2012年1月27日金曜日

大谷禎男弁護士(元東京地裁民事8部統括判事)は適切な対応を

さる1月12日午前10時より、東京地裁民事8部の601号法廷で、小生が原告である決議取消訴訟の第4回口頭弁論(被告:HOYA株式会社)が開かれました。
ちなみに裁判長は福井章代裁判長、合議のためあと2人の佐藤隆幸、川勝庸史の各裁判官が担当しています。川勝庸史裁判官は、以前の株主提案を一方的に削除する会社側の一方的な通告書が送られてきた際の保全事件も担当しています。
前回までに被告から提出されている株主総会当日の反訳書に改竄があるという主張に、さすがの裁判官たちも驚いたのか、この日で弁論が終結する予定であったのに、結審はせずに、3月15日に改めて期日が入るという結果になりました。

被告側の弁護士は、当日姿を現さない松尾眞弁護士以外には、泰田啓太(元検事、元法務省民事局)、鈴木毅、脇田未菜子(元判事補)の3氏(桃尾松尾難波法律事務所)ですが、さすがに改竄のある反訳書を提出することは、弁護士としての最低限のルールに反すると言わざるを得ないと思います。
しかもかかる被告の代理人は、平成22年度定時株主総会を巡る決議取消請求事件でも、挙手している発言者がいるのに<挙手なし>などと表示するなど、同じように改竄のある反訳書を提出していますので、これで2回目です。
ここまでくると、弁護士としてあるまじき非行だと言わざるを得ません。

実は桃尾松尾難波法律事務所には、大谷禎男氏という東京地裁民事8部の統括判事を務めた経験を持ついわいるヤメ判の弁護士が、カウンシルとして所属しています。自分の経歴がかかる違法性のある同僚弁護士の拍づけに利用されている側面があるのですが、さすがにかかる問題のある行動が野放図に放置されている現状に対し、一定の行動をとるべきだと思います。もし大谷氏に微塵もの良心があるのであればですが。

なお松尾眞弁護士には、かかる違法行為の連発に対し、すでに第一東京弁護士会に懲戒請求をしています。

2012年1月6日金曜日

大塚和成弁護士が、HOYA株主総会決議取消訴訟の地裁判決を正当に批判

レックス事件の株主側の代理人等を務めた大塚和成弁護士が、小生が原告として敗訴したHOYA株式会社株主総会決議取消請求訴訟の地裁判決(大門匡裁判長)を批判する記事(「否決の決議と株主総会決議取消しの訴え」(HOYA株主総会決議取消請求事件)「銀行法務21 No.734」2011年9月号)を書いています。

少し長くなりますが、大塚論文の本論ではないが、重要な一部を引用します。
「会社が株主提案を拒否しても、可決された議案と議題が異なれば、当該可決決議の取消原因とはならないとも判示している。そこで、株主提案が無視された場合、当該株主提案と議題を同じくする会社提案がなされなければ、当該株主は、株主総会決議取消しの訴えを提起することができない。そうすると、会社が適法な株主提案を無視し続けても、提案株主が株主総会の招集請求権(会社法297条)や取締役解任の訴え(同法854条)が定める議決権数を保有していなければ、司法的救済の途が閉ざされるとの問題が生じる。この場合、株主に残された手段としては、名目的慰謝料として1円の支払いを求めて取締役及び会社に対して損害賠償請求をすることくらいであろうか。」

以上にあるように、HOYA株式会社の最高執行役の鈴木洋や経営幹部の中川知子は、株主提案の議題を一方的に削除しても、会社提案の取消事由にならないという地裁判決を悪用することを思いついたようで、次の年の株主総会前の4月には小生の株主提案の大半を一方的に削除することを通知する文書を送り付けてきました。係る行為は違法行為であり、決して許すべきではありません。もし株主提案の議題を削除しても会社提案の取消にならないというのであれば、橋下徹大阪市長による関西電力への株主提案も、関西電力が拒否して決議すればいいということになっています。

なお以上の地裁判決は、あまりに問題があるということで、高裁で一部修正されています。高裁はまた、事実関係のあてはめがおかしいのですが。
この地裁の大問題の判決文を書いたのは、大門匡、秋吉信彦、岡部弘の3名の裁判官(東京地裁民事8部)です。現在本事件は最高裁に上告しています。

2011年8月7日日曜日

HOYA株式会社の株主提案の成果

HOYA株式会社の株主提案の成果

2009年 丹治宏彰氏の解任議案の提出(株主総会前に丹治宏彰氏は技術担当者から退任した)
2010年 15議案の株主提案(決議取消を東京高等裁判所で係争中)
2011年 20議案の株主提案(決議取消を東京地方裁判所で係争中)

2009年株主提案の成果
10年近くの間、研究開発にまったく成果のなかった丹治宏彰氏の最高技術責任者からの交代(なお丹治宏彰氏はその後1年間だけ企画担当執行役と横滑りし、2010年6月18日に執行役からも退任)。なお会社は一方的に不記載とする文書を送付してきた。

2010年株主提案の成果
株主提案の説明文字数増加の議案の実質化(2010年8月に株式取扱規則の改定により形式上は実現。ただし会社側は一方的に説明理由の削除等を行っている)
執行役を交えない経営会議をやっていると表明している(2011年6月の株主総会参考資料)

2011年株主総会での成果
年齢が40代の取締役候補も含む取締役候補者の選任を表明せざるを得なくなったこと
社外取締役の再任回数9回までの制限の明確化(議長答弁を引き出すことに成功)
取締役会仲良しクラブ化の象徴である椎名武雄氏の退任(2011年6月21日株主総会で実現)

その他全体的な成果
個人による株主提案がポジティブに社会的に評価されるようになったこと(2011年6月のみずほFGに対する株主提案が、国内の投資家からも高い支持を集めるようになった。東京電力の株主総会の社会問題化)
委員会設置会社の企業統治の問題点の指摘
投資家による議決権行使の問題が注目されるようになり、国会(衆議院財政金融委員会)でも取り上げられるようになったこと

2011年7月23日土曜日

日本版ERISA法制定の必要性と議決権行使について

以下、日本版ERISA法(従業員退職所得保障法)の概略を提示します。なお本件に関して助言を受けたい政策担当者(当然ながら衆参の国会議員も含む)は、ぜひ小生の電子メール(yy2248[at]columbia.edu [at]を@に変えてください)まで、ご遠慮なくご連絡ください。

     日本版ERISA法制定の必要性と議決権行使について

国民の最大の政治的関心事は、年金問題である。日本人の年金資産のかなりの部分が日本株等で運用されていることを考慮すると、労働者・年金受給者の受益権の保護を明文化し、資本市場の効率化を行う政策を採用することが、極めて重要である。

また、年金受託者(運用会社等)に対して、受益者の利益になるための株主総会での議決権行使を義務付けることが重要だと考える。日本の富を増やす構造改革のための、社会的なインフラ整備の一環である。

1. 現状

大前提として、日本の株式市場は、過去10年間あるいは20年間で、先進国中最低のパフォーマンスを記録しているという事実が存在する。年金の少なからぬ部分が日本株で運用されている現実を考えると、日本の株式市場(=資本市場)を活性化することは、日本人の年金資産を守り増やすために、非常に重要なことである。このため、日本の株式市場に於いて、経営者や取締役が株主の利益を考慮して行動する様な規律を導入することが、決定的に重要である。
しかしながら、米国に於いては、後述のように、年金資産の運用に於いて、その保有株式の議決権行使のガイドラインが受託者責任の観点から厳格に定められているのに対して、日本に於いては、法令上の規定は存在しない。

2. 日本版ERISA法の制定

従って、日本版ERISA法を制定する必要がある。
内容は、米国版ERISA法(後述)と同様なものが望ましいが、日本に特有の問題として、生命保険会社の一般勘定の存在がある。一般勘定資産も、その運用成果次第で保険契約者の受取る配当が異なってくるという点に於いては、年金資産と同様な性格を持つと言える。しかしながら、現実には、一般勘定の資産を用いて生命保険会社が行っている株式投資に於いては、生命保険会社はそれらの株式を基本的には政策投資として扱っており、契約者の利益は無視されているのが実情である。従って、日本版ERISA法の制定に際しては、生命保険会社の一般勘定もその対象に含めることが必要である。

3. ERISA法とは

米国で1974年に制定された従業員退職所得保証法(ERISA:Employee Retirement Income Security Act of 1974)の通称。企業の退職給付制度を包括的に規制する連邦法。
受給権の保護を最大の目的としている。具体的内容として、加入資格・受給権付与の基準、情報の開示、最低積立基準の設定、受託者責任の明確化と強化、制度終了保険などが導入された。

4. ERISA法で定める受託者責任について

ERISA法第404条に於いては、受託者の忠実義務を以下の様に定めている。

(1)(前略)受託者(fiduciary)はもっぱら加入員および受益者の利益のために以下のように、制度に関する義務を果たさなければならない。
(A)下記のみを目的とすること
(ⅰ)加入員および受益者に給付を行うこと
(ⅱ)制度管理のために合理的な経費を支出すること
(B)当該状況下で、同様の立場で行動し同様の事項に精通している思慮深い人(a prudent man)が同様の性格および目的を有する事業の運営にあたり行使するであろう注意、技量、思慮深さおよび勤勉さ(the care, skill, prudence, and diligence)を用いること。
(以下略)

5. 受託者責任と議決権行使の関係について

ERISA法で定める受託者の忠実義務に、年金資産で保有する株式の議決権を適正に行使することも含まれることが、1988年に化粧品大手エイボンの年金基金の受託者に対して米労働省から出された所謂「エイボン・レター」に於いて明確化された。エイボン・レターのポイントは以下の通りである。

①議決権行使と受託者責任との関係
・年金基金が保有する株式の議決権の行使は、受託者がなすべき資産運用行為に含まれる。
②議決権行使に関する権限と責任
・投資顧問会社等の運用機関に投資を委任した場合には、もっぱら運用機関議決権
行使の義務と責任を負う。
・ただし、基金規定に明記しておけば、指名受託者(基金規定で定められた責任者)が議決
権行使権限を留保できる。その場合には、指名受託者がその義務と責任を負う。
・指名受託者は投資顧問会社等の運用機関の議決権行使を監視しなければならない。労働省としては、行使、監視の各行為について、(手続きや基準の)文書化・記録の保存が必要と考える。
③議決権行使の基準
・受託者は、思慮深く、もっぱら加入者の利益ために議決権を行使しなければならない。
つまり、投資の価値に影響を与えるであろう要素を考慮して、加入者の退職所得に関する利益を無関係な事項に劣後させてはならない。

参考文献
『企業年金運営のためのエリサ法ガイド』石黒修一著 中央経済社2008年
『年金資産運用のためのエリサ法ガイド』石黒修一著 中央経済社2003年
『エリサ法の政治史 米国企業年金法の黎明期』ジェイムズ・A・ウーテン著 みずほ年金研究所

2011年7月13日水曜日

年金資産の受給権と企業統治の関係

私たちの年金資産の受給権と企業統治の改善には密接な関係があります。

というのも、日本人の年金資産の相当な部分は、日本株で運用されているので、日本株の運用効率を改善することには大きな国民益があり、それを実現するための手段が、企業統治の改善ということになります。
そして日本の機関投資家に議決権行使をもっとまじめにやらせるために、日本版ERISA法(そして日本版エイボンレター)が必要なのです。日本の機関投資家が、役所や経営者の方を向き、年金の受託者の方を向いていないことことが、大問題です。

実は法律を制定しなくても、議決権行使を受託者責任の一環に入れるには、厚生労働大臣の省令でも可能なのかもしれませんが、東京地裁民事8部の天下り体質を考えると、やはり明確に法律で規定しなくてはいけないと感じています。油断は禁物です。

そのための最大の障害は、中川知子氏?ということかもしれませんが、東京地裁民事8部の裁判官や、法務省民事局官僚の、企業法務を行っている事務所への天下りは、その一つの破壊するべき対象なのかもしれませんね。裁判官が裁判所の人事権を持っている方を向いて、判決をゆがめるようなことが公然と行われているような民事8部が、これからも放置されるとは思いません。

なお民主党政権による政権交代の成果について、内閣府令による上場企業における議決権行使結果の開示と報酬個別開示(ただし現状では年間1億円以上のみ)は、遅ればせながらでも積極的に評価するべきです。次は受託者責任を強化するためにも、日本版ERISA法(従業員退職所得保障法)の立法を実現するべきです。みずほFGの政策保有株式の議決権行使に係る株主提案が30%の支持を集めたことは、世の中の流れがそちらへ動いていることを示す一つの結果だと思います。

2011年6月24日金曜日

社外取締役の任期に関する成果:社外取締役の再任回数は原則9回と説明

先日の株主総会で、社外取締役の再任回数は原則が9回であると設定しているとの言質を取りました。小生が平成22年6月18日の総会で指摘している(もし詳細をご覧になりたい方は、東京地裁裁判所の決議取消訴訟の裁判記録をご覧になることをお勧めします)ように、ロンドンの証券取引所のルールでは、「取締役新任時から9年以上経過している場合」には原則として独立性がないと判断されるのですが、言論を持って企業統治を変えていくことができていることは、画期的だと思います。

再任回数の定義は若干不明ですが、就任した後9回再任されるとすると、10年で任期が終了するという意味なのでしょうか?
これに従えば、茂木友三郎は来年までに、河野栄子の再来年までには、原則に従えば、任期を迎えるはずですので、もしこの2人が退任すれば、今回退任していなくなる椎名武雄氏と合わせて、ペンタックス買収時の承認をした取締役は、過半数がいなくなることになります。ちなみに椎名武雄氏がなぜ16年の任期があったのか、不思議であります。椎名氏の存在自体が、取締役会が仲良しクラブ化していたということだと思います。

なお茂木友三郎氏に関しては、議決権行使助言会社3位のの日本プロキシガバナンス研究所(吉岡洋二所長)が去年も再任に反対していますし、議決権行使助言会社世界2位のグラスルイス社も今年は再任に反対しています。本来ならば、より若くて優秀な社外取締役を選任して、自らは身を引くべきでしょう。以前からいっているように、椎名武雄氏や茂木友三郎氏は、日本の社外取締役制度を形骸化させた罪を背負っています。早く自らの罪を認めて、謝罪してもらいたいものです。

昨年の総会で、多くの同世代の株主に、賛同の声を上げていただけたことが、変革の力になっていることを実感しています。発言すれば、変わることができるのですよ。本当にありがとうございました。

HOYA、社外取締役の再任は原則9回と説明=株主総会で 6月21日(火)15時20分配信 時事通信
 光学機器メーカー、HOYA<7741>は21日の株主総会で、議長の鈴木洋最高経営責任者(CEO)が社外取締役の任期について、「再任は原則9回」に制限していることを明らかにした。ただし、取締役全員の合意があれば、引き続き務めることができるとしている。
 今年で在任10年となる茂木友三郎取締役(キッコーマン会長)の再任については、議決権行使助言会社グラス・ルイスが反対意見を表明していた が、選任議案が可決された。
 総会の開催時間は2時間5分で、昨年より33分長かった。会社側が提案した取締役選任など2件は可決。一方、創業家の山中裕氏が提案した取締役 と執行役の報酬個別開示など、株主提案20件は全て否決された。(了)


<参考>(『委員会等設置会社ガイドブック』宍戸善一・広田真一編、日本取締役協会著、2004年東洋経済新報社、109ページから110ページより引用、なお下線部は提案者による)
英国財務報告評議会(FRC)改定統合規範(THE COMBINED CODE OF CORPORATE GOVERNANCE: JULY 2003)
取締役会は、独立性を有していると判断される非業務執行取締役と、年次報告書で特定しなければならない。取締役会は、その非業務執行取締役が、見解と資質において独立しているか否か、取締役会の意思決定に対し相当の影響を及ぼす関係または状況にあるか否かを決定しなければならない。また、取締役会の決定に影響を及ぼすかもしれない関係と状況(以下に定める例を含め)が存在するにもかかわらず、該当取締役が独立性を有すると判断するならば、取締役会はその理由を説明しなければならない。
・過去5年内において会社またはグループ会社の従業員だった者
・過去3年内において、会社と重要な取引関係があったこと(直接のほか、パートナー、株主、取締役、または会社と関係のある法人格の上級従業員としても含む)
・取締役としての報酬、会社のストックオプションまたは業績連動型報酬計画の参加者、会社の年金制度の一員としての支払いのほかに、会社から何らか別の報酬等を受け取っていた、または受け取っている場合
・会社のアドバイザー、取締役、上級従業員と強い親族関係がある場合
・役員の相互持合い、他の会社または法人格も含めて顕著な相互関係がある場合
・主要株主の代表
・取締役新任時から9年以上経過している場合

2011年6月20日月曜日

ゆかしメディアの記事

ゆかしメディアさんに取り上げていただきました。小生のコメントだけ、以下に引用しておきます。

「創業一族の乱」株主提案がなぜ必要か?」(2011年6月20日)

「世代間の不平等をあらためて、30、40代からリーダーを出すこと」と話す。

「日本は株主の権利を強く規定されている割には、株主提案では諸外国と比べて遅れています。株主が取締役会と直接対話できる機会は他にはなく、株主提案をもっと有効に使うべきです」

「日本社会は世代間で、特に30、40代に不平等感が強く、不当に抑圧されているこの世代からリーダーを出したいと思っています。年配者を排除するという意味では決してありません」

「どんなにすごいメジャーリーガーでも、ある年齢からパッタリと打てなくなることがあります。それと同じことだと思います。実際に、米国では30、40代の社長が活躍しています。そのくらいの年齢が経験や気力、体力が最も充実する頃で、(高齢になるほど)世の中の変化に対処できなくなってくるのだから当然です」

「能力のある人が後を継ぐのなら何の問題もありません。しかし、世襲の理由を明確に開示している企業はありません」

「80年代に政治がもっと先のことを考えて対策を講じていれば、今の日本はもっと違っていたでしょう。その時がいいからということではなく、予防という観点から、ダウンサイジングリスクを考えていかなければならないのです。もう、何もかも悪くなって、お金がなくなってからは何もしようがありませんからね」
 
「選挙でもそうですが、株主提案でも、やはり経営陣には声は届くものです」

2011年6月17日金曜日

江間賢二氏(HOYA株式会社最高財務責任者)の居住地に関する重大疑惑

小生は先月5月25日に江間賢二氏に対して、数多くの違法行為を放置しないように、さいたま地裁川越支部に仮処分申請(事件番号平成23年(ヨ)第27号)を行いました。するとまた以前の会社相手の保全事件の代理人である法務省民事局出身の元検事である泰田啓太氏(松尾・桃尾・難波法律事務所)ほかの弁護士が3人も出てこられて、「江間氏は東京の**区に住民票があり、管轄違いである」との主張を、本人の住民票を証拠資料として提出してきました。なお裁判官の勧告に従い、本仮処分申請はさいたま地裁川越支部ではいったん取り下げました。

ただそもそも、江間賢二氏はオランダに常駐していると発表されていたはずで、本人の住民票が東京にあること自体が、住民基本台帳法違反や公正証書原本不実記載罪になるのではないかと思いました。

次に監査委員長の児玉幸治氏(元通産産業省事務次官)に、このような違法な行為があったにもかかわらず、定時株主総会で法令または定款に違反する事実はない旨の報告を行うなという保全の申し立て(事件番号平成23年(ヨ)第276号)を、横浜地方裁判所に行いました。すると児玉氏は社外取締役であるにもかかわらず、また執行役の雇用している泰田啓太氏(元検察官)、脇田未菜子氏(元裁判官)ら、松尾・桃尾・難波法律事務所の代理人で出てきて、「江間氏は生活の本拠地を東京の**区においている」旨の反論を書面でしてきました。

以上には以下のような問題があると思われます。

①江間氏がオランダに在駐しているのならば、東京都に住民票を置くのは住民基本台帳法違反、公正証書原本不実記載罪(最高刑は懲役5年)の疑いがある。なお「公正証書原本等不実記載罪」は,公務員に対し虚偽の申立をして,権利・義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせるという犯罪です。

(公正証書原本不実記載等)
157条1項 公務員に対し虚偽の申立てをして,登記簿,戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ,又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者→ 5年以下の懲役又は50万円以下の罰金


②以前にオランダに常駐していると日経新聞等が報じている(例えば吉永康樹氏のブログ記事「HOYA1200億円還流」などを参考)のに、江間氏が実は東京を拠点としているのであれば、オランダを実質的に財務拠点としていることでの税制措置を受けていることが覆される可能性がある。このことの租税上の負担額増加は、もし税務否認や追徴課税等が行われれば、数百億円単位である。レピュテーション等のリスクも無視できない。

③以上のような問題があるので、監査委員長の児玉幸治氏が、「江間氏の生活の本拠地は東京」と裁判所で代理人が述べているのは、虚偽の事実を伝えたか、あるいは児玉氏が執行に関する何の監督も行えていないことを明確にしている。

④さらに指摘すれば、江間賢二氏(最高財務責任者・執行役)と児玉幸治氏(社外取締役・監査委員長)の代理人が、同一の弁護士(本件では、泰田啓太氏ら)であることに大きな問題がある。社外取締役が執行役の弁護士とは異なる法律顧問を雇用するという議案を提出していますが、実質執行役も社外取締役も、中川知子氏によって同一の弁護士が代理人として選出されているわけで、監査委員長の保全事件の弁護士が、中川知子氏らが普段使っている弁護士だったら、中川知子氏の違法行為を指摘するでしょうか。監督される側と監督される側が同じ弁護士であるなど、企業統治の観点から見れば、完全な利益相反です。

昨年度の株主提案で適法な議題を取り上げなかったことなどの、中川知子氏らの違法行為、そしてその違法行為を素直に認めて再発防止に心がければいいのに、不正行為をさらに大きい不正行為で隠ぺいしようとする中川知子氏らの行動に、社外取締役らが何の監督の意思も持っていないことが、企業統治の破たんであり、最大の問題だと思います。検事や裁判官などの社会的に重要な立場を経験された弁護士ならば、なおさらその職業的な倫理の重要性を認識していただきたいものですね。言い換えれば、「事件屋に堕ちるな」ということです。

しかし松尾桃尾難波法律事務所ですが、本当にHOYA執行役には弁護士がアドバイスしているんでしょうか。小生には着手金欲しさに事件がわざと揉めるように誘導しているとしか思えないですね。松尾眞弁護士とかいうのは、もはや法律家として危機管理等を論じる資格などないでしょう。

2011年6月12日日曜日

児玉幸治氏(元通商産業省事務次官)はあらゆる公職から退任を

東京電力と経済産業省(旧通商産業省)や学会・メディアなどとの癒着が批判の対象になっています。小生は児玉幸治氏(元通商産業省事務次官)がいまだに公然と上場企業の社外取締役などのポストについて、公然と居座っている事実に唖然としています。児玉幸治氏は、あらゆる公職から退任するべきだと思います。

簡単に思いついた理由を考えてみますが。

①HOYA株式会社の監査委員長として、ペンタックスの買収を承認したこと、その後の中川知子氏による不正行為の連発に代表される内部統制システムの崩壊に対して、何ら積極的な行動をとらなかったこと。なお平成22年6月の株主総会の株主提案議題を一方的に招集通知に不掲載にしたことについては、本年度の総会では取り上げている議題があるので、平成22年の違法行為を認めたのに等しいですし、児玉氏を相手方とする仮処分申請でもこの点については、泰田啓太氏ら代理人弁護士は何ら書面で反論をしていません。語るに落ちたというべきですし、昨年度の違法行為の存在については、きちんと監査委員長として株主総会で株主に報告するべきです。

②東京ドームの監査役として、度重なる死亡事故等の不祥事になんら事前の対策を打てなかったこと。人が死んでも平然としていられる人間性がそもそも大問題。2010年11月に女性従業員が「タワーハッカー」の点検中に指3本を切断する事故、同年12月に「サンダードルフィン」のボルトが落下し、客の小学生が怪我を負う事故、2011年1月に客の男性会社員が「スピニングコースター舞姫」から転落し死亡する事故を相次いで起こしている。かかる重大な事故等が連発しているのは会社としての内部統制の問題、さらに内部統制の構築義務を監督・チェックする義務を負う監査役の責任であって、法的責任だけでなく、道義的な責任は免れないはずです。

③これだけ経済産業省と電力業界の癒着が批判される中、通商産業省の元事務次官を社外取締役にするべきではない。長年霞が関のキャリア官僚として人生の過半を過ごした人材は、株主の観点から独立の社外取締役であるとも認められない。なお児玉氏の天下り先である商工中金は、民業圧迫の存在です。

④そもそも80年代後半に事務次官をやっていたわけですが、少子化対策も先進国最低ですし、彼らの世代の政策が悪かったから、今の日本の低迷があるんじゃないのか?

⑤いわいる天下り、渡りの元官僚です。

まあもう70代後半の年齢ですので、そろそろ後進に地位を譲るべきでしょう。

児玉氏の名誉のために言っておくと、公人的な側面でおやりになってきたことを小生はあまり評価しませんが、普通に接してみれば人のよさそうなおじいさんです。ただ、人のよさそうなおじいさんだけでは、今の難局を乗り越えることはできないのです。いい加減、我慢の限界であるはずです。

2011年6月8日水曜日

株主提案理由の質問は、Yahoo! の掲示板でお受けします。

株主提案理由に関する質問は、以下の掲示板でお受けしますので、ご質問があり、提案者である小生に聞きたい方は、Yahoo!のアカウントを作成したうえで、質問をしてください。

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=q&board=7741

もともと株主提案権の立法趣旨は、株主間や株主と取締役のコミュニケーションを行うことにありました。ですから、コミュニケーションができることは、素晴らしいことなのです。

なお会社は、一方的に小生の株主提案の説明理由を削除するなどの行為を行っています。前年度の説明文字数増加議案の多数の株主が示した意思を踏みにじるものであり、断じて認められません。事後的に公開の法廷で争います。ただ椎名武雄氏が自主的に取締役から退任することは、すでに株主提案が成果を上げているという意味では、積極的に評価できると思います。

2011年6月4日土曜日

議員立法機能の上昇が国難克服のカギ

自分自身がヘッジファンドの投資手法を開発しながら、東京地裁民事8部で本人訴訟をやったり、仮処分申請を行ったりする、おそらく比較的希少性の高いであろう様々な体験からつくづく思うのですが、日本の政治経済システムの最大の問題の一つは、立法機能を実質的に霞が関の官僚が独占していることだと思います。

すでに述べたように、法治国家たる日本では、法律の最終的な解釈権は裁判所が持っています。地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所の順に上位に位置づけられますし、私の提起している株主総会決議取消訴訟の最初の担当判事だった福井章代裁判官がなっていた最高裁判所の調査官というポジションは、裁判官のキャリアの中ではエリートコースとされる分野です。彼らは法律の解釈者ですので、「会社が適法な株主提案の議題を株主総会で取り上げなくても、会社が提案した議題・議案の取消事由にはしない」という判決を、いわば解釈で行っているわけです。しかしながら、国会で「会社が適法な株主提案の議題を取り上げなかった場合は、当該株主総会でのすべての決議を取消しとする」という条文を、会社法改正案として衆議院と参議院で可決し、国会で成立させれば、裁判官は従わざるを得ないわけです。従って、私の思い描くような資本市場を作るためには、立法活動は極めて重要なのです。

あまりよく知られていないかもしれませんが、衆議院と参議院にはそれぞれ衆議院法制局と参議院法制局があります。国会議員が議員立法をするときには、これら事務局が、他の法律との関係などを含めて対応することになっています。原則立法の事務局ですから、人事という意味では、比較的霞が関からも独立しています。ただし、司法修習の期間に修習生が交流することはあるみたいです。

ところが実際のところ、日本では政府提出の法案がほとんどであり、その作成は霞が関の官僚諸氏が行うわけです。すると霞が関の官僚の行動原理は、基本的には自らの省庁の天下り先の確保ですから、そこのところで徹底的に骨抜きをされるわけです。法務省の法制審議会も同じような機能です。法務省民事局のキャリア官僚(過去に太田洋氏や泰田啓太氏なども所属)などは、東京地裁民事8部の若手裁判官と同じように、企業法務を行う弁護士事務所へのパートナー弁護士としての転身を狙っていたりしますので、少なくとも大多数の国民の利益とは別個の方に目が向いているわけで、それに比べれば、選挙で落とされることにおびえている衆議院議員に権限を与えることは、必要ですばらしいことなんですね。

ただし、国会議員に力を与えるにしても、小沢一郎氏が従来から言っていた国会議員が内閣に100人単位で入るという政治主導の絵は、結局のところ、内閣法や国会法の改正がないので、一切実現していません。政務三役に入れなかった大半の議員の不満がうっ積し、彼らの存在意義が失われるという結果になっただけです。あと二院制の下では、いくら政府や政務三役が決めても、連立内閣や衆参のねじれがある状況だと、複数の党の幹部が一致しないと実際は何も法律が国会を通過して実際の法律にならないという現実もあります。政務三役よりも幹事長室に最終的な権限が集中していたのが、鳩山首相・小沢幹事長時代の民主党政権でしたし、「議員立法の禁止」という党の方針もありました。

以上を踏まえると、おそらく改革にとって肝心要のところは、「霞が関の官僚でない主体が立法を行える仕組み」だと思います。都市部の多くの有権者の支持を受けているみんなの党も、シンクタンクを設立する公約を掲げていましたが、いまだに当該議員立法を提出するには至っていませんし、日本では国会議員に立法機能がほとんどないことが問題としてあります。

私は一つの補完的な案として、地方議会の議員が国会の立法機能をサポートすることの兼職を広範に認めて予算をつけ、そして立法能力で頭角を現した地方議員には、国会議員への道が開かれるというようなシステムが良いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

2011年5月31日火曜日

なぜ東京地裁民事8部で株主敗訴の判決が東京高裁で逆転勝訴になるのか

東京地裁の民事8部(通称商事部)ででた株主敗訴の判決が、東京高等裁判所(東京高裁)に控訴されると逆転で勝訴するケースが多々あります。山口三尊先生のレックスホールディングの事件が典型です。原弘産の日本ハウズイングの株主名簿閲覧請求事件もそうですし、同じく山口先生のサイバードもそうです。さすがにカネボウ事件だけは、あまりにひどいケースということで、一審の東京地裁民事8部でも株主勝訴です。確かに地裁レベルでは変な判決は結構ありますが、これだけ勝率に差があるのはなんか変?というのは明らかです。

先日和解した小生の株主提案に関する仮処分事件も、少なくとも債権者(株主側)の一部は認容する決定を出すつもりだったことは、担当の裁判官は口頭で小生に伝えています。あまりにひどいケースは、株主側請求でも認めていますね。なお東京地裁民事8部とほかの裁判所での商事事件でも、勝率が明らかに違うことは判例等を研究していると感じるところでもあります。小生の決議取消訴訟の裁判例と明らかに相反する「否決の決議の取消の利益はある」という判決文を書いたのは、山形地裁の裁判官です。

私の取消訴訟の判決などは、裁判所が明らかに説明義務に関する事実認定を曲げており、異常だといわざるを得ないと思いました。ただ裁判官たちも法律の訓練を伊藤塾などの司法試験予備校等で受けてきた人たちですので、事後的に検証されてぼろくそに言われると自分たちの立身出世にかかわりますから、さすがに「脅迫がない」とか、「適法な株主提案をとりあげなかったことが適法だ」というような意見は言っておらず、「取消事由ではない」といっただけです。この点は、はっきりと裁判での書面を示して、皆さんに判断していただきたいと思います。ただこの裁判は、形式的には原告敗訴ですが、実質的に勝訴です。鈴木洋氏は小生の質問を株主総会の議事録に掲載せずに、「原告は質問権を行使していない」などと述べたかと思うと、福井裁判長から総会当日の録画資料等の提出を求められると、質問したことにはするなど、支離滅裂ぶりを明らかにしています。会社側のめちゃくちゃな株主総会運営と主張を法廷の場で結果的に暴いていますが、最後に裁判官たちは「会社の総会運営方法がめちゃくちゃであっても、株主総会の決議の取り消し事由にはしない」と言っただけですからね。ぜひ訴訟記録を閲覧してみてください。個人的には、正論を貫こうとしていたにみえた福井章代裁判官から大門匡裁判官への変更には納得いきませんが。

それではなぜ東京地裁民事8部の判決が高裁で逆転する傾向にあるのでしょうか?(山口三尊先生はこのような背景を踏まえて、「民事8部は高裁の受付係」といっていました。)

①裁判官の天下りへのインセンティブです。民事8部の裁判官が、大手渉外事務所へのパートナー弁護士へ転身の下心を持つと、会社側に不利な判決を出すとそのような転身に悪影響を及ぼすと考えるみたいですね。法曹の天下りにはまだあまり注目が集まっていないので、これから若林亜紀さんに書いてもらいますので。

代表的なのはこの人(高山祟彦弁護士)ですが。裁判官だった人物が、次に物理的に同じ法廷(民事8部601号法廷)で弁護士として出てくることには、大いなる違和感を持たざるを得ないですが、いかがでしょうか?(以下山口三尊先生ブログより)
(ТМI総合法律事務所)高山祟彦弁護士:元東京地裁商事部の判事として、カネボウ営業譲渡差し止め事件で、株主敗訴の決定を書く。その後弁護士となりシャルレの代理人として、株主と敵対。

また法務省民事局付などというポジションがあり、私の相手方の泰田啓太弁護士(松尾・桃尾・難波法律事務所、当時は検事としてですが)や、山口三尊先生曰く「日本で最も株主の利益を侵害してきた」太田洋弁護士(西村あさひ法律事務所)などがかつて所属しています。この法務省民事局なるものは、法制審議会で御用学者を並べて法務官僚に都合のいい立法とするための局であり、特捜検察と並んで速攻おとり潰しにするべき不要な存在だと思います。政治主導の流れの中で、議員立法を強化する流れからいけば、議員立法をサポートする衆議院や参議院の法制局こそがエリートコースになるべきだと思うのですが。

議員が国民のために働かないのならば、自分で法案の素案を作って各議員の事務所を回るしかありません。今夜、知人と日本版ERISA法の立法をしようという話になりました。

②また日本の商法・会社法では、株主の権利が強く明確に規定されているという点があります。したがって、東京地裁民事8部の裁判官が解釈を捻じ曲げて会社側有利な判決を書いても、高裁の判事は株主の明文上規定された権利をそのまま適用して、逆転判決になることが多いのです。

③一つには裁判官の人事の問題があります。裁判官は任官すると地方の裁判所の判事をやらなければいけないなど、会社法や商法だけやっているわけではありませんし、一方で実務の世界はどんどん進んでいくので、裁判官がどんなに頭がよくて勉強をする気のある人でも、さすがについていけないということはあるのだと思います。裁判官は、日本の霞が関の官僚と同じように、特に専門性がないのですね。保全事件では裁判官と言葉を交わす頻度が高いのですが、(非公開の場ですが)その中で実務の感覚では変な発言を裁判官がすることは結構あります。

④あと③とも関連していますが、会社法と商法の経験が少ないために、民事8部の裁判官は企業法務を担当する大手弁護士事務所と勉強会などと称する交流会をやっています。そんなことが許されるのか、と言いたい。

しかし裁判所は、その権力の構造では、所詮は法律の解釈権を持っているにすぎないので、いくら東京地裁民事8部の裁判官が天下りの方向に目が向いていても、選挙で落とせる国会議員に国会で立法させてしまえば、すべてとは言えないにせよかなりの部分が解決します。やはり「資本市場改革関連法案」の立法活動しかないのでしょう。我々の年金を守るために、市民が立法をする仕組みを作りましょう。

2011年5月30日月曜日

株主提案関係で、取材したい方へ。

取材したい方は、どうぞメールください。
小生の取材申し込み用のメールアドレスは、yy2248[at]columbia.edu です。[at]を@に変えてください。

原則として、過去に失礼な対応をした以外の、すべての取材に答えます。

2011年5月26日木曜日

あるべく企業統治を破壊する中川知子氏(コーポレート企画室ジェネラル・マネージャー)

HOYA株式会社の企業統治の最大の問題点は、社外取締役が企業統治、株主価値の最大化の観点からまったく機能していないことです。日本が何でだめかについての、複合的な構造がそこに読み取れます。

というのも、社外取締役の情報のほとんどが、最高執行役傘下のコーポレート企画室(特に幹部社員の中川知子氏)の作成したものからのみ得られており、なんと昨年度の株主提案に対する反対理由のほとんどが、幹部社員の中川知子氏が作成したものを、浜田宏氏を含む取締役会の構成員が、何の批判もなく掲載したという問題があります。このことは、私の提起した決議取消訴訟の裁判資料からもはっきりと見ることもできます。そもそも適法な株主提案の議題を一方的に落とすことは違法であり、その違法行為を隠蔽するために、さらに違法行為を繰り返すというありさまであり、中川知子氏は鈴木洋氏と共謀して、違法行為を連発していると言えます。

そもそも例の無機EL(ナノ粒子)の研究中止について、監査委員会へ萩原太郎氏と塙義一氏、椎名武雄氏への賠償請求の書面を会社(というか監査委員会事務局)に送付しましたが、これらはすべて中川知子氏の検閲もどきがかかっており、監査委員会委員の取締役へ行く前に、中川氏らが中身を精査するわけですね。このことは、先日の仮処分の審尋の時に、相手方の泰田啓太弁護士(検事出身)がその事実をコメントしていたことからも明らかです。

取締役会反対意見として書かれている「秘密投票で議決権行使は変わらないと考えている」とかは、機関投資家の担当者であれば、当該議案に賛成するかどうかは別として、この取締役会はいったいどうなっているのではないかと思ったと思います。実は形式的に解任権限等を持つ取締役よりも、中川知子氏が主導し、実質的に力を持っていることが大問題なのです。このような仕組みの下では、中川知子氏と鈴木洋氏が不正行為を連発していても、なんら社外取締役がチェックする機能は果たされないわけで、内部統制システムの構築義務にも関連してきます。

結局高橋洋一氏の本とか読んでいても思うんですけれど、情報をコントロールしている人間が権利的には権限がなくても、実質大きな権限を行使しているということがあるんですね。それは内閣であっても、会社であっても変わらないと。大臣に人事権があっても、それを行使するのを妨害しようとしてくるのと似ています。実質的には社外取締役が大きな権限をいても、中川知子氏が決裁している書類しか取締役会や3委員会に行かないのであるから、当然誰が実質的な権限を持っているかという構造になるわけです。だからこそ、中川氏の権限外しになる議案「執行役を交えない経営会議」(ただそのアジェンダを中川氏が決めていればそれも骨抜きに)とか「取締役会だけの執行役が雇用するのとは別の法律顧問の雇用予算」とかの議案を不掲載にするでたらめな法解釈に基づく総会運営をやってこようとしてくるんですね。

というか、そもそも相手方の松尾・桃尾・難波弁護士事務所なども執行役側(というより鈴木洋氏と中川知子氏)のほぼいいなりなんだから、いままでの経緯はいずれこのサイトなどで公開していきますね。あと法的に正当化できる理屈と、株主利益の観点から望ましい理屈は、ずれてくることもあるんですね。

そして以上のような状況なのに、「PIが業界水準より高い」などと言って、取締役選任議案に賛成推奨する議決権行使会社にも大きな問題があると思います。以前ビデオニュースのなかで、宮台真司氏が「なぜ関西電力の経済合理性に反する原発建設計画に、株主が株主代表訴訟などのアクションを取らないのか?」という質問に、飯田哲也氏は「保険会社等には事業を分析する能力がなく、アメリカの議決権行使会社の推奨に従っているだけだ。議決権行使助言会社は、独占企業だから収益的には現状のままでOKとする。」と答えていました。議決権行使助言会社は、会社の分析をする能力や資源が十分にないことを認めたうえで、議決権行使の推奨レポートを発行するべきではないでしょうか?

同世代の方から、数多くの応援メッセージと助言をいただけていることに感謝を申し上げます。
外国人投資家の議決権行使行動と議決権行使助言会社の問題点については、別に記載します。

2011年5月21日土曜日

萩原太郎氏(技術担当執行役)へ提訴請求

2008年7月24日に発表されている「全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子研究グループがJJAP論文賞を受賞」の研究成果でもある無機ELに関する研究開発を、2010年春ごろに突如中止していたことが判明しました。この研究グループは、大阪大学の松尾先生の研究室と、科学技術振興機構(略称JST)とのあいだで共同研究していたものであり、非常に高い評価を得ていたのに、突如としてその研究成果である機械等を寄贈してしまうなどの前代未聞の行為を行っています。小生が去年の株主総会で主張したように、萩原太郎氏は早急に退任するべきです。

なお当社においては、執行役候補の取締役会への上程権限が指名委員会にあることから、特に責任のある指名委員長椎名武雄氏と、塙義一氏についても、提訴対象としました。

株主代表訴訟に係る提訴請求書

〒161-8525
東京都新宿区中落合2丁目7番5号
H O Y A 株式会社 監査委員会 御中
H O Y A 株式会社 監査委員会委員長 児玉幸治様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 椎名武雄様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 茂木友三郎様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 小枝至様
H O Y A 株式会社 監査委員会委員 河野栄子様

平成23年5月16日
H O Y A 株式会社 株主 山中 裕

前略 私こと山中裕は、六ヶ月前より引き続き貴社株式を保有する株主である(会社法八百四十七条一項参照)。

 貴社は、2008年度のアニュアルレポートにて、研究開発活動の一つとして、「ナノ粒子」の項目を設け、「ナノ粒子とは、粒径が数ナノメートルの超微小な粒子のことです。金属やセラミクスなどの材料をナノサイズまで小さくすると、その材料の性質が変化し、発光など新しい機能がうまれたりします。HOYAは、さまざまなナノ粒子の分散・表面改質技術の研究に取り組んでおり、これらをうまく組み合わせることで新しい物性をもった複合材料の開発に挑戦しています。今季は高屈折率工学部品や磁気媒体関連分野での応用を目指します」(27ページ)と記載するなど、3年前の時点でも目玉プロジェクトの一つとして宣伝していた無機ELに係る研究開発プロジェクトを、2010年春ごろに一方的に脈絡ない技術経営判断の結果、中止した。 

 当該研究開発は、2008年7月24日の当社プレスリリースでも、「全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子研究グループがJJAP論文賞を受賞」などとして、「この度、HOYA株式会社 R&Dセンター QD-EL研究グループ(小林哲 主任研究員、谷由紀研究員)は、川副博司 東京工業大学名誉教授と共著の全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子に関する論文が認められ、(社)応用物理学会より第30回(2008年度)応用物理学会論文賞(JJAP論文賞)を受賞することとなりました」と、重要な研究開発活動の成果であるとして、3年弱前の時点でも、投資家に広く公表されている。
さらには係る研究開発の蓄積として社内独自に長年改良を行っていた機械を、大阪大学松尾研究室に、ほぼ無償で寄贈するという暴挙に至っている。当該製造技術等の構成は、二十メートル四方のクリーンルームとカスタムメイドの備品からなり、これらを再び初めから構築しようとすると少なくとも二十億円程度の費用が発生することは明らかである。

 また人材の育成が企業としての主要な競争力の源泉であるにもかかわらず、このような顕著な研究開発の能力を持つ小林哲研究員を、社外(本ケースではサムソン電子)へ転職させ、引き留める積極的な行動も行わなかった。

 以上のような多額の費用を費やしたはずの当該プロジェクトを一方的に中止する等の意思決定については、最低限の分析を行えば、これら意思決定は技術経営の観点から不適切であることは、簡単に理解できたことである。技術開発に何ら成果がないことは、株価を長期低迷させる主因の一つとなっている。このような会社に多大なる損害を与えた執行役(技術担当)の萩原太郎氏の業務執行行為は任務懈怠を始めとする善管注意義務(ないしは忠実義務)に違反する行為と言わざるを得ない。

 加えて、萩原太郎氏が技術担当執行役に就任した平成二十一年六月以降、新規事業に関する技術開発には何ら成果がなく、萩原太郎氏の業務執行行為により発生したこれら投資に関する損害についても、萩原太郎氏は善管注意義務(ないしは忠実義務)違反として損害賠償責任を負うべきである。

 前記、萩原太郎氏の善管注意義務(ないしは忠実義務)違反の結果、発生した貴社に対する損害額は、第一に長年にわたった研究開発の成果であるところの機械を大阪大学にほぼ無償で寄贈した二十億円程度の損害額、第二に当該プロジェクトを継続あるいは少なくとも社外に売却した場合には、機械を除いても、最低でも三十億円程度の金銭的価値を生み出していたと予想されることに係る機会費用であり、合算して総額約五十億円の損害が貴社に対し発生したと認められる。これら算出額は、仮に当該研究開発プロジェクトに少数持分投資した場合には、投資前価値が五十億円程度になることは容易に予想されるうえ、逆に当社が同研究開発活動を買収した場合には百億円以上の費用が発生することを考えれば損害額の下限と言ってもよい。

 さらには、萩原太郎氏が技術担当執行役に就任して以来、光通信部品、3CSiC、微細加工の主要プロジェクトについて何一つ進捗についての成果が見られず、一つも新規技術開発に係る起案がなく、本来新規プロジェクトを起案し新たな事業を起こす事がR%Dセンターのミッションである事を考慮すると職務怠慢とも言える行為であるが、そもそも萩原太郎氏は東京大学の機械工学科(学士)を卒業しており、日産自動車入社後も車のボディーの開発などに主たる時間を費やしていた人物であり、硝子研磨や加工などの材料科学や眼科領域、光学あるいは医療機器(旧ペンタックス内視鏡分野は赤字に転落しているが売り上げはまだ大きい)を主たる事業分野とする当社の技術担当執行役として適格性がないことはもともと明らかである。一般に他社の例を見ても、企業の研究会開発部門の長に任命される者は、①博士の称号(最低でも修士)を有する、②学界や特定の研究機関で顕著な活躍がある、③海外留学経験がある等の条件を満たす必要があるが、萩原太郎氏には、それに匹敵する研究機関での実績や外部研究機関からの賞賛の実績が全く無い。萩原太郎氏が前職で従事していた燃料電池のプロジェクトも、日産自動車で不要となった部門であり、なんら成果もなかった。従って以上のような背景の人物が技術担当執行役として不適切であることは、元社外取締役で日産自動車名誉会長(当時)の塙義一氏であれば容易に理解していたことである。自社で不要となった人材を、自らが社外取締役となる会社に押し付けた背任的行為ともみなすことができる。

 従って、かかる実績の存在しない人物を技術担当執行役として取締役会への推薦を行ったことについて、塙義一氏ならびに指名委員長である椎名武雄氏については、善管注意義務違反、あるいは忠実義務違反が認められることは明らかであり、萩原太郎氏の指名に特に責任のある2名については、最低でも二年分の研究開発費の六十億円の十分の一である六億円程度の賠償責任を負うと解するべきである。
従って、会社法八百四十七条一項に基づき、貴社の技術担当の執行役である萩原太郎氏を被告として約五十億円、塙義一氏と椎名武雄氏については約六億円の損害賠償を請求する訴えを提起することを貴社に対し、請求する。早々

参考
全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子研究グループがJJAP論文賞を受賞
2008年7月24日 HOYA株式会社 R&Dセンター
この度、HOYA株式会社 R&Dセンター QD-EL研究グループ(小林 哲 主任研究員、谷 由紀 研究員)は、川副 博司 東京工業大学名誉教授と共著の全無機量子ドット・エレクトロルミネッセンス素子に関する論文1)が認められ、(社)応用物理学会より第30回(2008年度)応用物理学会論文賞(JJAP論文賞)を受賞することとなりました。

受賞対象の論文に著された素子は、その構成部材を全て無機材料とした面状自発光素子(エレクトロルミネッセンス素子: EL素子)です。化学合成手法によるコロイダル量子ドットを発光層の原材料に用いることにより、CRTに比肩する純色の自己発光を実現できることが特徴です。

コロイダル量子ドット: QDは、液相にて化学合成され、表面を界面活性剤有機分子で覆われた、数ナノメートルの直径を有する半導体ナノ結晶であり、極めて色純度の良い高効率の蛍光を発する優れた発光材料として知られています。しかし、その表面に存在する界面活性剤や、QDを分散させる為に用いられる有機溶剤に由来する有機物の存在が、無機材料で構成される発光素子への応用を拒んできました。

QD-EL研究グループは、コロイダルQDから有機物を除去しつつも、QD構造を保存し、高効率純色発光特性を有する半導体発光活性薄膜を比較的低温で形成できる成膜技術を既に開発しています 。この度、二重絶縁層型薄膜EL素子の発光活性層の形成に新成膜技術を応用し、初めて量子ドットからの高純色自発光(電子・正孔の量子閉じ込め準位間発光)に成功いたしました。過酷な環境下でも、全無機構造が高い信頼性をもたらすことが期待できます。また、プラスティック基板を使用することが可能で、さらに全ての電極に透明導電材料を用いることで、フルカラーのフレキシブル透明ディスプレーも構成可能です。今後は、各構成部材の調製を行い、高輝度化のための開発を行っていきます。


本件に関するお問い合わせ:
196-8510 東京都昭島市武蔵野3-3-1
HOYA(株) R&Dセンター
企画部 探索評価 QD-EL担当
liquid@sngw.rdc.hoya.co.jp
----------------------------------------------------------------------------
*1 “Quantum Dot Activated All-inorganic Electroluminescent Device Fabricated Using Solution-Synthesized CdSe/ZnS Nanocrystals” Jpn. J. Appl. Phys. 46, L966 (2007)

2011年5月18日水曜日

祝、椎名武雄氏が取締役退任

小生の株主提案の圧力により、椎名武雄氏がHOYA株式会社の取締役から退任します。遅ればせながらですけれども、株主提案の一つの成果です。今後よりよい企業統治と、取締役会を目指すために、皆様の力もお借りして、戦っていきます。なお小生は、児玉幸治氏と茂木友三郎氏の取締役の不再任をめざす議案も、すでに提出しています。

そもそも9年を超える再任期間を持つ取締役は原則独立性がないというのがイギリス・ロンドンの証券取引所のルールなのです。それが16年というのはあまりに一般的な資本市場の感覚からかい離しているのではないかと。さらに言えば、椎名氏の罪は、児玉幸治氏や茂木友三郎氏などの同世代の人間のみからなる仲良しクラブ的な取締役会を作ったこと、丹治宏彰氏や鈴木洋氏によるR&Dの運営が10年以上の間支離めちゃくちゃなのを一切放置していたこと、さらにペンタックス買収の高み掴みに反対しなかったことです。今後、これらの問題を追及していきたいとかんがえています。

(以下引用)
時事通信 2011/05/10-19:53 椎名氏が社外取締役を退任=HOYA HOYAは10日、社外取締役の椎名武雄氏(日本IBM名誉相談役)が6月21日付で退任すると発表した。日本IBM会長だった1995年6月 に就任し、16年間務めた。後任には麻生太郎元首相の弟で、医療関連事業などを手掛ける麻生(福岡県飯塚市)の麻生泰会長が就任する予定。
 椎名氏ら社外取締役をめぐっては、HOYAの経営陣と「情実的な関係にある」として、創業家株主が6月の株主総会に、退任を求める株主提案を会 社側に提出している。(了)

2011年5月15日日曜日

眼科部門における世界的な再編の動き

(取締役選解任や定款改正議案の多くの議案と関係する記述として、参考してください)

眼科部門における世界的な再編の動き

Alcon社:従来スイスの食品大手ネスレ社の上場子会社であったが、同じくスイスの製薬大手ノバルティス社が、2010年12月にネスレ社から77%の株式を取得している。時価2011年4月時点の総額は約4兆円である。
Bosch Lomb社:2007年に、プライベートエクイティー投資会社であるWarburg Pincus社が$3.67 Billion USDで買収している。
Advanced Medical Optics社:製薬大手のAbbotts Laboratories社が、2009年に$2.8 Billion USDにて買収している。なおAbbott Laboratories社の2011年4月ころの時価総額は、6兆円以上である。
なお眼科分野は、網膜の病気である加齢黄斑変性症が、今後の市場と成長性などを考えると大きく、まだ有望な効果的な治療のための新薬開発の余地がある。一方緑内障に関しては、現状の薬剤の特許が切れるので、当社でもジェネリック医薬品を製造して販売できるようになり、むしろ薬物伝達(Drug Delivery)技術などが差別化要因になるので、当社が優位に事業展開する余地がある。世界的な眼科分野での再編と事業展開の動きに対し、当社経営陣は過去10年間に何もできずに取り残されているのが現状である。提案者が推奨する企業戦略は、Balamurali K. Ambati博士の記述を参考にされたい。

2011年5月12日木曜日

(取締役選解任や定款改正議案の多くの議案と関係する)総括的な提案内容(3)

 また提案者による企業経営の抜本的な改革案を示します。第一に、もっとも資本効率の高い眼科事業に資源を集中的に投下するべきです。特に眼科医薬に対する参入を行い、同業のAlcon社やAbbott Laboratories社が目指しているような、眼内レンズと眼科医薬をクロスセリングするような戦略を取るべきです。なおすでに内視鏡事業は赤字に転落していますので、競争優位は持っていませんので、撤退も視野に入れるべきです。医療分野の中では眼科に関する部門以外には基本的には投資せず、主要なコア事業として眼科領域に特化するべきです。日本のアナリストなどにはあまり認識されていませんが、先進国では高齢化が進み、高齢者に多い緑内障や白内障、加齢黄斑変性症の患者数が年率15%程度で急増していますので、世界の投資家には眼科領域は急成長かつ利益率の高い事業分野だとみなされています。この分野の最大手であるスイスのネスレとノバルティスを主要株主とするAlcon社の時価総額は日本円で約5兆円です。また製薬診断大手であるアボット・ラボラトリー社は主要な眼内レンズメーカーであるAdvanced Medical Optics社を買収することにより、眼内レンズを自らの製品ラインに加えることに成功しています。その他でも、ボシュロム社をPE投資会社のウォーバーグ・ピンカス社が買収するなど、世界的に眼科領域では幅広い再編が起きているにもかかわらず、日本の眼内レンズメーカーである当社だけが、その流れから取り残されているのが実情であります。眼科分野は、すでに眼内レンズメーカーであり、眼科医との強いネットワークと販売力を持つ当社が、眼科医薬を同時に販売するようにあれば、高い事業効率が期待できます。実際に、北米等でAlcon社が圧倒的な収益を誇っているのが、世界で眼科医が必要とする商品である眼科医薬と眼内レンズを同時に供給できる実質唯一の会社であることがあります。そこにすでに製薬会社である大手のAbbott Laboratories社が、第二のアルコンの地位を狙って眼内レンズメーカーを買収して参入してくる結果になってくるわけです。このような世界的な眼科領域での再編にただ1社遅れているのが当社であり、ペンタックス社のような収益性にきわめて劣る会社を1500億円近いコストで買収するならば、加齢黄斑変性症の有望な新薬候補を複数買収するなり、Advanced Medical Optics社を買収していればよい(もし買収していれば資本力のある大手のAbbott社の眼科領域への参入を阻止できたのである)のであり、経営陣と取締役会、及びこの程度の判断をしている取締役選任に賛成推奨している議決権行使助言会社や機関投資家の議決権行使担当者たちの無能は、極まりというべきである。この点に関しての詳細は、17歳で医学博士となった天才的眼科医で、加齢黄斑変性症の研究分野での第一人者でもあるBalamurali K. Ambati博士(ユタ大学准教授)による別途資料を参考にされたいが、現在加齢黄斑変性症は有望な新薬がないが、症状の進行を止めるという程度の効果しかない、抗がん剤の転用であるLucentis(Genentech社が開発)は、1000億円近い売り上げ(製薬事業の売上比の利益率は30%程度だと予想される)をすでに誇っており、また緑内障向けのXalatan(ファイザー社)もいわいる1000億円以上の売り上げを誇るBlockbuster drugであります。加齢黄斑変性症は、より効果的な新薬が開発されれば、市場を席巻できる大いなる可能性を持っているし、緑内障向け新薬は特許切れによりジェネリック医薬品でも販売できるようになります。カメラ事業のような資本効率の悪い分野に再投資を行うのではなく、このような急成長かつ有望な分野に、積極的に投資先を変更して振り分けるべきです。なおこのような業界の詳細について知らなくても、普通に経営学の授業を受けた人間ならば、常識的に眼科部門に再投資するべきだという結論になるとは思いますが。

 第二に、当社の事業開発は、眼科以外では材料科学に特化するべきです。当社の優位性のある経営資源は、ガラス加工及び研磨等の材料科学と眼科領域であり、ペンタックスから引き継いだ光学技術は、キャッシュフローを生むような経営優位性を持っていません。またペンタックス社から引き継いだカメラ事業等は、早期に分社化等を行うべきです。材料科学の領域においては、日本企業はまだまだ世界的にも優位性を持っている事業が他社の例でも数多くあり、当社の80年代までのような事業開発に戻って、真剣に研究開発を行うべきです(以下を参照)。いずれの事業も、ペンタックスのカメラ事業などと比較して、極めて高い営業利益率、資本効率を誇っていることは確実であり、材料科学メーカーの原則に戻るべきであります。もちろん以下の企業の事例は、個々の企業の基盤技術に基づいているのであり、このような基板技術を育成し獲得していくことが経営戦略上、明らかに必要となりますが、このような中長期での材料開発はまさに日本企業が従来から得意としていた経営分野なのであります。

 第三に、クリスタルグラスなどで高い価値を有するブランド価値を最大限活用するための経営戦略をとるべきで、執行役としてChief Brand Officerを置くなどの手段をとるべきです。具体的には、HOYAブランドによる化粧品の販売や、プライベート・エクイティー投資会社との共同によるホテル経営などの運用なども検討するべきだと思います。例えばフランスのクリスタル・メーカーであるバカラ社は、Starwood Capital Groupにより、ハワイのホテル事業を投資家グループと経営するなどの新展開をみせているのであり、世界的にも女性や年配の消費者に高級ブランドイメージとして認知されている当社のブランドとしての経営資源(例えばこのような)を利用して、イタリアやフランス企業のブランドマネージメントにより、多額の付加価値をつけているように、株主利益をさらに増加させる経営展開を行うべきである。
そして以上のような企業戦略を実行するためには、ペンタックス部門のカメラ事業は売却、分社化などの手段により早期に事業をやめるべきで、伝統的な事業領域であるメガネレンズのほか、材料科学と眼科という2つの領域に資本を投入する先を限定するべきです。なお医療用内視鏡事業は、洗浄機を製品として持っていないという致命的な欠陥を有しているうえ、日本国内でほとんどシェアを有しておらず、欧州などに少しだけシェアを持っているだけです。ペンタックス買収は当社の株主価値の増加にとって全く持って意味不明であり、もしペンタックスの医療分野がほしいのであればそれだけ買えばいいのであり、長年赤字を垂れ流しているカメラ事業のような事業を1500億円もの大金を出して買収する経営上の合理性は当時より論理的に考えて全く存在せず、このような判断は論外と言えます。また当社は、ガラス磁気ディスク基板に関するメディア事業をウェスタン・デジタル社に売却していますが、この判断により、事業の見通しの表において評価したように、コニカミノルタなどの競合相手から当社から垂直磁気方式等の差別化しうる技術が失われました。しかし関係者の意見としては、メディア売却の選択は、正しいとのことです。なお関係者が何故正しいと言っているかと言うと、「他社と比較し当社は、R&D部門を事業部に持たないため、開発に必要なリソースと開発費・時間を確保できない。メディアの開発には、金と時間が必要であるが、今の当社の体制では、その供給は、期待できないので、開発の先が見えないのであれば、売却して現金化できる時に売却した判断は、まだましということで、正しい選択だ」ということだそうです。また有価証券報告書におけるセグメントわけについて、実質赤字になっている内視鏡部門をライフケア分野に入れて、内視鏡部門が赤字になっている実情を隠蔽する脱法行為もやめるべきです。

 また提案者が従来から退任を要求してきた丹治宏彰氏が、最高技術責任者から退任した後も、これら問題は全く改善されていないか、むしろ実態は悪化しています。提案者は昨年の株主総会で萩原太郎氏の技術担当執行役からの退任を要求していますが、萩原氏には材料科学と眼科領域をコア優位とする当社の技術担当役員として必要な教育的訓練あるいは実務的背景を有していないばかりか、前職の日産自動車での燃料電池開発部門は、カルロス・ゴーン最高経営責任者就任以後の日産自動車の電気自動車に集中するとした戦略から外れて不要になった部門であり、また燃料電池の開発自体も特に成功していません。それ以前に従事していたのは車のボディー開発等であり、研究部門の経験や新規事業の創出実績も持っていないにもかかわらず、このような人物を技術担当役員にすること自体が、指名委員会の機能不全を意味していると思います。例えば3C SiC事業については、10年近く開発を行っているにも関わらず、何ら成果が出ていませんので、すでに終わった事業計画と言われています。またXponent社への資本参加も失敗していますし、ナノインプリントも成果を上げる見通しはなく、生体適合性材料、外径0.8mmの微細ファイバースコープなども、大きな成果を上げる見通しはまったくなく、ナノ粒子、高密度実装基板、Radiant Images社など、すべてが場当たり的な技術開発の結果として失敗しています。これらは、萩原太郎氏が技術担当執行役になって以降、何ら問題点が改善されていないばかりか、むしろ悪化しているとさえ言えます。以上のような問題があるので、研究開発部門を再構築し、M&Aによる企業価値の創出の実務が全く分かっていない鈴木洋氏らによる企業価値を毀損し続ける企業買収や売却を早期にやめさせなければ、株主価値が継続的に破壊され続けますが、現在の社外取締役にはそれを是正する機会が今まであったにもかかわらず、なんら放置しているのが実情なのです。実績のある技術担当執行役候補は残念ながら社内にはほとんどいないのですが、何としてでも研究開発体制を改めて立て直し、事業部の予算としても中長期の競争力維持のための研究予算を配分し、中長期的に材料科学の分野と眼科領域で優位性を持つ事業体に変えなければ、当社の株主に高い利益を配分することはできないと確信します。
これらの問題ある企業統治の現状や、鈴木洋氏らがでたらめな技術経営を行って株主資本を無駄遣いしつづけていることを停止し、さらに企業価値を毀損する企業買収や事業部の売却判断を実行することを阻止するために、現状を改善するにはまず、現在の取締役会と指名委員会から独立した取締役候補である会社法の専門家である溝渕彰氏(香川大学法科大学院准教授)と、眼科分野の専門家であるBalamurali K. Ambati博士(ユタ大学医学部准教授)の2名を取締役会に送り込み、そして企業統治改善に貢献する定款変更議案に賛成するように、株主各位には推奨したい。なお提案者は、取締役会の構成が急速に変わることを懸念する株主がいることを一応は考慮し、解任議案を提出している椎名武雄氏、茂木友三郎氏、児玉幸治氏以外の再任の取締役候補に対して賛成することは特に妨げません。また執行役の中では、鈴木洋氏と萩原太郎氏が特に問題であるためこの2名を執行役から外すべきであり、江間賢二氏と浜田宏氏は当面の間は、問題があるにせよ、当社のまともな後継計画のなさを考慮すると、執行役としては再任されるべきだと考えています。

2011年5月10日火曜日

(取締役選解任や定款改正議案の多くの議案と関係する)総括的な提案内容(2)

実際のところ、当社の指名委員会は全く有効に機能していません。例えば、鈴木哲夫氏の長年の友人である椎名武雄氏(昭和4年(1929年)生まれ)が指名委員長を務めていますが、前年の株主総会で、鈴木洋氏は「社外取締役のサーチは行っているが、良い社外取締役を探してくるのは難しい」と述べています(なお指名委員会の専権事項について権限を持たない執行役を兼ねている取締役が回答していることを、説明義務違反として係争中である)が、例えばアステラス製薬は女性の取締役として大石佳能子氏を、女性の監査役として黒田由貴子氏を、2010年の株主総会に向けて候補として指名していますし、企業が採用活動に一定の資源を使って競争しているように、よい取締役を探してくることも他の企業と競争してでも行うべき指名委員会の業務の一つであり、彼ら取締役が怠慢であること以外の何物でもないとしか言いようがありません。なお社外取締役を探してくるのは指名委員会の専権事項であり、このような質問には説明義務を有する指名委員会の委員が答えるべきである。例えば提案者の先輩である東京大学の卒業生である児玉幸治氏や小枝至氏、あるいは以前の取締役である塙義一氏は、東京大学の女性卒業生の団体である「さつき会」などに自ら接触し、女性の社外取締役を積極的に探せばいいのであり、このような努力をせずに、自らの取締役としての再任だけを狙っているならば、株主に対する背任行為だといわざるを得ません。また17歳で医学博士を取得したギネスブック記録保有者であり、現在の眼科医療研究の第一人者であるBalamurali K.Ambati博士(ユタ大学医学部准教授)を取締役候補にしない積極的な理由を指名委員会は説明されたいと考えています。

また特に、監査委員会も全く機能していません。例えば監査委員会の機能不全については、本来であれば株主が取締役を選び、取締役が執行役を選ぶという本来の委員会設置会社のあり方がある一方で、私を含む株主は直接監査委員会や指名委員会の事務局に接触することができず、すべての連絡が鈴木洋氏の下にいる中川知子という従業員を通じて行わなければいけないようになっています。実際に監査委員会の機能不全はとんでもない事態を発生させています。その一例が、すでに指摘しているように、株主総会決議取消訴訟の発生事実を適時開示せず、株主に隠ぺいしてきたことです。まさに当社元幹部が、「社内と社外が同数になった段階で、社外取締役が結束すれば、社長のクビすら、すげ替えることができるようになった。こうした緊張関係の中で、業務執行に関わらない社外取締役の権限が高まれば、経営者への監視も高まり、コーポレートガバナンスも機能するというのが、制度を導入した哲夫氏の説明です。しかしそれは欺瞞にすぎない気がします。」(「『偽りの米国流』で屈折するHOYA『父子鷹』経営」「ZAITEN」2010年1月号)」42ページ)とコメントしている内容が、すべてを物語っていると考えられます。

まとめると、当社の企業統治の問題点は、コーポレート企画室の中川知子という従業員らが、執行役鈴木洋氏の強い影響力の元で、取締役会(及び指名、報酬、監査の三委員会)のアジェンダ等を設定し、社外取締役らは完全なイエスマンになっていることです。実際に去年の株主総会でも、「秘密投票で投資家の皆様の議決権行使は変わらないと考えている」「ストックオプション保有者のヘッジを制限するのは、財産権の問題」などという、機関投資家の常識などからすれば、浮世離れした取締役会の反対意見を述べていましたが、これは中川知子氏が実質的に作成し、そのまま社外取締役が何の反論もせずに参考書類に掲載したという経緯があります(中川氏本人がドラフトを作成していることを明言していることは、公開の裁判資料でも確認できます)。当社の企業統治の現実はこの程度のものです。なお「そのようなヘッジを行うことは想定できず」などと書いて参考資料に配っていましたが、実際に大株主には、投資銀行がOTCの金融デリバティブを作って売ることもできるのであり、このような実情を踏まえて虚偽の事実を公然と参考書類に掲載して行った決議は、取り消しの対象にすらなりうるものです。当社においては、(例えば賞与の決定や人事権を有する)最高執行役の部下であるコーポレート企画室の幹部社員が、会議のアジェンダや資料作成を行っており、社外取締役らがそれに異議を唱えることはまったくありません。

米国でも最高経営責任者や執行役が実質的に取締役の決定を支配するということが顕著にあり、エンロン事件などの数多くの不祥事が繰り返されてきたために、①最高経営責任者と取締役会議長の分離、②執行役を交えない社外取締役だけの経営会議開催義務、③コーポレート・リーガル・カウンシルとは異なる取締役会のための法律顧問の設置、などが企業統治の専門家によって推奨されるようになっており、これらについての株主提案は米国でも、多数の賛成票を集める傾向にあります。当社においては社外取締役が機能していないのは、鈴木哲夫氏の友人である椎名武雄氏を中心に現在の社外取締役が構成されているからです。そもそも世襲であり教育的にも実績的にも平凡あるいは平均以下である鈴木洋氏を最高経営責任者や最高執行役にしていることが問題なのですが、経営者の後継計画もないし、まさに当社の株価の低迷は企業統治の欠陥から生じたといって認定できる。従って、トップ指名に責任のある椎名武雄氏は少なくとも取締役会から去るべきです。定款変更議案については、機関投資家の方にも見慣れない議案もあると思いますので、丁寧に説明したい。質問については、当方のTwitterアカウント(@yutakayamanaka)や(http://yutakayamanaka.blogspot.com)でも質問を受け付けていますので、そちらも活用いただけるとありがたいと考えている。個人投資家の皆さんと、日本の子供たちに継承していくに誇れるような資本市場を共に作っていければと考えている次第であります。(続く)

2011年5月9日月曜日

(取締役選解任や定款改正議案の多くの議案と関係する)総括的な提案内容(1)

(取締役選解任や定款改正議案の多くの議案と関係する)総括的な提案内容

 今回の株主提案を行うようになった経緯を説明したいと思います。当社はバブル経済崩壊後の日本経済の初期の低迷を尻目に、90年代に株価が約4倍になるなど、この時期より日本の資本市場における代表的な優良企業として認識されるようになる一方で、2003年6月に委員会設置会社の形態を採用し、社外取締役が過半数の取締役会を有しているにも関わらず、2000年代以降、特に2003年以降に、長期的な株価の低迷という現象が観察されます。これは客観的な株価の推移を鑑みるに明らかなことですあり、特に、2010年4月6日現在、当社株価は過去1年でも30%下落していますが、日経平均の下落率は15%にとどまっています。2000年6月株価の終値は2375円であり、現在(4月11日時点)の株価は1700円であるので、株価は中長期的に低迷しています。特に2000年代初頭の株価上昇は、80年代までの事業開発の成果の反映であるとすると、直近5年から6年の株価の低迷は著しいといえます。

 提案者は、なぜ2000年以降に株価ベースで見たときに当社の企業価値が創出されないのか、株価が低迷しているのか、という問題は、最高経営責任者・最高執行役である鈴木洋氏の経営者としての能力の不在や、ペンタックス買収の失敗、過去11年間で一つの新規事業プロジェクトが収益に結びついていないことなどが重要な要因ですが、より根源的には当社の抱える「企業統治の偽装」という問題と密接に関わっていると考えます。すなわち最高執行役がR&Dプロジェクトの創出に関わる意思決定や企業の買収や売却の決定などにおいて、きちんと訓練を受けた職業的ビジネスパーソンならば首をかしげたくなる判断をしても、鈴木洋氏の問題ある意思決定について、やめさせたりする監視機能が全く果たされていないという問題があります。提案者としては、現在の当社の取締役会と指名委員会等が株主価値を最大化させるようにまったく機能していないので、指名委員会と現取締役会から独立した社外取締役候補者を1名ないしは2名を取締役に選任することが、取締役会の監視・監督機能、しいては株主利益に帰すると考えます。

 基本的に2000年以降、あるいは2003年以降に日経平均を下回るような株価の推移を生み出しているのは、新規事業を創出するR&D部門において脈略もない経営方針が10年以上も延々と続けられ、資本の無駄遣いは行われているにも関わらず、社外取締役が提案者からの指摘にも耳を貸さず、まさにこの問題に関心を持たず、介入も行わないということが最も大きいと考えます。もちろんその他の技術経営の問題点、例えばペンタックス買収の失敗やメディア事業の売却等、長期的な株主利益に反するような経営判断がとられることも、株価低迷とは無縁ではありませんし、以上のような問題あるM&A等を執行役、特に鈴木洋最高執行役らが行おうとしても、当社においては、社外取締役や、浜田宏氏、江間賢二氏らが取締役会で異議を唱えることはありませんし、社外取締役らがそういった意思決定に歯止めをかけることもありません。取締役会が機能不全を起こしているといわざるを得ないのであります。さらにとんでもないことに、平成22年6月の株主総会に関する株主総会決議取消訴訟が平成22年9月にはすでに東京地方裁判所に提起されていますが、この訴訟提起の経緯となった株主総会事務局の対応は上場企業として論外だといわざるを得ないのですが、当社は投資家の判断に重大な影響を与えることが確実な本件訴訟発生の事実を一切開示しないという暴挙を行っていますし、提案者が2月に最高技術責任者であった元取締役・前執行役に対する訴訟提起請求の書面の中で、監査委員会に通告しているにもかかわらず、いまだに監査委員会は提案者に対して何の通知も行わずに、そのままになっています。通常、昨今の上場企業の情報開示強化の流れでは、株主総会に関する決議取消訴訟を提起されれば、すぐに適時開示するのが当たり前ですし、他の上場企業、例えば立飛企業が投資家から同様の訴訟提起を受けた時にはすぐに開示しています。また株主提案を受けた場合も同様であり、例えばシャルレでも、すぐに開示を行っています。これら事実関係を鑑みるに、執行役が上場企業を預かる社会的責任感や、法令遵守の意識に乏しいことを表していますし、さらには監査委員会委員の取締役が執行役の不正行為をチェックすることを放棄しているといえると思います。「形を作れども魂入れず」のガバナンス体制を放置していると、企業価値の毀損が継続的に続いて株主価値に重大な影響が発生すると考えています。

 資本市場からの評価が低くなっている理由については、①現在の主力事業の将来性が明るくない、成長性が低く、長期的に減益の可能性すら強い、②新規事業の創出実績がなく、その見通しもない、という2点に集約されることを、提案者は3年前にすでに主張しています(http://www5.atpages.jp/ymnk/top.html を参考)。まず認識として重要な点ですが、当社が資本効率の高い事業を創出することに成功したのは、80年代後半までの研究と事業開発の成果であり、90年代半ば以降は新規事業の創出に全く成功していません。メガネレンズ、ガラス磁気ディスク基板、フォトマスク、マスクブランクス、メガネレンズ、眼内レンズ、コンタクトレンズ小売などの事業はすべて80年代末までの研究開発と事業開発の成果であり、これら80年代末までに開発されたガラス研磨技術等の差別性のある技術に基づいた事業は、参入障壁が高いために、極めて高い資本効率を達成することができました。まさに高い資本効率を達成することができたのは、80年代末までの事業開発の成果であり、「社外取締役が過半数の先進的な企業統治」などはこの高い資本効率の達成とは無関係です。一方で、90年代終わりから2000年代前半までは、既存事業は収益ベースでは成長していたものの、特にガラス磁気ディスク基板の事業は、代替品であるフラッシュ・メモリーが記録媒体として台頭してくることが中長期的には予想できていたことなどから、新規事業の創出が急務であったわけですが、2000年代の取締役は、これら経営課題に対して、何ら手を打てず無能であったわけです(しかも新規事業を創出せずとも、固定の社外取締役報酬を受け取れるので、社外取締役には、この問題に介入するインセンティブを持っていませんでした)。

 このような観点から、提案者はすでに丹治宏彰元取締役、前執行役に対する損害賠償訴訟を起こすことを監査委員会に提起しています。またメディア事業の売却による垂直磁気方式技術の放棄などに伴いガラス磁気ディスク基板事業の優位性は、コスト競争だけとなり、数年以内にコニカミノルタなどの同業他社が同水準の製造コストによる供給能力を持つ見込みであり、当社の主力事業の将来性は誠に暗いといわざるを得ません。また実際のところ、米国法人の責任者であった鈴木洋氏は、90年代後半に自らの主導したすべてのベンチャー投資を実質的に破産、失敗させましたし、実際には何ら新規事業の創出に実績を持っていないにも関わらず、このような能力しか所有していない人物の経営判断に、他の執行役や社外取締役が何ら取締役としての忠実義務や善管注意義務を果たさないということが問題なのです。これら経営に関する問題について、取締役らに再三通告しているにもかかわらず、いまだに何ら問題が改善されておらず、この一点だけ見ても担当執行役だけでなく、すべての取締役に善管注意義務違反、忠実義務違反があると考えています。特に社外取締役らは、「仲良しクラブ」に堕落しており、ダメな日本の資本市場を象徴するような存在に堕ちています。またフォトマスク事業の競争環境も急速に悪化していますし、余剰資金の再投資先が明らかに経営上の課題とされた2000年代以降に経営陣による成果が全くないことも、株価に反映されているというべきでしょう。

 なお鈴木洋氏が判断したでたらめなベンチャー投資が破産しても、財務諸表等では「軽微な影響」などと開示されますが、そういった経営判断の積み重ねが株主価値の毀損を招くのであり、長期的な株式保有を考える投資家に対しては、提案者は特にこの点を警告しておきたいと思います。(続く)