先日の株主総会で、社外取締役の再任回数は原則が9回であると設定しているとの言質を取りました。小生が平成22年6月18日の総会で指摘している(もし詳細をご覧になりたい方は、東京地裁裁判所の決議取消訴訟の裁判記録をご覧になることをお勧めします)ように、ロンドンの証券取引所のルールでは、「取締役新任時から9年以上経過している場合」には原則として独立性がないと判断されるのですが、言論を持って企業統治を変えていくことができていることは、画期的だと思います。
再任回数の定義は若干不明ですが、就任した後9回再任されるとすると、10年で任期が終了するという意味なのでしょうか?
これに従えば、茂木友三郎は来年までに、河野栄子の再来年までには、原則に従えば、任期を迎えるはずですので、もしこの2人が退任すれば、今回退任していなくなる椎名武雄氏と合わせて、ペンタックス買収時の承認をした取締役は、過半数がいなくなることになります。ちなみに椎名武雄氏がなぜ16年の任期があったのか、不思議であります。椎名氏の存在自体が、取締役会が仲良しクラブ化していたということだと思います。
なお茂木友三郎氏に関しては、議決権行使助言会社3位のの日本プロキシガバナンス研究所(吉岡洋二所長)が去年も再任に反対していますし、議決権行使助言会社世界2位のグラスルイス社も今年は再任に反対しています。本来ならば、より若くて優秀な社外取締役を選任して、自らは身を引くべきでしょう。以前からいっているように、椎名武雄氏や茂木友三郎氏は、日本の社外取締役制度を形骸化させた罪を背負っています。早く自らの罪を認めて、謝罪してもらいたいものです。
昨年の総会で、多くの同世代の株主に、賛同の声を上げていただけたことが、変革の力になっていることを実感しています。発言すれば、変わることができるのですよ。本当にありがとうございました。
HOYA、社外取締役の再任は原則9回と説明=株主総会で 6月21日(火)15時20分配信 時事通信
光学機器メーカー、HOYA<7741>は21日の株主総会で、議長の鈴木洋最高経営責任者(CEO)が社外取締役の任期について、「再任は原則9回」に制限していることを明らかにした。ただし、取締役全員の合意があれば、引き続き務めることができるとしている。
今年で在任10年となる茂木友三郎取締役(キッコーマン会長)の再任については、議決権行使助言会社グラス・ルイスが反対意見を表明していた が、選任議案が可決された。
総会の開催時間は2時間5分で、昨年より33分長かった。会社側が提案した取締役選任など2件は可決。一方、創業家の山中裕氏が提案した取締役 と執行役の報酬個別開示など、株主提案20件は全て否決された。(了)
<参考>(『委員会等設置会社ガイドブック』宍戸善一・広田真一編、日本取締役協会著、2004年東洋経済新報社、109ページから110ページより引用、なお下線部は提案者による)
英国財務報告評議会(FRC)改定統合規範(THE COMBINED CODE OF CORPORATE GOVERNANCE: JULY 2003)
取締役会は、独立性を有していると判断される非業務執行取締役と、年次報告書で特定しなければならない。取締役会は、その非業務執行取締役が、見解と資質において独立しているか否か、取締役会の意思決定に対し相当の影響を及ぼす関係または状況にあるか否かを決定しなければならない。また、取締役会の決定に影響を及ぼすかもしれない関係と状況(以下に定める例を含め)が存在するにもかかわらず、該当取締役が独立性を有すると判断するならば、取締役会はその理由を説明しなければならない。
・過去5年内において会社またはグループ会社の従業員だった者
・過去3年内において、会社と重要な取引関係があったこと(直接のほか、パートナー、株主、取締役、または会社と関係のある法人格の上級従業員としても含む)
・取締役としての報酬、会社のストックオプションまたは業績連動型報酬計画の参加者、会社の年金制度の一員としての支払いのほかに、会社から何らか別の報酬等を受け取っていた、または受け取っている場合
・会社のアドバイザー、取締役、上級従業員と強い親族関係がある場合
・役員の相互持合い、他の会社または法人格も含めて顕著な相互関係がある場合
・主要株主の代表
・取締役新任時から9年以上経過している場合
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