり得なかったため、今の民主党中心の政権の政策決定や統治能力の問題はあっても、当時政権交代を推奨したこと自体は間違っていなかったし、やはり政権交代の効果は大きいと言わざるを得ないと考えています。

はっきり言って、企業統治を決定づける会社法や上場規則の問題は、日本経済の今後、日本という国に住む人たちの未来にとって、決定的に重要です。もちろんまだまだ不十分だけれども、一里塚は進めたのかな、と考えています。株主主権を実現する資本市場を作ることは極めて重要。それが休日の夜にふとお伝えしたかったことの一つです。

2010年5月29日土曜日

こんなに若い大臣が出るイギリスがうらやましい

43歳の首相、38歳の大蔵大臣というのはすごいでしょう。

私の伯父になる鈴木哲夫氏は、経営者に最適な年齢は40代だと以前発言していました。私見でも、55歳を越えた人でいまの世界経済の流れと時代の変化について行っている人は、確率的に見ても極めて少ないと思います。日本の国会でも、若手の議員さんは、50歳までに総理大臣になれるようなキャリアプランで、リスクをとる戦略で極力お願いします。そのための応援は惜しみません。

2010年5月28日金曜日

鈴木洋氏が最高執行役のままでは研究開発が成功しない理由

鈴木洋氏が最高執行役のままでは、新規事業が成功する可能性はゼロに等しいと思います。これは過去の客観的なパフォーマンスから言えることです。

鈴木氏は北米駐在時代に、全てのベンチャー投資を破産させました。東京に戻ってきてからも、全ての新規事業を失敗させています。9年間技術担当の責任者だった丹治宏彰氏の能力の問題はありますが、鈴木氏が今のままだと、過去の遺産たる事業のキャッシュフローをどんどん食い潰していくと思います。その根拠を以下に述べたいと思います(近日中に加筆予定)。

2010年5月27日木曜日

眼科医薬に進出しないHOYA経営陣への疑問

私は常々疑問に思っているのは、HOYA株式会社の経営方針として、眼科医薬への参入を行わないことです。まさにこのことは、私が経営陣や取締役会の能力に疑問を持たざるを得ないという理由の一つでもあります。ペンタックスの買収資金の1500億円があったならば、おそらく加齢黄班変性症の有望な新薬候補をいくつも買えただろうと思うと、忸怩たる思いがあります。

まず眼科というのは国際的に見てどのような事業分野だと認識されているかというと、市場規模が急成長しており、また眼科医薬に関して低リスク高リターンです。これはどのような意味かと言うと、まず高齢化に伴い先進国では、加齢黄班変性症(AMD)、緑内障、白内障などの疾患になる患者数が急増しています。また糖尿病関連も眼に来ますので、眼科領域です。先進国は人口構成が高齢化しているので、これら分野は経済成長率をはるかに上回るスピードで市場としては成長しています。特に加齢黄班変性症(AMD)については、網膜の血管が繁殖することによって失明となる病気で、色素の弱い白人に多いが、日本でも食生活の欧米化により急増しています。この疾患は、現在のところ抗がん剤の転用による薬が認可されていますが、今のところ疾患の進行を遅くする程度の効き目しかなく、眼科の医療現場ではさらなる新薬が待たれています。市場規模は1兆円を越えるし、年成長率も15%とかの分野です。またほとんどの眼科医薬は、他の疾患の転用薬剤なので、毒性のチェックなどが不必要であり、開発や臨床の失敗のリスクが相対的に低いので、「低リスク高リターン」なのです。

このような背景のもと、眼科分野は世界の製薬会社や医療機器メーカーが参入してくる分野となっています。例えばアメリカにアルコン(Alcon)という会社がありますが、現在の時価総額は眼科専業の会社であるのに4兆円くらいです。もともとスイスのネスレが親会社だったのですが、最近同じくスイスのノバルティスという製薬会社が25%の株式を取得し、さらにネスレから残り50%の株式を買い取る権利を有しています。これは眼科新薬が他の疾患の転用であるという点にから、製薬会社が持つ製品のパイプラインを眼科に応用していくことを狙っているもので、戦略的には極めて合理的だと言えます。また別の眼内レンズメーカーであるAMOという会社は医療機器製薬大手のアボット社に買収されましたが、これも他の医薬を眼科分野にすばやく応用し、眼内レンズと組み合わせてマーケティングするという戦略を具体化したものだと思います。このように世界のライフサイエンスのリーディングカンパニーが参入してくる非常に魅力的な分野になっている、しかもHOYAは国内の眼内レンズの市場ではそれなりの地位を占めているにも関わらず、その経営資源を無駄に放置している状態になっています。

ちなみに取締役候補の一人であるBala Ambati博士は、加齢黄班変性症(AMD)の原因因子の一つに関する基礎研究で世界の第一人者の一人であり、またもう一人の取締役候補であるPaul Ashton博士はこの分野では有名な網膜に移植する薬物伝達デバイスの開発者です。

以上のような状態ですので、優れた眼内レンズをすでに商品として持っているHOYAは、眼科医薬に進出するのに極めて優れた位置にいると言えます(余談ですが6月に退社する元取締役の丹治宏彰氏は、以前この眼内レンズ事業を売却しようとしました。技術担当としても企画担当としても不適格だと言わざるを得ません)。同じ加齢黄班変性症の新薬を開発しても、製薬会社が売るのとHOYAが売るのでは、その効率性も違ってくるはずなのです。このような経営資源を持つ企業は、世界にほかにありません。それにもかかわらず、鈴木洋氏ら経営陣は眼科医薬部門への進出を何ら行おうとしていませんし、ペンタックスのカメラ部門に代表される資本効率の悪い部門に資源と資本を投入し続けています。このような現状を変えなくては、小生は考えている次第です。このような文脈から、Bala Ambati氏の提案も読んでください。当社の持つ経営資源である眼内レンズの開発や販売能力を、眼科分野での新薬の開発(優れた新薬候補の買収を含む)と組み合わせれば、私は北米を中心に5年から7年以内に世界を席巻できると考えています。