あまりにまちがってしまった後継経営体制。 つまるところ、見る目がなんでここまでなくなってしまったのか、ということです。 このような状態の放置は、株主や従業員の皆さんに迷惑となるだけでなく、日本社会にとっても非常によろしくありません。
私の祖父母は、愛知県の知多半島の出身です。祖父は旧制小学校(新制の中学に相当)しか出ていませんでしたが、いくつかの偶然により、一族を引き連れて東京に出てきて、戦時中にはすでに、たたき上げで小さな町工場の、ガラス工場会社の共同創業者になっていました。戦後に保谷硝子と名を変えて会社は少しずつ発展していって、その後に、私がまだ中学生か高校生くらいだったころに、祖父の後継者である、私の伯父は、まだ決して大きくはなかったものの、すでに経済界なら誰もが知っている会社の経営者になっていました。優良企業といわれるようになったのは、90年代になってからです。そのころから、企業統治(コーポレート・ガバナンス)という言葉が世の中で使われるようになってきました。
その後に、なんで企業統治がうまくいかなくなってしまったかについては、私なりの認識がありますので、加筆してお知らせしたいと思います。 問題はいくつもあるのですが、まず鈴木哲夫氏が、社外取締役制度をコーポレート・ガバナンスの改革のためではなく、自らの名誉心を満たすために使ってしまった、その結果として外部の取締役が「社害役員」となってしまっていることがあります。
また後継の経営者である鈴木哲夫、洋子夫妻の長男である鈴木洋氏の能力があまりにお粗末だという点があげられます。すでに他の日本の二世経営者の経歴等と比較しても、問題ではないかという指摘をしました。そこであげた例以外でも、NOKの鶴正登社長(ハーバード・ビジネス・スクール卒)や森精機製作所の森雅彦社長(東京大学工学部にて博士号取得)と比べてみていただきたいのですが。 人材の育成というきわめて長期的な視野が必要とされる事柄に対して、近視眼的な手しか打てていないですよね。
いずれにしても経営陣がこのざまでは、会社が発展していくということはありません。悲しいことですね。
2008年12月28日日曜日
2008年12月26日金曜日
ニューヨーク・ヤンキースの投資予測
ニューヨークの大リーグ球団、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)は、常に大リーグの総額での最高年俸を更新していながら、タンパベイ・レイズとボストン・レッドソックスとの競争に敗れ、2008年度はプレーオフへの進出を逃す結果になりました(大リーグの場合は、リーグの中での各地区での2位のチームのうち最高勝率のチームがプレーオフに出れる、ワイルドカードという制度があります。ワイルドカードを入れれば、かなりのチームがプレーオフに絡む可能性が残るので、商業的には非常に良くできた制度です)。
今年の補強なのですが、まずメジャーで最高の左腕の一人である、CC Sabathia投手(前ミルワーキー・ブリュワーズ)と7年161ミリオンUSDで契約、A.J.Burnett投手(前トロント・ブルージェーズ)とも、5年82.5ミリオンUSDで契約しています。
さらにMark Teixeira一塁手(前アナハイム・エンジェルス)とも、8年180ミリオンUSDで契約に成功したため、Alex Rodriguez三塁手やDerek Jeter遊撃手らを入れると、とんでもない年俸総額になるわけです。なんとManny Ramirez外野手(ロサンゼルス・ドジャース、前ボストン・レッドソックス)の獲得まで視野に入れているとされ、これら補強のため、松井秀喜外野手のトレードが真剣に議論されているとも、言われています。
とはいっても、お金で補強すれば必ずしもチームが強くなるわけでもなく、ボストン・レッドソックスやタンパベイ・レイズのように、若手とフリー・エージェントで獲得した選手が混在しているチームのほうが、実際には強いように見受けられます。はたしてヤンキースの投資が見返りをえられるかどうか、要観察です。
今年の補強なのですが、まずメジャーで最高の左腕の一人である、CC Sabathia投手(前ミルワーキー・ブリュワーズ)と7年161ミリオンUSDで契約、A.J.Burnett投手(前トロント・ブルージェーズ)とも、5年82.5ミリオンUSDで契約しています。
さらにMark Teixeira一塁手(前アナハイム・エンジェルス)とも、8年180ミリオンUSDで契約に成功したため、Alex Rodriguez三塁手やDerek Jeter遊撃手らを入れると、とんでもない年俸総額になるわけです。なんとManny Ramirez外野手(ロサンゼルス・ドジャース、前ボストン・レッドソックス)の獲得まで視野に入れているとされ、これら補強のため、松井秀喜外野手のトレードが真剣に議論されているとも、言われています。
とはいっても、お金で補強すれば必ずしもチームが強くなるわけでもなく、ボストン・レッドソックスやタンパベイ・レイズのように、若手とフリー・エージェントで獲得した選手が混在しているチームのほうが、実際には強いように見受けられます。はたしてヤンキースの投資が見返りをえられるかどうか、要観察です。
2008年12月21日日曜日
松下幸之助氏を松下政経塾の創始者として、再び評価しよう
私は故松下幸之助氏を、松下電器(パナソニック)の創業者としてではなく、松下政経塾の創始者として再度評価すべき時期がきているだと思います。
私財を通じて政界に人材を供給するということを行っている意味は大きい、特に日本の政治において、官僚出身者でなくても、二世でなくても、国会議員になれるルートを作ったことの意味は大きいと思います。同じくらいの財を築いた人は他にいても、松下氏のほかに、同様の教育機関の設立を行った人物が、日本の戦後の歴史においてほかに一人でもいたでしょうか。
以上の点について、加筆してコメントとして述べたいと思いますが、今日はこのくらいにしておこうかと思います。
私財を通じて政界に人材を供給するということを行っている意味は大きい、特に日本の政治において、官僚出身者でなくても、二世でなくても、国会議員になれるルートを作ったことの意味は大きいと思います。同じくらいの財を築いた人は他にいても、松下氏のほかに、同様の教育機関の設立を行った人物が、日本の戦後の歴史においてほかに一人でもいたでしょうか。
以上の点について、加筆してコメントとして述べたいと思いますが、今日はこのくらいにしておこうかと思います。
2008年12月12日金曜日
ギリシャの出来事に思う、政治学的に見た暴動の社会的な効用
ギリシャで起こっている暴動についてなのですが、私も空港閉鎖により、休暇の移動中に、アテネで足止めされました。アテネは神殿などの歴史的な建造物が見える大変美しい町ですので、皆さんも訪問されることをお薦めします。今回の事件は、警察官が15歳の少年を射殺したことから始まっていますが、不況による失業率の増大とか、貧富の差の拡大などが、暴動の背景にあるとされますが、事態はそんなに簡単ではないのです。
ギリシャの暴動、国外に飛び火
12月11日20時5分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081211-00000604-san-int
【パリ支局】警察官による少年射殺事件を発端としたギリシャの暴動は6日目の11日も小競り合いなどが続いた。フランス通信(AFP)によると、首都アテネの事件現場近くの大学では、若者約40人が警察隊に投石し、警察隊は催涙ガスを発射して応戦、3人を逮捕した。 暴動は同国外にも波及している。トルコのイスタンブールにあるギリシャの領事館には左派系グループによって赤ペンキがまかれ、モスクワやローマのギリシャ大使館には火炎瓶が投げつけられた。スペインやデンマークではデモが起き、計40人以上が逮捕された。
H KAΘHMEPINH (ギリシャの新聞メディア)
Rioting eases, government draws breath
Some skirmishes follow union rally
http://www.ekathimerini.com/4dcgi/_w_articles_politics_100002_11/12/2008_102938
欧州では移民の存在が社会的な問題となっており、移民系の住民の人口増加率の高さもあって、無視できない存在になってきています。それもそうなのですが、やはり貧富の差が生む社会的な不安感は、市内を歩くだけで感じることができます。特にギリシャの場合は、ユーロ圏の中でも最貧国といってもいい状態のなので、2004年のオリンピックに合わせて地下鉄などが近代的に整備された一方で、都市の中心部を一区画外れただけで、近代的とはいえない薄汚い建物が見えます。
とは言うものの、「暴力はいけない」という優等生的な回答はさておき、暴動が起きるということ自体が、権力側に対しての政治的なチェック・アンド・バランスになっている点は、否定できません。日本でも、年金問題に代表される将来への不安が言われて久しいですが、もしこれが普通の国だったら、暴動が起きると思うのです。でも暴動が継続的に起きれば、政府は最終的に屈服せざるを得ないともいうこができます。事態が早く好転するのです。 細川護熙内閣における非自民政権誕生からはや15年経っており、日本社会が失われた20年となっていることに、私は忸怩たる思いがあります。欧州で時折暴動が起こることに、私は権力と時には対峙してきた民主主義の歴史と、民度の高さを感じるのです(関連して山口二郎氏のコラム「イギリスに見るチェックアンドバランスの巧みさ」2005年4月7日も参照)。
別の例では、例えば某会社の株主総会で、社外取締役が経営陣(というより引退したはずの名誉会長)に、友達だからという理由で年間1000万円の報酬で買収されており、世襲以外になんらとりえのない社長(シリコンバレーで計画性のない投資で数十億の損失を出し、最近1500億円の損失を出した)が理不尽に株主総会を打ち切ろうとした時に、大損した株主から暴力的に糾弾されたとします。そしたら三流以下の企業統治は、さすがに変わらざるをえないでしょう。
物事が早く変わるということこそが、政治学的に見たときの、暴動の社会的な意味での効用なのです。
ギリシャの暴動、国外に飛び火
12月11日20時5分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081211-00000604-san-int
【パリ支局】警察官による少年射殺事件を発端としたギリシャの暴動は6日目の11日も小競り合いなどが続いた。フランス通信(AFP)によると、首都アテネの事件現場近くの大学では、若者約40人が警察隊に投石し、警察隊は催涙ガスを発射して応戦、3人を逮捕した。 暴動は同国外にも波及している。トルコのイスタンブールにあるギリシャの領事館には左派系グループによって赤ペンキがまかれ、モスクワやローマのギリシャ大使館には火炎瓶が投げつけられた。スペインやデンマークではデモが起き、計40人以上が逮捕された。
H KAΘHMEPINH (ギリシャの新聞メディア)
Rioting eases, government draws breath
Some skirmishes follow union rally
http://www.ekathimerini.com/4dcgi/_w_articles_politics_100002_11/12/2008_102938
欧州では移民の存在が社会的な問題となっており、移民系の住民の人口増加率の高さもあって、無視できない存在になってきています。それもそうなのですが、やはり貧富の差が生む社会的な不安感は、市内を歩くだけで感じることができます。特にギリシャの場合は、ユーロ圏の中でも最貧国といってもいい状態のなので、2004年のオリンピックに合わせて地下鉄などが近代的に整備された一方で、都市の中心部を一区画外れただけで、近代的とはいえない薄汚い建物が見えます。
とは言うものの、「暴力はいけない」という優等生的な回答はさておき、暴動が起きるということ自体が、権力側に対しての政治的なチェック・アンド・バランスになっている点は、否定できません。日本でも、年金問題に代表される将来への不安が言われて久しいですが、もしこれが普通の国だったら、暴動が起きると思うのです。でも暴動が継続的に起きれば、政府は最終的に屈服せざるを得ないともいうこができます。事態が早く好転するのです。 細川護熙内閣における非自民政権誕生からはや15年経っており、日本社会が失われた20年となっていることに、私は忸怩たる思いがあります。欧州で時折暴動が起こることに、私は権力と時には対峙してきた民主主義の歴史と、民度の高さを感じるのです(関連して山口二郎氏のコラム「イギリスに見るチェックアンドバランスの巧みさ」2005年4月7日も参照)。
別の例では、例えば某会社の株主総会で、社外取締役が経営陣(というより引退したはずの名誉会長)に、友達だからという理由で年間1000万円の報酬で買収されており、世襲以外になんらとりえのない社長(シリコンバレーで計画性のない投資で数十億の損失を出し、最近1500億円の損失を出した)が理不尽に株主総会を打ち切ろうとした時に、大損した株主から暴力的に糾弾されたとします。そしたら三流以下の企業統治は、さすがに変わらざるをえないでしょう。
物事が早く変わるということこそが、政治学的に見たときの、暴動の社会的な意味での効用なのです。
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