2009年12月7日月曜日

司法制度改革と記者クラブの解放を遅らせる鳩山献金問題の罪

私は民主党が300議席を越える大勝となるという結果が見えるはるか前の2008年の10月から、「私が民主党(日本)と小沢一郎氏を支持する理由(1):小沢一郎流の国連中心主義とは何か」(2008年10月20日)の投稿以来、はっきりと民主党を中心とする(当時の)野党が政権をとる方が、(当時の)自公政権よりもよいという立場に立って、はっきりと意見を述べてきました。そういった個人的な経験からも、8月30日の総選挙の結果から現在に至るまでの間に残念なのは、おそらく改革の本丸であるはずの①司法制度改革と、②(記者クラブの解放を主とする)メディア改革が、ほとんど実現されていないことです。

小学校の教科書にあるように、権力は腐敗するので、三権が相互にチェックすることが重要なのです。特に日本は議院内閣制で、立法府が内閣を指名するので、司法と第四の権力たるマスメディアが非常に重要なの話で、勿論様々な個別の政策内容も重要だけれども、これらの改革は本丸と言えるようなものなのです。 逆にいえば、ほかの政策は何もやらなくてよい、以上の2つをやれさえすれば、それだけで画期的で歴史に名が残るのです。

最高裁の権限というのは実は極めて大きく、一票の格差が放置されていることで利権談合共産主義がゾンビ的に残存しているのも、サラ金の過払いの返還が義務付けられて消費者金融のビジネス・モデルが吹っ飛んだのも、代わりに過払い請求の代理人弁護士のスポットCMが流れるようになったのも、最高裁の力です。60代の特定の職業的バックグランドを持っている人だけが、最高裁判事になっているのは、実は大きな問題なのです。 最高裁判事15名のうち、弁護士や裁判官、検事、官界などに枠が決まっているのはそもそもおかしな話です。NGOなどの非政府セクターなどからも、最高裁判事を登用すべきだし、年齢的にも30代や40代の最高裁判事がいてもいいはずです。

アメリカの最高裁判事の構成(ここを参照)を見ていただければ分りますが、9人中3人は50代の年齢です(平均年齢は67歳だが、基本的に終身なのでより高齢の方がいるのです)。Clarence Thomas判事は43歳の時の任用(パパブッシュ政権の時)です。日本の最高裁判事の年齢上の構成の問題点が分ります。

検察庁という強大な権力をもつ機関に民主主義的なチェックがまったく効いていないという点に、多くの国民が懸念を持っているのは、この段階では明らかです。

ところが昨今の政治情勢のため、司法制度の変更も鳩山政権下では難しそうだし、記者クラブも公然と公約違反をしていても平然としています(詳しくは、例えば上杉隆氏の著書や、宮台真司氏の「民主党の重大な「公約破り」はじまる 許すまじ!」を参照)。記者クラブは日本の恥ですし、記者クラブに雑誌記者入れるけど、フリーランスは入れないとかいう、平野博文官房長官の政治的発想は古いですね。これでは何のために政権交代があったの?、という世論に少しずつなっていってもおかしくないでしょう。 というか、民主党の議員さんには忠告したいのですが、もうなりはじめていますよ。 「騙されて投票したけど、何も変わらないじゃないか」とね。

私の改革案は、田中康夫官房長官案ですが、それはいずれ詳細を述べます。私は最終的には小沢一郎という政治家はやると思いますよ。ただ今の内閣の現状は残念ですね。

2009年11月28日土曜日

社外取締役が諸悪の根源(3)

ですから、民主党の公開会社法の立法過程をみんなきちんと見守りましょう。
何度も言いますが、社外取締役がいれば株主を向いた経営が行われるようになるというのは迷信です。経営側が自分たちの言うことを聞く人物を社外取締役に選び、社外取締役は自分たちの生活をその報酬に依存するようになったら、どうなるか、ということは、大学生でも分るレベルです。

HOYA株式会社についていえば、一つの問題は、社外取締役の年齢構成が高すぎることです。少なくとも70歳定年をめどにした定款変更をめどにして、同時に外国人の社外取締役や、年齢的にも40代、30代の社外取締役を入れていくようにしたいと思います。 見解の多様性こそが、民主主義の重要な一側面ですし、仲良しクラブ取締役会は早期に廃止に追い込みます。

30代や40代の若い世代にとって、年金の運用先である日本の資本市場の機能は大変重要なものなのです。天下り、渡り官僚の永年ポジションにするべきではありません。老齢の椎名武雄、茂木友三郎、児玉幸治の3名の社外(害?)取締役は、2010年を持って自主的に退任するべきですし、そういう要望を大手の機関投資家様とも協力して、しかるべき所へ提出していこうと思います。受託者責任を持つはずの取締役として、ペンタックス買収に異議を唱えなかった茂木友三郎氏に、行政刷新会議で委員を務める資格があるのか、と今後主張していきます。

2009年11月16日月曜日

社外取締役の機能不全について:社外取締役を導入すればガバナンスがよくなるとかいうのは迷信

標題に関して、もう一度、三輪芳郎先生の論文(?)を読んでいただきたく思います。 社外取締役を導入すれば、ガバナンスが良くなって株主を向いた経営が行われるようになるとかいうのは、迷信か池田教レベルですよ。選ばれるのは経営側の友達なのだから、その分の給料だけ無駄なコストです。事業仕分けの対象にすべきです。
私は自らのファミリーでの経験から、これを声を大にして叫びたく存じます。 民主党の政策インデックスに、新公開会社法の制定というのがありますが、少々心配なテーマであります。

http://www.e.u-tokyo.ac.jp/~miwa/Manga5-3401.pdf
R:証拠はないのですか・・・?アメリカで、外部取締役の選任、取締役会でのその比重の増大が長期間にわたっていささか極端な状況にまで進行して驚いているんです。大多数の取締役、つまりパートタイマーですよね、そういう人たちが大部分の取締役会でまともな経営ができるのかとか、結局、イエスマンが多くなってタダでさえ強力な会長や社長の発言力がますます強くなるんじゃないかと、ちょっと不思議に思っているんです。そのアメリカでも、外部取締役の比重の増大が株主の利益に合致することを示す確たる証拠はないんですか?

Z:ありませんね。「根拠はなんだ」と改めて問う人たち、lawyersとかeconomistsですが、そういう人たちのあいだでは 確たる証拠は示されていない、という点について合意があります。逆に、株主のためにならないことを示す証拠が提出されているんです・・・。

N:熱病か宗教みたいな熱狂的雰囲気が支配的だから、そんな反証にほとんど誰も関心を示さない。

以下のような株主提案を株主は検討するべきです。
議案:取締役の再任制限
「社外取締役の再任回数を連続10回に制限する」という条項を、定款に記載する。
【議案の要領】
取締役には再任回数の制限を設けるべきである。なぜならば14年間も同じ会社の取締役にいる人物が、いわいる世間一般で言うような独立性の要件を満たしているとは言えないからである。当社においても、その結果として、株主価値の増加にほとんど関心のない、仲良しクラブ的な取締役会がある。
率直に言って提案者にとって、取締役の再任回数を制限するのは当たり前の話である。例えば、以下の教科書の練習問題(Kaplan Schweser, Schweser Notes 2009 CFA Exam Level1 Book4 Corporate Finance, Portfolio Management, and Equity Investments pp.98-100)を見ていただきたい。翻訳は提案者による。

以下の項目のうち、取締役会メンバーの適格性を判断する上で、もっともネガティブな要素として判断されるのはどれか。社外取締役が

(A)すでに10年にわたって取締役を務めている。
(B)ほかの取締役会のメンバーにもなっている。
(C)他の会社の以前のCEOである。

答えは、(A)。
経験は良いことかもしれないが、長い役員再任期間を経た取締役は、独立なメンバーとみなされるには、経営陣と近すぎる関係を築いている可能性が高い。

派遣社員が数百万円の年収で生活し、老後の生活の糧にと投資を行った個人投資家が多大なキャピタルロスを被っている中で、月一回の出勤で派遣社員の何倍もの報酬を得ている社外取締役諸氏は、猛烈に反省するべきであるが、このような感覚も、同一の人物が社外取締役に10年以上ついていると、本来負うべき受託者責任も忘れて、株主の犠牲のもとで、経営者と仲良しクラブ的な雰囲気を作ってしまうわけである。なお椎名武雄氏が過去14年間で当社から得た報酬の総額は、推定で1億4千万円である。よって取締役の任期は10年以内とし、10回以上の再任は認めないことには、株主利益上合理性があると言える。

2009年11月10日火曜日

オバマの演説をはじめて聞いた2004年の民主党大会の思い出

オバマ大統領の演説をはじめて聞いたのは、2004年のボストンでの民主党大会で、ジョン・ケリー氏を民主党の大統領候補に指名する時でした。

当時、「なんてすごい政治家が地方政界にもいるものだ」と思ったが、その4年後には大統領になっていた。

そのわくわくした感覚を、日本の政界でも、特に同世代のリーダーが出現するのを見てみたいというのが私の率直な気持ちです。ボストン・レッドソックスの主砲のDavid Ortizが、全盛期に打席に入るときの雰囲気のようなものです。

2009年11月9日月曜日

アメリカの取締役会をよく見てみよう(1):エクソンでは3社より多い兼任社外取締役はなし

日本の個人株主と機関投資家関連の皆さん、エクソンの取締役会を見てみましょう。10人の取締役がおり、9人が社外取締役ですが、彼らについては、社外取締役の兼任数はエクソンを加えて3社が最大で、それでも珍しい例です。

Exxon Mobil Corporation Board of Directors
http://www.exxonmobil.com/Corporate/investor_governance_directors.aspx

80歳の椎名武雄氏の4社兼任(HOYA、商船三井、明治製菓、メルシャン)というのは多すぎるし、74歳の茂木友三郎氏もいまだにキッコーマンのCEOを兼任しながら、しかも政府の重要な委員(行政刷新会議)をやるのならば、それの専任にして、ほかの仕事は辞任すべきです。取締役や経営者としての善管注意義務や、民間企業と政府委員であることとの間の利益相反の問題もある。椎名氏や茂木氏らは、ペンタックスの買収の件だって、損失を発生させることが確定的な案件をストップさせずに、経営陣のいいなりで仲良しクラブぶりを露呈させた。自分が取締役をやっている会社の経営陣の巨額無駄遣いを放置しておいて、行政の無駄遣いをどうこう論じる資格があるのと率直に思います。

委員会設置会社のガバナンスが優れているというのはうそです。株価の推移をよく見てみましょう。仲良しクラブは、いい加減、もうやめましょう。

無駄遣いを社外取締役の兼任数制限の商法改正のロビー活動や、会社の定款改正の提案も、今後視野に入れるべきでしょう。お願いですので、もっと若い人に、未来を託してください。

励ましの電子メールを多数いただきありがとうございます。すべての方に直接お答えできませんけれども、すべて拝読させていただいています。これからも、みんなで頑張りましょう。

2009年10月23日金曜日

累積投票(cumulative voting)を禁じる会社定款の規定

株主提案などで取締役候補選出の議案が提出された場合にありうる論点として、累積投票(cumulative voting)の是非があります(リンクの英文ウィキペディア記事を参照)。
新会社法の第三百四十二条(累積投票による取締役の選任)を参照してください。

累積投票というのは、各人に1票より多い票を割り当てる投票制度のことです。日本のもし20票が割り当てられると、20票を一人または複数の候補者に投票することができます。例えば小沢一郎に15票、田中康夫に5票とか。 例えば20人の取締役の因数が決まっているとすると、5%の株主が1株20票をすべて集中的に候補者1名に集中させた場合、確実に取締役に代表者を送り込むことができるのです。

累積投票を認めていると、創業家などの少数株主の特殊利害が反映されるので、コーポレート・ガバナンスの観点からよくない注意事項と教科書に書いてありました。日本の古典的な見解では、役員同士の対立を引き起こすのでよくないというのが、その一つの類似した見解です。

一方で、株主民主主義も少数意見を一定レベル尊重するべきなので、少数株主の利害代表者を取締役会に送り込むことに、一定の合理性があるようにも考えられます。 累積投票制度がないと、51%の株主による取締役候補案はすべて可決されて、49%の取締役候補者案はすべて否決されるということになりますので、アンフェアに見えるわけです。少数者の意見を株主総会に反映させることは、議論や議決において、多様性確保という意味での民主主義の理屈、そして株主利益上も、重要なのではないかと思うわけです。取締役間に対立があっても、少なくとも70代以上の元経営者が社外取締役の過半数を占めるという時点で仲良しクラブ化して、ペンタックス買収とかの巨額無駄使いを容認している会よりは、はるかにまともでしょう。 というか複数の取締役間である程度の意見の対立があるのは、むしろ健全なのです。それが民主主義でしょ、ということです。

ちなみに累積投票での役員の選出は、日本の会社法では容認されていますが、多くの上場企業、例えばHOYA株式会社の定款では、累積投票での役員の選出を禁じています。私どもの運動では、次期株主総会での累積投票禁止部分の定款変更の株主提案も視野に入れています。 株主利益を尊重するはずの社外取締役を官僚出身者の天下りや渡りの対象にすることは、断じて許せません。 茂木友三郎さんのような重要な政府委員を務められている方は、そちらに専念すべきでしょう。 そんな片手間にできることでは無いんだよ、ふざけんな。

CFA協会の刊行物によれば、累積投票があることは、基本的には推奨ということだそうです(「上場企業のコーポレートガバナンス 投資家のためのマニュアル」を参照してください)。以下は7ページ目の記載です。

*累積投票 株主は、一名もしくは一部の取締役会候補者に対し、自己の株式に割当てられた議決権数を累積的に投票することができるかどうかを確認しなければなりません(「累積投票」)。

ちなみに、全米の代表的な機関投資家であるカルパースのガバナンス原則についても、以下の文著を参考について下さい。
http://www.calpers-governance.org/docs-sof/marketinitiatives/japanese-global-principles.pdf
累積投票については、「6 株主権利」(20頁)のところで触れられています。勿論、導入を推奨しています。 累積投票については、日本ではマスコミや学会、実務会でも、論点に一般的にはなっていませんが、これが国際的な潮流のように思えます。

ただ機関投資家や学者の間でもある程度の意見の相違があるようなので、累積投票の是非について、より詳しい方、どなたかご教示いただきたいのですが。いずれにせよ、累積投票の実現は、日本の資本市場における蟻の一穴になる可能性ありです。

参照(株主提案の書面の例)
提案1:累積投票を排除する定款規定を削除する。
提案理由:取締役会の仲良しクラブ化によるペンタックス買収の承認とその後の散々な結果により、当社の取締役会には株主価値最大化に照らしての欠陥が明らかになった。従来から経営陣は「株主価値の最大化」や「新規事業は重要」などと言っていたが、ここ10年で実効性のある企業価値の増加が未達成であることは、株価の推移からも明らかである。過去のベンチャー投資はすべて失敗しているし、いまだに何の実績もない丹治宏彰氏が執行役に就いているなど、様々なでたらめが長年放置されている。累積投票制度はこういった欠陥を是正し、少数株主からの代表を取締役会に送り込む可能性を高め、取締役会の多様な意見の確保を行うのに適している。昭和49年の商法改正時と当時では状況が変わっている。コロンビア大学のゴードン教授や、CFA協会、米国最大の年金基金であるカルパースも、株主が自らの意見を反映させる可能性が高められるとして同制度を推奨している。

2009年10月19日月曜日

委員会設置会社のガバナンスがいいというのはうそではないか

日本の上場企業において、委員会設置会社のガバナンスがいいという宣伝がされてきたことがありますが、どうやらそれはうそのようです。

これからすこし研究してみます。

2009年10月9日金曜日

誰もまだ言っていない提案:財務及び金融担当大臣に明神茂氏を

国際金融界に通用する日本人として、明神茂氏がいます。46歳でソロモン・ブラザーズの副会長にまでなった人です。1949年生まれだから、まだおそらく約60歳です。

この意見はまだ誰も言っていないと思いますが、明神氏が財務及び金融担当大臣になったとしたら、ポールソン前財務長官とかルービン元財務長官とかと並べて、けっして遜色ありません。さらに副長官に清滝信宏氏(プリンストン大学教授)か伊藤隆敏氏(元ミネソタ大学準教授、東京大学教授)をとかを、論理面も強化するために、リクルートして担当させればよいでしょう。

分っていない人間が政治をやってきたのが問題なのです。ぜひ分っている人間に権限を与えられる政治システムに担当にしましょう。

2009年9月23日水曜日

売り家と唐様で書く3代目:鈴木洋氏に見るもうわかっていること

幾人かの人にコメントを求められた以下のロイターの記事ですが。 江戸時代の川柳の偉大さを、再確認するものといえます。何でマスコミはすでに分り切ったことを書かないのか。この国のマスコミは、銀行や警察や検察と同じように、何の信用ができないものだとと再確認できます。

http://jp.reuters.com/article/companyNews/idJPnTK029245320090818
インタビュー: HOYA<7741.t>のペンタックス部門は今期黒字化へ、デジカメ事業は他社との連携を模索=CEO 
2009年 08月 18日 18:25 JST
[東京 18日 ロイター] HOYA(7741.T: 株価, ニュース, レポート)の鈴木洋最高経営責任者(CEO)は18日、ロイターのインタビューで、グループ収益の足を引っ張っているペンタックス部門について2010年3月期に営業損益が黒字化するとの見通しを示した。特に赤字が深刻なデジタルカメラ事業も今期は収益が大幅に改善する見込み。ただ、デジカメ事業は単独での生き残りは難しいとして、他社との連携を模索していく考えを示した。  医療用の内視鏡とデジカメで構成されるペンタックス部門は09年

すでに私が数年前に主張したように、ペンタックスは何で買収したのか不明ですね、買収価格的にも非合理ですし。もちろんこの買収が、HOYA株式会社の株主に対して多大な損害を与えたことはまちがいのないことです。買収金額はいくらかわかっているのですか、負債額を入れると、約1500億円うです。その額で自社株買いすれば、どれだけの株数を償却できるでしょうか?

HOYAの経営優位性のある事業領域は、ガラス研磨技術を核とした無機化学系の材料科学と、眼科です。なぜにカメラ事業などがポートフォリオに入ってくるのか不明ですし、「集中と選択」の反対のことをしているわけですから、資本市場からの評価は当然低くなります。

もっとも、ペンタックス部門が黒字化すればよいのではなく、潜在的な会社の成長力を上げる目標のためには、数百億円の利益をあげる事業部を創出できるかという点が成功したかどうかの基準になるのですが。なお社外取締役の児玉幸治氏は、「ペンタックスの従業員の過半が合併に賛成」ということを根拠に、合併に取締役として賛成したと、私に明言しました。この社外取締役は、年間報酬を推定1000万円を取っています。

鈴木洋氏には、投資とかM&Aとかで企業価値を創出するのは無理です。実績がないですから。90年代後半のアメリカ現地法人時代も、すべての投資案件を破産させています。一回も成功したことがありません。そのことを、奥津宏道氏(奥津小一郎元専務の実子)などもはっきり馬鹿にしていました。別の社員は、鈴木洋氏がアメリカで卒業したとされる学校が三流であるとして、無能を明言していました。現地社員から上層部がはっきり馬鹿扱い受けているような職場環境で、技術者がまじめに想像力を働かせて、R&Dをやる気になるでしょうか。姉ちゃんの金田龍子氏が経営するほうが、まだましです。生まれ育った東京から遠く離れた秋田県能代の田舎を旦那と一緒に歩きまわったのならば、まだ根性があるというべきでしょう。洋氏には、お願いですから、次回の株主総会まで、何もしないでいただきたいと思います。 ただ奥津氏に言っておきたいのは、このような無能を取締役に選任している時点で、奥津小一郎氏も、あるいは浜田宏氏も、株主に対する背任、善管注意義務違反の批判を免れないということです。

丹治宏彰なる無能な人物が、いまだに企画担当執行役とかいう役職に就いていること自体が、良識疑わしいですね(取締役は2009年6月に退任)。率直に言って、この人物ほど、株主価値を破壊して平然としている上場企業の取締役というのを、私は見たことがないです。この人物は、M&Aとか事業開発とかに、全く実績も才能もありませんし、むしろそういったことによる企業価値の創出と正反対のことをして、平然としている人格破綻者です。詳しくは、「平成21年度HOYA株式会社の株主総会における提案内容について」、及び「丹治宏彰氏の実質的な解任に関して、HOYA株式会社の株主総会事務局から書類が送られてきた」を参照にしてください。

江戸時代の川柳(「売り家と唐様で書く三代目」)の偉大さが、改めてわかりますが、馬鹿三代目を容認している「社害役員」こと社外役員の諸氏にはまず、早期に辞任してもらいましょう。本人が辞めたいと言っているのだから、辞めさせてあげればいいではないか。何でCEOの母親の言うことばかり聞くんだ。

2009年9月19日土曜日

平野博文Webサイト「市民のご意見箱」へのメッセージ:平野博文官房長官、あんたはせこいんだよ。そんな態度で国民が黙っていると思うなよ。

平野博文官房長官(大阪11区)の事務所宛て「市民のご意見箱」に、皆さんも抗議のメールを送りましょう。
平野博文官房長官の公式ホームページ 市民ご意見箱
https://www.hhirano.jp/opinion/

以下、私のメッセージに対する、平野事務所の自動返信です。

平野博文Webサイト「市民のご意見箱」へメッセージをいただき誠にありがとうございました。
下記の内容にてご意見を承りしました。
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[タイトル] 記者クラブ解放公約の重大な違反について
[氏  名] 山中裕
[ふりがな] やまなかゆたか
[E-mail] yy2248@columbia.edu
[居住地] その他
[メッセージ] 私は小沢一郎氏の長年の支持者です。
民主党の公約であった記者クラブの解放について、重大な違反が行われました。平野博文氏の意思が大きく働いていると言われています。
こんなことがまかり通るのであれば、次の選挙で民主党は必ずしっぺ返しを受けますし、日本の歴史において、必ず大きな汚点になります。
そのことをきちんと把握したうえで、必ず記者クラブの解放の公約を果たしていただきたい。そうでなくてはどうなるか、よく考えてください。
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いただきました貴重なご意見を参考にさせていただき、政治に取り組んでまいりますので、今後ともご支援宜しくお願い申し上げます。
なお、上記内容は自動配信設定となっており、本メールアドレスへご返信いただきましても当該事務局にて受け取ることは出来ません。予め、ご了承下さい。また、お寄せいただきましたご意見・メッセージに対してはお返事を約束するものではないことをご了承ください。
平野博文事務所の個人情報に対する厳格なポリシーに基づいて配信されています。詳しくはこちら( http://www.hhirano.jp/privacy )から「個人情報の取扱いについて」をご参照ください。
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平野博文事務所(枚方)〒573-0027 大阪府枚方市大垣内町2-7-16 小北ビル2F
TEL:072-841-2501 FAX:072-844‐6502
http://www.hhirano.jp/
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2009年8月31日月曜日

2009年8月30日は、あくまで単なる一里塚

すでに皆さんご承知のように、民主党を中心とする野党が、衆議院選挙で300議席以上を獲得する大差で勝利し、麻生太郎首相の退陣が決定的な状況になりました。私が皆さんにお伝えしたいのは、まとめると以下のことです。

民主党を中心とする政権ができたとして、政権交代が自己目的してしまったら何の意味もありません。民主党が今まで法案提出したり、インデックスに入っている内容、たとえば、霞ヶ関官僚の天下りの全面禁止、刑事プロセスにおける取調べの可視化や代用監獄の廃止、選択的夫婦別姓、NPO税制などをとって、果たして本当にこれらの政策(日本の今まで100年以上の国と社会の形の変更を本質的に迫るもの)を、順番でもいいので4年間で実現していくか、きちんと監視していくことです。

日本は諸先進国の中で、いくつかの点で、大きく遅れています。はたして、日本社会が、国際的に名誉ある地位を築くことができるか、です。

2009年6月21日日曜日

植草一秀氏のブログが面白く、役に立つ

私は最近、植草一秀氏(元野村総合研究所エコノミスト:東京大学経済学部を1983年3月に卒業)のブログを、良く見ています。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/

私は、学生時代に、植草氏の著書を参考にして、プレゼンしたこともありますし、日本社会としても、植草氏のような人材を活用で来ていないのは、きわめて惜しいと思います。また村上世彰氏(通称村上ファンド代表)と、駒場時代(東京大学教養学部)のクラスが一緒だったことも、知られています。

確かに植草氏の政治的な立場(例えば今は民主党支持である点)と、私の政治的な信条が近いということはあります。ただし一つ一つの分析には、私が気づかなかったことを指摘していると思えることがよくあります。 もしよろしければ、植草氏のブログ『知られざる真実』を、定期的に、ご覧下さい。

それとは別に、極めて面白いのは、以前の小沢一郎氏(当時自由党党首)との対談ですね。以下は対談の中の、有名なくだりです(なお上のブログ内にもリンクあり)。
「小沢一郎&植草一秀」ビック対談 (夕刊フジ 2001年12月26日)
http://www.ozawa-ichiro.jp/massmedia/2001/02.htm

植草:そもそも、首相は自民党総裁選の前日に意見の対立する亀井(静香・前政調会長)さんと政策合意を結んで総裁になった。それなのに、議会の多数派が「悪」で内閣が「善」という構図になっている。いわば、かよわい女性に暴漢が襲ってきたところ、白馬に乗った騎士が現われてやっつける劇のようなもの。観客は拍手喝采だが、実は裏で騎士が暴漢に女性を襲うように頼んでいる。テーブルの下で手を握って「道路は作らせるから、民営化という『名』の部分は俺にくれ」と密約している。

小沢:うまいこと言うね。首相は対立する状況をパフォーマンスで作り出して政権を運営している。あれほど派閥支配、経世会支配を批判しておきながら、すべて節目節目では彼らと手を握っている。自民党的政治は小泉首相のもとで何も変わっていないどころか、余計にひどくなっている。それなのに日本人は合理的に考えて決断をすることをしないから、ひとたび、経済の大混乱が起きた場合には、単なる経済問題というばかりでなく、日本人の精神の混乱、破壊に及ぶのではと非常に心配している。

いずれにしても、日本社会は、優秀な人間を上手く活用するメカニズムが欠けているように思われるわけです。もったいないですね。

2009年5月31日日曜日

丹治宏彰氏の実質的な解任に関して、HOYA株式会社の株主総会事務局から書類が送られてきた

 先日、以下のような書面が、配達証明で送られてきました。丹治宏彰氏の解任(本総会で再任しないこと)については、基本的には私の主張していたことが実現していたわけであり、実質的な勝利と言えるといえます。丹治氏の解任という私の提案を丸呑みしてでも、私の提案理由を会社法上の株主提案の招集通知に記載したくないのであれば、それ自体は了としましょう。関連記事として、2009年4月14日の「平成21年度HOYA株式会社の株主総会における提案内容について」をご覧ください。もし丹治宏彰氏が今後も、当業務に関わるのであれば、それはそのような状況を容認しているすべての取締役による、株主に対する背任行為とみなせると思います。今後も監視していくことが必要です。 なおこの点については、HOYA株式会社のIR・広報部の伊藤直司氏と山本弘子氏と5月25日午後4時半から緊急でミーティングを行い、経営陣に強く要求しました。

 今後はさらなる株主提案の提起や、丹治宏彰氏や「社害」取締役などを被告とする株主代表訴訟などの手段を用いて、まちがった方向に向かってしまった会社経営をなるべく健全な方向へ戻していけるよう、微力ながらも奮闘していきたく考えています。従業員とそのご家族の皆様、株主様におかれましては、ぜひともご期待いただけるとありがたく考えています。なお期限の関係で第71回定時株主総会には間に合わないのですが、第72回定時株主総会において、私自身の社外取締役への立候補(私を社外取締役とする議案の提出)、そのほかより適切な社外取締役候補の推薦を行うことを決定しました。私が推薦するHOYA株式会社の社外取締役候補についても、公募したいと思いますので、適当な方がいらっしゃったら、ぜひご連絡いただけるとありがたく考えています。

私と一緒に、少しでも明るい日本経済を作って行きましょう。今後とも宜しくお願いします。

                                 2009年5月22日
東京都練馬区石神井台*********
株主 山中裕様  
                                 HOYA株式会社 
                                 株主総会事務局

拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

 早速でございますが、弊社宛に2009年3月および4月に山中様から届きました「株主提案」と題するご通知につきまして、ご連絡申し上げます。

 まず、丹治宏彰取締役に関しまして、2009年6月16日開催予定の弊社第71期定時株主総会(以下「本総会」といいます。)にて解任に関するご提案を頂戴しておりますが、本件につきましては、すでに決算短信によりリリースし、一部新聞等でも報道されておりますとおり、丹治宏彰取締役は本総会をもって任期満了により退任し、本総会において取締役としての選任をお願いする予定もございません。
 また「材料科学と眼科の領域でそれぞれ別に役員2名を選任し、各分野での新規事業の創出や買収での企業価値の創出を担当させる旨」のご提案を頂戴しておりますが、ご提案の中では取締役候補者としての具体的氏名等が挙げられておりません。
 したがいまして、両ご提案ともに、会社法上の株主提案として招集通知に掲載せず、また本総会におきまして議案として付記しないことをご通知申し上げます。
 この度のご提案につきましては、株主様からの貴重なご意見として参考にさせていただきたく存じます。引き続きご理解、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。                                                
                                        敬具 

 なお「JR遺族らが株主総会で社長解任要求」(2009.5.30)などの記事にあるように、株主は株主総会に議案を提出する権利を持っているし、その権利の行使がより普通に行われるようになってきています。財界人の互助会的な社外取締役制度は、即効廃止せよと言いたいものです。 このことについて、コラムニストの勝谷誠彦氏は、「社外取締役の二人に関しては、それぞれの企業の株主総会で追及があってもいい。<解任を要求される社外取締役は、平成17年4月の事故以前から就任している立石義雄・オムロン会長と野村明雄・大阪ガス会長。>本来、相互監視の機能が働くはずの社外取締役が、財界クラブの互助組織のようになっている現状がここにある。オムロンと大阪ガスの株主の方々におかれては、自らの企業の恥を外にさらしているわけで、株価を毀損する要因でもある」(勝谷誠彦の××な日々:2009年5月31日号)と述べています。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/090530/dst0905302338012-n1.htm
 JR福知山線脱線事故の遺族が、6月に開かれるJR西日本の定時株主総会で、山崎正夫社長と社外取締役2人の解任を要求する議案を提出することが30日、分かった。
 提案理由は「脱線事故などで、山崎社長は安全を確保する義務を怠り、社外取締役2人は取締役会の監視義務を怠った」としている。 遺族は事故で長女を亡くした藤崎光子さん(69)=大阪市城東区。これまでにも役員の解任要求を出している個人株主約100人とともに提出するもので、「社外取締役の2人は事故が起きても辞職していないし、山崎社長は会社のトップとして責任をとる必要があると思ったので、初めて議案提案に加わった」と話している。
 解任を要求される社外取締役は、平成17年4月の事故以前から就任している立石義雄・オムロン会長と野村明雄・大阪ガス会長。 JR西広報部は「個々の株主に関することなので、コメントは差し控えたい」としている。 議案は6月23日の株主総会で採決される。

 すでに三洋電機の旧経営陣と監査役に対する株主代表訴訟が、報じられています。取締役になるということは、それなりに責任の重いことですので、今後は日本社会でも、このような動きが盛んになると思われます。 (以下引用、共同通信 2009/05/18)
http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009051801000512.html
 三洋電機が過去の決算で不正な会計処理をしていた問題で、西日本在住の 株主が創業家の井植敏元会長ら旧経営陣らに計約278億円の損害賠償を 求める株主代表訴訟を18日、大阪地裁に起こした。  訴状によると、同社は誤った会計処理で関連会社の株式評価損を実際より 少なく計上し、これに基づき2002年9月期-04年9月期に計約278億円を 配当。07年12月に決算を訂正したところ、実際は配当可能な利益がなかった ことが分かった。  株主は「取締役会が違法な配当を決議し、監査役も防止するための措置を 取らなかった」と主張している。  
 株主は昨年12月、三洋電機に賠償請求を求める文書を送付。だがことし 2月「旧経営陣らに退職慰労金を支給しない、などの対応策をすでに取った」と 拒否されたため、代表訴訟に踏み切った。

 最後に、日本経済において、社外取締役が経営陣の言いなりになっていること、その結果として株主の利益が大きく損なわれていることについては、私の「2009年元旦に思う、日本社会の問題点」(2009年1月4日)の記事で、「今の日本社会の問題は、①コーポレート・ガバナンスの不整備(投資家から見た取締役会の機能が国際的にまるで信用されていない)と経営者の株主価値を増加させるという意味から見た相対的な無能力、②政治家の相対的な能力の低さ、③大学の研究や教育の生産性という意味での競争力のなさ、④マスメディアの程度の相対的な低さ、に集約される」と述べました。まさに日本においては、コーポレートガバナンスが大問題なのですが、だからといって投票は多数決の民主主義なので、株主総会でもみんなが無能な経営陣に対して反対の一票を投じれば、現状を変えることができるのですよ。実際に次期衆議院選挙でも、過半数の有権者が、小選挙区で民主党の候補の名前、比例区で民主党と書けば、政権は交代し、利権談合共産主義を瓦解されることができます。そういった意味でも、一票の力を有効にするために、かならず投票にいってください。

2009年4月14日火曜日

平成21年度HOYA株式会社の株主総会における提案内容について

平成21年度HOYA株式会社の株主総会における提案内容について、以下関連資料を転載します。
平成21年4月14日
拝啓 HOYA株式会社代表取締役 鈴木洋殿

会社法305条の株主提案権に基づいて、以下の議題(平成21年3月25日付けですでにIR・広報部責任者伊藤直司氏宛てに書留にて送付しているものと同一の株主提案)を、株主総会の目的である事項につき、当該株主である私が提出しようとする議案の要領として、株主に通知することを請求します。

敬具
山中裕
株主提案
第1号議案 丹治宏彰取締役を解任し、材料科学と眼科の領域でそれぞれ別に役員2名を専任し、各分野での新規事業の創出や買収での企業価値の創出を担当させる件

〇 議案内容
丹治宏彰取締役を解任し、変わって材料科学と眼科の領域のそれぞれで、新規事業の創出や買収での企業価値の創出に実績のある人物2名を専任し、各分野での技術担当者の執行役員としてそれぞれ登用をする。
○ 提案の理由
HOYAの経営陣は、従来より「株主価値の最大化」「新規事業は重要」などと株主向けに言っているにもかかわらず、2000年(平成12年)以降の過去9年間にわたって株主に高いリターンを与えることに完全に失敗しており、また経済合理的な形での新規事業の創出になんら実績がなく、ペンタックス社の買収案件を高値掴みして大損失を出すなど、株主利益の観点から見て、極めて問題があることには、もはやなんらの疑いがない。このような現状を放置するのであれば、指名委員会の構成メンバーの社外取締役らによる、取締役会の本来の役割を忘れた仲良しクラブ化であり、社外取締役形態導入の先駆的な企業として、他の日本企業、しいては日本経済にあたえるネガティブな影響は計り知れない。
現に多くの日本企業の取締役会では、経営陣の扱いやすい社外取締役を数人専任すれば、保身として良しという、株主利益とはおおよそかけ離れた結果になってしまっている、悲しい現実がある。なお株主利益の代表者であり、経営監視を行う義務を負った上場企業の取締役を、天下り官僚のポストにするべきではない。HOYA株式会社の株価が投資家に高いリターンを与えたのは、あくまで1990年代までであり、2000年(平成12年)以降に投資を行った投資家には、特に並外れたリターンを与えていないばかりか、株価の動向を見ると、日経平均すら下回っている。株価は低迷しているのである。
企業価値と株価をあげるための有力な方法は、新規事業の創出は不可欠な構成要素である。当たり前のことではあるが、常に最適な人材をその任に当たらせるのが、株主から与えられた取締役の義務であり、そうでなければ取締役の善管注意義務違反である。そういった観点から判断すると、丹治宏彰取締役を最高技術責任者にしておくことは、株主利益に反している。丹治宏彰氏は、過去9年間、そして2000年(平成12年)以前にも、なんら新規事業創出において実績がなく、また以下に述べる客観的な情報や実績から判断して、株主価値を増大させる新規事業の能力を所有していない。従って、CTO(最高技術責任者)として不適格であるからして、解任が適当だと考えられるので、提案者はこの議案を提案するにいたった。以下に、その理由を述べこととする。
第一に、丹治宏彰氏にはまともな事業開発の実績が、過去の本人の人生でまったくない(皆無である)ことがあげられる。数年前の時点で、主力事業の将来性が数年後に悪化することが明らかで、主力のガラス磁気ディスク事業には、フラッシュ・メモリーという代替品が存在し、新事業の必要性が非常に高い会社において、事業開発の実績がない人物が最高技術責任者となっていることは、株主価値の観点から見て、そもそも5年以上前から不適切であったのである。現在のHOYAの主力事業は、すべて80年代後半までに開発されたものであり、90年代以降は新規事業の開発に経済合理的な形では、成功していない(高値掴みした買収案件で、事業が増えたことはのぞく)。ガラス磁気ディスクメモリー基盤、フォトマスク、マスクブランクス、眼内レンズ、めがねレンズ、コンタクトレンズの小売りの事業のいずれもが、80年代後半までに創出された事業ばかりであり、丹治宏彰氏はこれらの開発には関与していない。株価がなんら上がらないのは、90年代以降に新規事業をまったく創出できなかったことの、大きなツケであり、それでいて役員は涼しい顔で巨額の報酬を受け取り、そのツケは結局のところ個人投資家を含む株主が負っている。
第二に、ベンチャー投資に悲惨な成果を、実績として残していることである。例えば公開情報だけを元にすると、2008年(平成20年)に投資対象であるXponent Photnics社や、Qstream Networks社の実質的な破産が会社から公表されているが、これがHOYA株式会社のベンチャー投資の実態である。2004年(平成16年)に買収したと発表されている、Radiant Images社という会社についても、ほぼ同様である。これらは丹治氏が大きく関与して行われた経営行動である。例えば、2006年(平成18年)にXponent Photnics社への投資と代理店契約締結時に、「「GE-PON」用光トランシーバの初年度の売上を6億円と見込んでおります」と発表しているが、何ら成果は上がっていない。これらは株主に損害を与えた投資活動の公開されているほんの一部である。
第三に、社内のR&D(研究開発)には、ここ9年間に見るべき実績がなんらないことがあげられる。当たり前のことであるが、HOYAは昨年度まで経常利益で約1000億円の利益を出しているわけで、成長率を底上げするためには、少なくとも100億円以上の利益を上げられる事業を、経済合理的な形で創出する必要がある。ところが株主向け資料に記載されているプロジェクトの中に、一つでも5年から7年以内に100億円以上の営業利益が創出されるようなものが含まれているであろうか。答えは否である。例えば2002年(平成14年)5月発表の、SiC其板の開発、製造子会社のHAST (HOYA Advanced Semiconductor Technology)という会社でも、2007年(平成19年)での上場を目指すなどと公表され、「設備投資金額は2004年度までに合計で26億円。設備投資の内訳は以下の通り。2002年度が工場の基礎工事費、装置などに7億2000万円。2003年度は結晶成長装置の増設、デバイスの試作装置などに7億6000万円。2004年度は量産設備に11億3000万円。設立5年後には、売上高40億円と株式上場を計画している」とあるが、7年たっても何の成果もないことは、利益に貢献するような事業の創出が行われていないことから明らかである。
第四に、ペンタックス社の買収により企業価値が毀損された点についての責任問題についてである。2006年(平成14年)12月の買収時においてでさえ、カメラの市場においてヒット商品が出ていたために一時的に黒字になっていただけであり、カメラ商品のサイクルが2年程度であることなど、事業の基礎的な条件だけをみれば、優良な買収対象だと言えない会社を、考えられないような高値つかみをし、経営陣は株主価値に重大な毀損を与えたことの責任の一端をとるべきである。現に2年もたたないうちに、買収対象の事業は、ほぼ不良債権化している。「2011年3月にのれん代を除く営業利益率を18%にすることを目指す」などと、2年ほど前に鈴木洋最高経営責任者は言っていたが、これが実現する可能性は皆無であり、現在の状況は赤字転落である。1500億円があれば、現在の何パーセントの自社株を消却できるであろうか。投資銀行やプライベート・エクイティーの業界の実務では、「高値掴みだけは一番やってはいけない」と一番、最初に習うものであり、投資銀行のアナリスト・レベルでも、この程度の判断は出来るはず、経営陣の能力は、その水準の認識力もないことを疑わざるを得ないことを意味している。無論、執行役をかねた取締役の責任は、株主に対してあるのであり、あまたの日本の企業がそうであるように、最高執行役のイエスマンでいればいいというわけではなく、なぜ買収過程の選別において、意義を唱えなかったのか、唱えなかっただけでも取締役失格である。だいたいペンタックス買収騒動で露呈した、あの当たり前のことに関する実務能力のなさは、一体何なのであろうか。
以上のような理由であるので、経営陣は、このような株主資本の無駄使いを続けており、特に技術経営が有効に行われた形跡が見られず、丹治宏彰氏が社内の事業開発や企業買収等による企業価値の増加という点において、不適格であることは明らかであるので、CTOの任務に当たる人物には、丹治宏彰氏に変えて、材料科学と眼科の領域のそれぞれで、新規事業の創出や買収での企業価値の創出に実績のある人物2名の登用をするべきである。そもそも材料科学と眼科は専門性という意味で、大きく異なる分野であり、同一の人物で対応できるとは思えない。株主価値のまっとうな増加という観点から、CTOには新規事業開拓に実績のある人物の登用をするべきであることは、もはや疑いがない。取締役会は、株主価値の最大化を口にするのであれば、COO(最高執行責任者)を任命したくらいで、お茶を濁すべきではない。それではまるで、8年間失政を続けてきたブッシュ政権が、副大統領だけ民主党の政治家にして、すいませんがこれで今までと同じように私達は多額の報酬をもらいますのでご勘弁を、と言っているのと同じである。また現在の経営陣は、ペンタックス買収騒動で露呈したように、投資銀行の使い方など、基本的な経営実務能力に関する知識が、十分に理解できていないと考えられる。
派遣社員が数百万円の年収で生活し、老後の生活の糧にと投資を行った個人投資家が多大なキャピタルロスを被っている中で、億単位の報酬をこのようななんら実績のない人物に与えるべきではない。同じく月一回の出勤で派遣社員の何倍もの報酬を得ている社外取締役諸氏は、猛烈に反省するべきである。また当然のことながら、取締役の任期は1年であり、毎年株主総会で最も適切な人材を選出するべきものであり、今までの間、不適格な人物に技術経営に当たらせている任命者自体が反省するべき内容である。
今回の提案内容は、自らの経済合理性を超えて、社員や株主の皆さんのために「義憤に駆られて」というのが、正直な気持ちである。なお参考のために、提案者は、ペンタックスとの買収騒動のさなかの2007年(平成19年)5月ころに、「この買収は成功する見込みがなく、今すぐ停止するべきである」という手紙を送っていたが、社外取締役諸氏はいずれも、その助言には従わなかったことを、付け加えておく。

2009年3月29日日曜日

岡島秀樹投手の評価を理解できていない日本のマスコミ

岡島秀樹選手(ボストン・レッドソックス)のポジションは、セット・アッパーと言われ、抑えピッチャーの前の6回から8回に出てくるポジションです。ボストン・レッドソックスには、パペルポン(Jonathan Papelbon)という抑えのピッチャーがいますが、彼は1回しか投げないのです。先発ピッチャーは100球前後で交代という慣行になっており(松坂大輔投手は一般的に球数が多い)、投手分業制が確立されているので、セット・アッパーが重要でないということはないのです。

WBCに岡島投手は選ばれなかったものの、日本では、あまり投手分業制のことが、よく分かっていないように感じられます。

2009年3月28日土曜日

郷原信郎氏が語る、検察捜査の問題点と、江藤淳氏の15年前の小沢氏批評

小沢一郎民主党代表の秘書逮捕事件の問題点について、元東京地検検事の郷原信郎氏が語っています。「国策捜査」という表現がどうか、NHK報道や司法クラブの異常性も含めて、必見です。

マル激トーク・オン・ディマンド 第416回(2009年03月26日)
検察は説明責任を果たしているか
ゲスト:郷原信郎氏(桐蔭横浜大学法科大学院教授)
http://www.videonews.com/charged/on-demand/0411/000931.php

小宮山洋子議員(加藤一郎元東大総長の娘)が、小沢氏の辞任を求めるような発言をしていたが、政治が何と優先的に戦うべきか、まったく理解できていないと思われる。検察が恣意的に狙った政治家が、不当な嫌疑で、辞任に追い込まれるようになったら、それこそ民主主義の死である。こういう議員は民主党でも、応援したくない。勉強しなおしてほしい。それと日本の大新聞やテレビ局がどういう存在なのか、みんな冷静に考えたほうがいい。君たちは、そこまでして検察の情報利権を守りたいの、ということです。 検察批判を大々的に書いているのは、講談社の日刊ゲンダイ(日本新聞協会の記者クラブに未加盟:雑誌扱いになっている)くらいですね。

常々、小沢一郎という政治家は、すごい政治家だと思う。日本人の水準と民度が、小沢一郎という政治家の理念に追いついていないのであろう。総理大臣になることにこだわらず、自分の政策的理念を追求していった政治家が、ほかに戦後日本で一人でもいただろうか。もしこの状況で、フランスやアメリカだったら、検察庁は猛抗議されます(あるいは暴動です)。日本人の民度では、残念ながら、この程度なのかと思わざるをえません。

「誰が総理になるかという事だけを興味の対象に据えたマスコミは、55年体制の遺物。それに対して、派を割ってでも、或いは自民党そのものを分裂させてでも、冷戦後の国際情勢等に対応しなくてはいけないと、小沢グループは考えている。小沢氏というのは不思議な政治家で、要するに政策を実現するのが第一義、その為に自分が何時、総理になるかは二の次の課題。政策の実現こそが、緊急の課題だとハッキリ打ち出している人間が出て来たという事は、戦後日本の政治史上、誠に驚くべき事だと言わざるを得ない」(江藤淳 「それでも『小沢』に期待する」(月刊誌「諸君」1993年1月))

こちらもどうぞ。
「1980年代の後半、政府の諮問機関である選挙制度審議会に参加した。私はもちろん小選挙区制の実現を願っていた。審議会のメンバーの意見の大勢も小選挙区制の導入に傾いていたのだが、審議会で結論を出す前に、政府中枢の意見を確認しておいたほうがいい。そこで会ったのが、当時竹下内閣で官房副長官を務めていた小沢氏だった。
 千代田区・九段の寿司屋で会った小沢氏の論理は実に明快だった。官僚内閣制を潰すためには、政権交代を可能にする小選挙区制を導入しなければならないことを、すでにその時点で明確に言っていた。当時の政界でこの問題をここまではっきり認識している政治家を、私は知らなかった。「こりゃあ、掃き溜めに鶴だ」と思ったものだ。」(屋山太郎 「小沢一郎よ、大政治家なら引き際を知れ」 (フォーサイト2009年4月号))

2009年3月16日月曜日

2000年6月時点で、もう認知症になっていた疑いのある鈴木哲夫氏(HOYA株式会社名誉会長)

私は歴史書を読むことが好きなのですが、そこで思うこと。 様々な証拠を総合するに、2000年6月の時点で、私の伯父(の鈴木哲夫氏)は、初期の認知症の症状が出ていた疑いがあります。40代や50代のときにまっとうな判断ができていたとしても、70代後半に認知症になっていれば、判断能力は当然のように、おかしくなります。これが現実なのだから、まずは事態打開のために、現実を見つめるべきでないでしょうか。そして私の日本の資本市場における提案は、「65歳以上の上場企業の取締役に認知症診断を義務付け」です。

大正生まれで、当時満75歳でしたから、認知症になっていてもなんら不思議ではないのですし、老化という現象自体は人間としては普通にありうることですし、病気自体は個人にとっては、ある意味で不可抗力です。しかし会社としては、認知症の症状がでていた経営者の意思決定にチェックがまったく聞かず、当人が独裁的に後継人事などを決めた結果、世間の皆様に多大な迷惑をおかけしたのが、実際のところ、真相だと思います。 2000年6月の段階で、優れた経営者が選ばれていれば、任天堂のような大躍進を実現していたであろうですから、まったく本当に残念。

2000年の時点の判断できる情報でも、一般的に鈴木洋氏の教育水準(当人の学歴やそこでの学業成績や実績から推定されるもの)では、21世紀の複雑な情報処理をしていかなければならない経済情勢の中での経営は無理だと思います。HOYAと同じくらいかその3分の1程度の時価総額の会社でも、鈴木洋氏と同じような教育水準で、世襲で経営者になっている例は見当たりません。しかも、一般に経営を世襲するにしても、まわりにきちんとしたスタッフを置くのが常なのですが、そういった機能もまるで果たされていません。 おろかなことです。経営学者とか、後世の歴史家には、ごまかしが効きません。

こんな会社の取締役会が、先進的などと宣伝されていたことを信じて、多くの個人投資家様にご迷惑をおかけしたことを、創業者一族の一員として、大変に残念に思います。椎名氏らは、取締役としての善管注意義務違反でしょう。日本の会社のガバナンスと言うものを、冷静に考える必要ありのように思えます。

追記(2009年3月26日):75歳以上の高齢者の自動車運転免許の更新に、認知検査が義務付けられるそうですが、上場企業の取締役も、そういった年齢になったら、認知検査を義務付けるべきですよね。 過去に実績があっても、認知症になったら、正常な判断できませんよね。
朝日新聞(以下、引用)「今日は何月何日?」高齢ドライバー、6月から認知検査
http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY200903260181.html
75歳以上の全運転者に義務づけられる6月からの認知機能検査について、警察庁は26日、検査の具体的な実施方法などを定めた道路交通法施行規則の改正案をまとめた。検査の内容や採点方式は同庁ホームページで公表し、5月の施行を目指す。 対象は今年12月1日以降に運転免許の更新期間満了日(誕生日の1カ月後)を迎える75歳以上のお年寄り。検査はその6カ月前から受けられる。指定自動車教習所に予約し、検査は30分間ですぐに結果が出る。手数料650円。 検査はまず、受検日について「何年」「何月何日」「何曜日」「何時何分」を書いてもらう。腕時計などは見られない。時刻は検査開始から何分たったかを推測して答える。 続いてライオンやオートバイ、ブドウなど16種類のイラストを見て記憶してもらい、順番に書いてもらう。最初はヒントなしだが、次にライオンなら「動物」、オートバイなら「乗り物」といったヒントが出される。 最後に時計の文字盤を描いてもらって、指定した時刻を示す時計の針を書き込んでもらう。総合点が低いほどよく、認知症のおそれがあるのは「36点以上」だ。点数に応じた高齢者講習を受ければ、36点以上であっても免許が更新できる。 ただし、36点以上の人は、免許の更新前後に、認知機能の低下した人が犯しやすい信号無視や一時不停止、進路変更禁止違反など15行為で違反があった場合、専門医の診断を原則受けなければならない。ここで認知症と診断されれば免許取り消しとなる。 認知機能検査は75歳以上が過失の重い当事者となる死亡事故が目立つことから導入された。75歳以上の免許保有者数は約304万人(昨年末)で、同庁は2千~3千人が専門医の診断を受ける可能性があると推定している。

2009年3月14日土曜日

西山事件に関して面白い流れ

西山事件という事件をご存知ですか。1971年の話ですけれども、民主党政権下では、面白い事になりそうです。

<民主・岡田副代表>沖縄返還時密約 政権取れば公開
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090314-00000077-mai-pol
3月14日19時35分配信 毎日新聞 (以下、引用)
 民主党の岡田克也副代表は14日、次期衆院選で政権交代した場合の優先課題に関し「やりたいのは情報公開。政権が代わったら隠しているのを全部出す」と述べ、沖縄返還を巡る日米間の密約など過去の外交交渉に関する情報公開に取り組む考えを明らかにした。大阪市内での講演後、出席者との質疑応答の中で述べた。 岡田氏は「米国は情報公開しているが、日本は『(密約は)ありません』と言っている」と述べ、米側の情報公開制度により、日本政府が認めていない密約の存在が判明した点を指摘。「(政権交代後に)どれだけ(政府が)うそを言ってきたか分かる」と強調した。1972年の沖縄返還を巡っては、返還後の核兵器持ち込みなど日米両政府間の密約の存在が明らかになっている。【野口武則】

追記(2009年3月17日):西山太吉氏は、毎日新聞のスター記者です。このスキャンダルをきっかけにして、毎日新聞の創価学会依存(聖教新聞や公明新聞の受託印刷に毎日新聞の経営が依存していること)がはじまったともいえるので、2重に意味のある事件です。大学生くらいの方は、まったくご存知ないことかと思いますが。
http://www.videonews.com/charged/press-club/0804/000919.php
西山太吉さんらが密約文書の開示を求めて提訴
 元毎日新聞記者の西山太吉さんや作家の澤地久枝さんら25人が、16日、沖縄返還交渉の際に日米間で交わされたとされる「密約文書」の開示を拒否した政府の決定の取り消しを求め、東京地裁に提訴した。 昨年9月、西山さんら有志が外務省と財務省に密約文書の情報公開請求を行ったが、「不存在」を理由に請求は拒否されていた。 提訴後に会見した西山さんは、密約は「過去の遺物ではなく、現在も直面している問題」だと語った。

2009年3月9日月曜日

日本の新聞の世論調査が伝えない統計上の誤差

以下がブルーンバーグの記事ですが、毎日新聞の世論調査で、依然として民主党支持が29%と、自民党支持が20%であるよりも、高いことを伝えていますね。
ただ一般的に、日本の新聞等のの世論調査では、統計上の誤差(Margin of Error)をきちんと報告していません。支持率が下落したとか言っても、統計上の誤差の範囲だったら、何の意味もないのですけど。アメリカだったら、下手すると世論操作だと、訴えられますよ。いずれにしても、日本のメディアの非科学性の一端をあらわしていると言えるでしょう。

March 3 (Bloomberg)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601080&sid=a0oI2IvmP16w
Opinion surveys show the DPJ is favored to win this year’s elections. The opposition party’s support rate is at 29 percent, compared with the LDP’s 20 percent, the Mainichi newspaper said on Feb. 23. The same poll, which didn’t provide a margin of error, put Aso’s approval rating at 11 percent.  (注:太字は引用者による)

しかし今時点の世論調査(以下の朝日新聞調査を参考)でも、これほどのメディアの偏向報道の中で、「小沢一郎民主党代表が辞任するべきか」と聞かれると「辞任するべき」と答える人も多いが、一方で衆議院比例区の投票先としては、いまだに36%を維持(これは2月の42%よりは低いが、麻生太郎首相就任の2008年9月の調査時よりもはるかに高く、4ヶ月前の2008年12月と同水準)しており、「無理筋」といわれてきた、形式犯にすぎない政治資金規正法を立件しようとした検察の暴走的側面を徐々に国民が理解すると思われるので、選挙戦略上も小沢一郎氏は辞任するべきでないと思われます。

以下朝日新聞(2009年3月8日記事)から引用。
http://www.asahi.com/politics/update/0308/TKY200903080127.html
 「いま投票するとしたら」として聞いた衆院比例区の投票先では、民主は36%と前回2月19、20日調査の42%から減少した。自民は24%(前回22%)だった。(中略)
 朝日新聞社の全国緊急世論調査で、衆院比例区の投票先として民主と答えた人が36%に減った。2月の2回の調査ではいずれも42%と、一昨年の参院選以降で最高に達していた。今回減った背景には、無党派層の一部が民主離れを起こしたことがある。民主支持層では9割以上が民主に投票するとしているのとは対照的だ。
 無党派層は全体の49%を占め、麻生内閣発足後では、一番大きくなっている。無党派層で投票先を民主とした人は今回27%。前回調査(2月19、20日)で38%だったのと比べると大幅減だ。数字の上では、これが全体の減少理由の大部分を占める。
 ただ、無党派層で自民に投票するという人は10%(前回9%)にとどまる。民主から自民へ、という流れがあるわけではなく、民主優位の状況は変わっていない
 小沢代表の政治資金をめぐる問題で民主党の印象が「悪くなった」という人は40%で、「変わらない」は56%。イメージダウンになったことは否定できない。「悪くなった」人でみると、投票先は民主30%、自民29%だった。
 今回の調査で数字がもっとも大きく動いたのは、麻生首相と小沢代表のどちらが首相にふさわしいかの質問だった。小沢代表は32%(同45%)と大きく減らし、麻生首相は22%(同19%)でやや持ち直した。無党派層の小沢氏支持は前回の42%から24%に急減している。無党派層の離反は、民主党より小沢氏により激しいようだ。

http://www.asahi.com/politics/update/0308/TKY200903080126.html
衆院比例区の投票先は、麻生内閣発足後、自民がじわじわと下げたのに対し、民主は昨年11月以降ほぼ順調に伸ばしてきた。今回、民主は36%に下がったとはいえ、昨年12月時点と同じ水準で、自民と比べてかなりの優位をなお維持している
 自民中心の政権と民主中心の政権のどちらがよいかでも、「自民中心」24%に対し「民主中心」が45%と上回っている。政党支持率は自民22%(同25%)、民主22%(同26%)など。自民、民主ともやや下げ、無党派層が49%(同43%)に達した。 (注:太字は引用者による)

はっきり言って、日本の司法は問題ありすぎなのです。今回の騒動は、検察の独立性や日本の司法の問題点を、国民に分かりやすく理解させるにいい機会になると思いますので、小沢民主党はひるむことなく反論を続け、漆間巌官房副長官を参議院で証人喚問するなどして、徹底的に、霞ヶ関官僚と血の雨を降らせてでも、戦うべきでしょう。

2009年3月6日金曜日

オバマ政権のグリーン・ニューディール政策と比較する定額給付金騒動の馬鹿馬鹿しさ

表題の件、加筆してお知らせしたいと思いますが、とにかくなるべく早くお伝えしたいので、数行だけ意見表明しておきます。海外で日本人として、一定以上の知的教養のある人と、話をしたりするのが恥ずかしい時分なので、お許しください。

グリーン・ニューディール政策は、景気悪化時の(ケインズ経済学的な)需要創出政策であると同時に、数十年単位の長期的な経済成長率の底上げになる社会インフラの整備(特に次世代エネルギーの創出)という側面を持っています。単なるバラまきではないのです。

それに引き換え、日本の定額給付金騒動は、基本的には、連立政権与党の一角を占める公明党と極めて密接な、創価学会への財務(一年一回の信者による寄付金)の都合が色濃く反映されている政策というだけなわけです。そして政権与党の自民党の多くの候補が、創価学会なしには当選できなくなっている現状は、いったい何なのかと言うことです。

国民の皆様には、次期選挙では、利権談合共産主義のマスコミや、検察等の暴走に惑わされずに、この現状を打開するべく、投票行動を取っていただきたいものです。

2009年2月27日金曜日

北朝鮮の拉致解決の募金運動について

以下のニュースをご存知ですか。横田めぐみさんをはじめとする北朝鮮による日本人拉致問題も、最近は世間の関心が薄れている模様。自国民が少なくとも数十人単位で暴力的に誘拐されているならば、アメリカやイギリスならば、軍事行使をしてでも助け出そうとするでしょう(イギリスの事例では、生麦事件を参照)。 私は、自国民の生命を犠牲にして利権漁りをしていた政治家の、こんな現状を決して許すなと言いたいものです。

オバマ大統領に意見広告=拉致解決、募金で計画 (2月25日19時36分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090225-00000137-jij-soci
ジャーナリスト勝谷誠彦さんらでつくる「意見広告7人の会」は25日、オバマ米大統領に北朝鮮による拉致問題解決への協力を求める意見広告を米紙ニューヨーク・タイムズに掲載するため、募金を始めると発表した。 日本外国特派員協会(東京都千代田区)で会見した同会によると、広告費用は約650万円。拉致被害者家族会が渡米の意向を示している4月下旬までの掲載を目指す。 勝谷さんは「日本人の心の中で拉致問題に対する関心は薄れてきているのではないか。定額給付金をもらっても戸惑うなら、同胞の奪還のため、こういう使い方もあると提案したい」と訴えた。 横田めぐみさん=失跡当時(13)=の父滋さん(76)と母早紀江さん(73)は「拉致被害者救出は日本政府の責任ですが、米国のバックアップは大きい意味があります」とのコメントを同会に寄せた。

麻生首相の給付金騒動は、国民の支持を集めてはいないが、学会員の得た給付金を「財務(創価学会への毎年の寄付)」にまわすべく、創価学会と公明党の意図が色濃く反映されていることを、主要メディアがまるで伝えていないことに、私は、権力チェック機能が働いていない日本の民主主義の瀕死状態を見るわけです。給付金の一部は、パチンコにすぐにでも消えて、結局は某国に流れるだろうし。

正直に告白すると、オバマ大統領を見ていると、残念ながら、わが国の首相との政治家の質の違い、その重要性を感じます。 何はともかく、募金をしたい方は、以下のリンクをクリック。できれば、私のような海外居住者もいるので、クレジットカードでの決済もできるようにしてほしいものです。
http://jinken.asia
(以下、上のページの引用)「前回の意見広告運動は、北朝鮮が拉致を認めた直後に行ったものでした。短期間に募金が集まったのも、北朝鮮に対する国民の怒りの高まりという背景がありました。いまこの運動が成功するかどうか。わたしたちは、最後の拉致被害者を取り返すまで決してあきらめないという国民意識の成熟を信じて、ここにみなさんにこの呼びかけへの賛同をお願いしたいと思います。 このたび、政府は定額給付金を一人あたり原則12000円配布します。その使い方について賛否両論があることはご承知の通りです。私たち呼びかけ人は、その全額をこの運動に寄付することにしました。その理由は、国民ひとりひとりにとって、その意味を聞かれるとその本質に議論があるようなお金であっても、ひとつの志にむかって集まれば、必ずなにごとかをなしうるということを示したいからです。そして、そのこと以上に、日本人としてまずなすべきことは、拉致された同胞を北朝鮮から奪還することだと信じるからです」

「新規事業は重要」などと最高執行役が株主向けに言っている一方で、投資先の技術開発の進捗動向や市場動向を観察するなどということも経営陣が全くやっていないにもかかわらずその状態を長年放置し、近年意味不明のカメラメーカーの買収によって、個人株主も多大な損害を与えた、某会社の社外取締役の報酬は、1人あたり年間1000万円だと推定されるが、彼らがそのお小遣いの一部を出せば、ニューヨーク・タイムズ誌に全面広告が出せるわけです。社外取締役、いい加減にしろ。

2009年2月25日水曜日

HOYAのクリスタル事業からの撤退にみる、経営者の無発想

少し前になりましたが、HOYAクリスタルの事業の撤退が、発表されています。海外の同業種であるバカラやコーニングと比べて、経営者の無発想(これは無能力の一側面である)が原因だと思います。ペンタックス部門は散々な状況になっていますし、まさに1500億円の巨額無駄使いです。日本経済を思う一市民としても、”社害”取締役による無能経営陣の放置には、いよいよ我慢の限界という段階まできていますので、この点についても、後述して、お知らせします。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090114/biz0901141859008-n1.htm) 産経新聞サイトからの引用
HOYA、クリスタル事業から撤退(2009.1.14 18:58)
 光学部品メーカーのHOYAは14日までに、ガラス食器を製造・販売するクリスタル事業からの撤退を決めた。創業間もない昭和20年に事業を立ち上げ、精巧な加工技術でワイングラスなどを世界的な高級ブランドに育て上げたが、消費減退で事業環境が悪化したため3月末で事業を打ち切る。最盛期には販売店が約200店あったが、現在は東京・南青山の1店舗だけに縮小していた。この店舗は5月中旬まで営業予定という。

安倍晋三元首相麻生太郎首相の無能と並列すると、留学先の大学を卒業することができたか否かは、人物(特に世襲2世)の能力を測るのに、一つの重要な指標なのではないかと感じる今日この頃です。

安倍晋三元首相のプロフィール
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%80%8D%E6%99%8B%E4%B8%89
1977年春に渡米し、カリフォルニア州ヘイワードの英語学校に通うが、日本人だらけで勉強に障害があると判断して通学を止め、その後イタリア系アメリカ人の家に下宿しながらロングビーチの語学学校に通った。秋に南カリフォルニア大学への入学許可が出され1978年に入学。政治学を専攻し春・夏・秋学期を履修した後、1979年中退した。

麻生太郎首相のプロフィール
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%BB%E7%94%9F%E5%A4%AA%E9%83%8E
学習院大学卒業後は、下記のような海外留学生活を送ったとされている。
1963年9月 - スタンフォード大学大学院に留学 1965年 - スタンフォード大学大学院を中退、ロンドン大学政治経済学院に留学 1966年8月 - ロンドン大学を中退 スタンフォード大学・大学院(米国)では政治学、ロンドン大学・大学院(英国)では経営学を学んだと2001年4月の自民党総裁選挙候補者プロフィール中には記載されていたが、現在の本人オフィシャルサイトにこの期間についての一切の記載はない。尚、米国での留学生活は麻生が過剰にアメリカナイズされる事を恐れた実家の意向で中断され、一旦帰国した後に、再度ロンドン大学に留学したとされている。華やかな留学歴を持つが、肝心の学位は取得できないまま帰国しており、留学中は学業をはおろそかにしていたと自ら語っている。

なお当該記事のプレスリリースが、HOYAのホームページから削除されているようだが、都合の悪いニュースは、すぐに記録から消すのかと、言いたいものです。

2009年2月22日日曜日

菅義偉衆議院議員の世襲制限論は、意図はともかく正論:国会議員は、一部の地域、政党団体の代表ではなく、国民全体の代表

いよいよ自民党内にも、世襲立候補制限論が出てきました。自民党の側から議論が出てきたことだけでも、大きい。いまのまま、民主党(を中心とする現在の野党)が2009年に政権をとり、国政選挙での世襲立候補を禁止すれば、55年体制の自民党政治を崩壊に追い込めます。国会議員は各選挙区で選ばれるにせよ、小渕優子氏や浜田靖一氏が政治家としての志があるのならば、父親とは違う選挙区で立候補して、有権者の信任を得て、選挙で選ばれてくるべきなのです。国会議員は、「 一部の地域、政党団体の代表ではなく、国民全体の代表」(日本国憲法第43条)なのです。

なお身内の情けなすぎる例を見て、ついでに上場企業の経営者の世襲も禁止すれば、日本の資本市場が一気に変わると思うのは、私だけでしょうか。

以下、日経新聞記事(2009年2月21日)引用。(http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090221AT3S2100V21022009.html
自民党内に世襲制限論、菅氏が旗振り役 :自民党内で国会議員の世襲立候補の制限論が浮上してきた。旗振り役は麻生太郎首相に近い菅義偉選挙対策副委員長。実現性は不透明だが、次男への世襲を表明した小泉純一郎元首相らによる麻生政権批判をけん制する思惑もあるようだ。
 菅氏は20日の横浜市での講演で「世襲の廃止が必要だ」と明言。別の自民党幹部も21日「趣旨として正しい」と賛意を示した。ただ、党内では職業選択の自由の観点から反対論も根強い。菅氏の発言にも「肉親への世襲を検討する反麻生勢力への逆襲」(幹部)との見方が多い。 (01:13)

小選挙区比例代表制への選挙制度改革の影響は、やはり大きい。直近の選挙予測では、宮沢洋一衆議院議員橋本岳衆議院議員も落選の予想が出ています。

90年代初頭に選挙制度改革の議論をしていた頃に、小沢一郎氏の主張は党利党略(あるいは派閥の利益を代表)であるという意見に反論して、「この制度は小沢落選もありうる選挙制度であることを念頭に置くべき」いう趣旨の意見を、福岡政行教授が言っていました。もし中選挙区制変更の選挙制度改革がなければ、ここまで政治がドラスティックに変わっていなかったはずであり、当時の福岡氏の言葉の重みを感じます。

2009年2月20日金曜日

中川昭一財務大臣の辞任騒動で露呈した日本のマスコミに関する分析

中川昭一財務大臣の辞任は、ご本人にとっても、日本経済にとっても、大きな打撃です。中川氏は、対中国外交などで、至極まっとうな意見を述べていたり、行動力もあったりして、自民党の中では期待できる政治家の一人でしたが、今回の一件で、下手すると政治生命自体が失われかねないわけです。ただしより本質的な問題は、本人の資質や自覚とか、麻生太郎首相の任命責任でなくて、財務省の危機管理能力や、マス・メディアの記者を取り巻く問題を、本当は焦点を当てなくてはならないはずです。財政再建派の与謝野馨氏を財務大臣にするために、財務省が仕組んだ罠だとも言われていますが、国益に与えた損害は多大であり、財務省の担当者も辞任して責任を取れということですし、官僚組織というものは、そういうことを平気でやりますね。そもそも「中川昭一財務大臣の辞任で、マス・メディアと財務省の悪を隠蔽するな」です。

記者クラブ制度は諸悪の根源であるのですが、ようやくみんなわかるようになってきたように思えますが、やはりほとんどの人が、主要メディアの報道によって判断するので、まだまだでしょう。以前述べたように、日本のマスコミは、諸悪の根源の一つです。国際的に見ても、かなり異常です。日本では、メディア自体が、利害当事者的な守旧派になっていますから。かなり深刻な問題は、①記者クラブ制度、②クロス・オーナーシップ(Cross Ownership:新聞社・放送局の間の株式の持ちあい)、③再販制度(再販売価格維持制度)、です。

①は、論外といえます。これに立ち向かって選挙で敗れたのは、田中康夫参議院議員(前長野県知事:新党日本代表)です。ちなみに石原慎太郎都知事は、記者クラブ主催でいつも会見しています。真の改革者は、誰かという話です。田中康夫氏のウィキペディア記事の該当箇所を引用しておきましょう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E5%BA%B7%E5%A4%AB
脱記者クラブ宣言 「大手マスコミの情報独占を止めさせるため」として打ち出し、記者クラブに加盟できない多くのジャーナリストや外国メディア、雑誌から賞賛された。しかし、これにより既成権益(記者会見への出席独占だけでなく、記者クラブ事務所、およびその光熱費の提供が得られる)を守ろうとする新聞社をはじめとする大手マスコミから激しく非難され、読売新聞信濃毎日新聞などの県内外の大手マスコミとの確執を生むきっかけとなった。常に記者クラブを利権談合の頂点と指摘していた親田中派のコラムニスト勝谷誠彦は「登場した時は万歳と持ち上げておいて、記者クラブの利権が奪われると分かった途端に反田中派になって極端なネガティブキャンペーンにより落選に追い込んだ」と大手マスコミ、特に顕著だった信濃毎日新聞の姿勢を痛烈に非難した。 

岡田克也民主党副代表は、今も記者クラブ所属以外のメディアの記者(海外メディアや週刊誌記者、フリーランス記者)にも会見を開いていますし、小沢一郎民主党代表も新生党代表幹事時代には、同様の試みを行っていました。だいたい大手新聞社やテレビ局自体が、報道の自由と反することをやっているわけですから、何をいわんやです。 利権談合共産主義(勝谷誠彦氏)そのものです。勝谷誠彦氏や上杉隆氏の書いたものに、①の罪悪については多くが書かれています。

②は従来は、アメリカでさえ、放送局と新聞について、規制されていました。
③については、三輪芳郎教授(東京大学経済学部:産業組織論。ちなみに私の東大4年間の在学中に、私にC(可)の成績をつけた4人しかいない教官の一人)が、10年以上も前に問題を指摘して、奇妙な猛反発を受けました。主張はごくまっとうだと思われます。ご本人のホームページも、ぜひご覧下さい。

なお三輪氏は、日本における社外取締役の有用性についても、正当な議論をしています。なにしろ某会社では、「ペンタックスの従業員の過半数が(HOYAとの)合併に賛成」で、HOYA株主に多大な損害を与えた合併に賛同した通産官僚OBが、今も月一回勤務で推定1000万円もらっていますから。 まともな学者が、東京大学にもいたのか、と、改めて思い知らされます。

2009年2月19日木曜日

深刻な少子化という問題

世間では、あまり強く自覚されていないけれども、日本社会にとって、少子化は深刻な問題だと思われます。

どう問題かという方は、いくつかの統計を見ていただきたく存じます(未完成原稿:以下続く)。

2009年2月18日水曜日

小沢一郎氏(民主党代表)とヒラリー・クリントン国務長官の会談報道で再確認された小沢氏の対米独立路線

私がすでに2008年11月4日に、「私が民主党(日本)と小沢一郎氏を支持する理由(2):本当に公共心を持っているのは誰かという問題」でも述べたように、小沢一郎氏を理解するうえで、対米独立を志向した国連中心主義というのが、ポイントになってきます。これこそは、高度成長後の最初の首相として、独自のエネルギー政策を行おうとした、田中角栄の秘蔵っ子の本領なのです。以下のヒラリー・クリントン国務長官との会談報道でも、その点がさらりと触れられていますね。

政権交代にらむ?小沢氏がクリントン長官と異例の会談 (産経新聞:2009年2月18日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090218/plc0902180005000-n1.htm
民主党の小沢一郎代表は17日夜、クリントン米国務長官と都内のホテルで会談。米国務長官が野党党首と個別会談するのは異例だ。小沢氏は米国の単独軍事行動主義に異論を唱えているが、在日米軍再編や中東政策などをめぐる突っ込んだ議論は控え、政権交代をにらんだ「顔合わせ」にとどまるとの見方が強まっている。
小沢氏は最近、「日米同盟は大事だが、オレは米国を信用していない。米国はいろいろ負担を求めてくるだろうが、迎合してはだめだ」と周囲に語っている。12日収録のラジオ番組では、オバマ政権のアフガニスタンへの米軍増派の方針について「いくら兵隊を派遣したって勝てない。ベトナム(戦争の経験)で分かっている」と民生支援重視の持論を展開した。

もともと小沢一郎氏は、多極的な安全保障体制を志向してきましたし、アメリカで特に親しいとされるのは、ジェイ・ロックフェラー上院議員(民主党:『日本改造計画』の英訳本の序文を寄稿している)です。

2009年2月14日土曜日

コメントを付けていただいた方へのご回答(予告)

以下のコメントを付けていただいた方へ。ご質問ありがとうございました。 似たような質問が多いようなので、近日中に意見をまとめて、加筆して公開しますので、このサイトをたまにチェックしていてくださいね。

http://yutakayamanaka.blogspot.com/2008/04/hoyacoo.html
匿名さんのコメント...果たして浜田氏を含め、現在のHOYAの方々が最終製品のマーケティングにおいて画期的なアプローチを創出できるのか、その点が最も大切な点ではないかと思いますが、いかがですか?ペンの買収を含めてB/Sが以前より弱化している以上、開発以上にこれまで手に入れたものをどうやって付加価値をつけて市場をとっていくのか、この点において、果たしてデルで成功したアプローチ(本社のスタイルをアレンジしたもので、画期的なアプローチとはいえないでしょう)で成功するのかが疑問です。いかがお考えになりますか?2009/01/25 23:19

基本的には、取締役会がまったく機能不全に陥っている現状からしても、本質的な経営改善をしなければ、浜田宏氏を招聘したところで、焼け石に水になりますし、実際にほぼそうなっています。椎名武雄氏のような名誉会長のお友達とか、官僚OBの児玉幸治氏(「ペンタックスの従業員の過半がHOYAとの合併に賛成」でHOYA株主に多大な損害を与えていいの?という話)のような株主価値が何か良くわかっていない人じゃなくて、もっと若くて機関投資家の利益を代弁できる人間を、社外取締役に入れないと、だめということ。個人株主の皆さん、月一日出勤で1000万円の報酬をもらっている、元通産事務次官の児玉幸治氏の取締役就任は、「わたり」なのですか? と聞いてみたいですよね。

ただ私としては、ここ2代にわたって、留学先の大学を成績不良で中退するような、情けない人間が経営をしていたわけ(「鈴木洋氏は、斡旋入学の紹介者や一族の信用考えろ! あなたの学業成績が悪くて恥ずかしいというだけの問題ではない」ということです)ですので、それと比べれば、浜田氏は経営の最低限のいろはは当然分かっている方ですので、それだけとっても、会社にとっては大きな進歩だったのではないかと思うのです。無能な経営者の退陣は時間がかかっても、もうこれ以上実績なくて無能な人間を、後継にはしにくくなったでしょうから(リストラに比較する、新規採用の停止の容易性)。

私は断言できますが、ペンタックス部門は絶対にうまくいきませんし、私が把握している情報でも、国内も海外も散々な状況になっています。また以前から言っているように、(利益額の)分母が1000億円なのですから、カメラ部門でも100億円以上の利益を出さなければ、会社としての成長率の底上げにはならないのですが、それは無理と言うものです。 ちなみにこれも断言できますが、鈴木洋氏は、新規事業の才能がゼロです。90年代後半の鈴木洋氏主導のシリコンバレーでの投資は、すべて破産に終わっています(奥津宏道氏談)。一回も成功したことないですから。とにかくペンタックス社買収の意思決定担当者は、辞任をして責任を取れということです。 私も、場合によっては、株主総会で、丹治宏彰氏らの解任の要求をします。

2009年2月12日木曜日

モスタル(Mostar)とネレトバ川を見て思う

ボスニア・ヘルツェゴビナ南部にあるモスタル(Mostar)という都市をご存知でしょうか。ヘルツェゴビナ地方の中心都市であり、市内をネレトバ川が流れています。私が行った時は、雨続きであり、かなり増水していました。一歩間違えて川に落ちれば、命も危なかったでしょう。

アドリア海沿いのドゥブロヴニク(Dubrovnik)から車で2時間くらいの場所なのに、内戦の傷跡がはっきりと残っていますし、クロアチアと比べても、かなり貧しいことがわかりますし、オスマン帝国の文化的影響が強い、イスラム圏なのです。

ヨーロッパの近代史は、戦争の近代史でもあります。ユーロ圏が生まれたのも、そういった歴史の産物なのでしょうか。

2009年2月10日火曜日

アドリア海の真珠と言われるドゥブロヴニク(Dubrovnik)

先日、クロアチア(旧ユーゴスラビア)の飛び地である、ドゥブロヴニク(Dubrovnik)を訪問してきました。いわば東欧屈指の観光地です。

アドリア海に面した、『紅の豚』(くれないのぶた)宮﨑駿のアニメ映画)の町並みのモデルになったと言われる町です。赤いレンガの町並みが特徴的な、美しい町並みです。世界遺産にも登録されています。

旧共産圏の東欧は、一般的に、平均レベルの教育水準、特に理数系の教育水準が高いので、今後の日本の外交や科学技術戦略上も、プラスサムの協力ができる相手です。ちなみに住民は、ボストン・レッドソックス(Boston Redsox)ケビン・ユーキリス一塁手(Kevin Youkilis)みたいな顔つきしていました。

2009年2月5日木曜日

ロンドンで大雪が降った日

滞在先のロンドンでは、日曜夜から月曜日かけて、18年ぶりの大雪が降りました。東京で久しく雪が降らなくなったのは、やはり地球温暖化の影響なのでしょうか。

http://www.asahi.com/international/update/0203/TKY200902030399.html
英米で大雪 交通大混乱、停電で死者も (2009年2月4日0時8分)
ロンドンや英南東部が1日夜から2日にかけて大雪に見舞われ、20センチ以上の積雪を記録した。気象当局によると18年ぶりの大雪で、首都の交通網は大混乱となった。
 ロンドン郊外のヒースロー空港では2日朝、着陸した旅客機がスリップし、前輪が緑地帯に突っ込んだ。2本の滑走路は一時閉鎖され、夕方まで全便が欠航。ロンドン市内のバスはすべて、地下鉄も大半が運休した。
 英メディアによると、大雪で5人に1人が職場にたどり着けず、経済的な損失は10億ポンド(約1300億円)以上になるという。

2009年2月2日月曜日

アイスランドで世界初の同性愛者の首相誕生

日本では同性愛者の地位をめぐる議論は、まだ少ないと思います。私は同性愛者と同居していたこと(ルームメート)がありますが、彼らも普通の人たちです。ついにアイスランドで、同性愛者の首相誕生です。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/218149/
【ロンドン=木村正人】世界的な金融危機で経済が破(は)綻(たん)しかけているアイスランドで1日、女性のシグルザルドッティル社会問題相(66)が新首相に就任することが決まった。「同性愛者であることを公表している世界初の指導者」(英紙インディペンデント)といわれ、同性愛者団体は「画期的な出来事」と評価している。

http://www.independent.co.uk/news/world/europe/world-gets-its-first-gay-head-of-state-1519068.html
World gets its first gay leader (by the Independent)
The first government collapse of the global economic crisis is about to yield the world's first openly-gay leader. Johanna Sigurdardottir, a former air hostess, is expected to be sworn in as Iceland's Prime Minister by the end of the week.
The 66-year-old politician lives with her partner, Jonina Leosdottir, a journalist and playwright. The couple were joined in a civil ceremony in 2002. Don't expect them to show up togetherfor photocalls, however – that's not the Icelandic way. Though she is famous across the island, having been a top politician for years, her lesbian union was no big deal in this calmly progressive nation of only 300,000 people.

日本でも、民主党から尾辻かな子氏(前大阪府議)が、前回の参議院選挙に出馬していました。また同性愛とは性格を異にしますが、性転換して男性から女性になった上川あや氏(世田谷区区議)もいますので、日本の政治も性的マイノリティーの権利拡大には、一定の希望が持てます。アメリカでは、ニュージャージー州で、Jim McGreevey氏という知事が以前にいました(同性愛の恋人関連のスキャンダルで2004年に辞任)し、Barney Frank下院議員(マサチューセッツ州第4区選出)とか、Tammy Baldwin下院議員(ウィスコンシン州第2区)とかいます。小選挙区の選挙で、同性愛者の候補者が選ばれているのです。

2009年2月1日日曜日

柿沢弘治氏死去について思う

柿沢弘治氏(元外務大臣:羽田内閣時)の死去について、私は下町にルーツ(のひとつ)がありますので、「下町のケネディー」と自称していた柿沢氏については、ある種の特別の思いがあります。大蔵官僚出身の政治家としては、若干異色だったかなというのが、振り返っての思い出です。ご冥福をお祈りします。

柿沢弘治元外相が死去
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090127-OYT1T00694.htm?from=navr

 元外相の柿沢弘治(かきざわ・こうじ)氏が27日午前、食道がんのため都内の病院で死去した。75歳だった。
 密葬は近親者で行い、お別れの会を3月1日午前11時、東京都中央区日本橋蠣殻町2の1の1ロイヤルパークホテル3階ロイヤルホールで開く。喪主は長男、未途(みと)氏。
 柿沢氏は旧大蔵省出身。1977年に旧新自由クラブから参院選東京選挙区に出馬し、初当選。80年に衆院に転じ、連続当選7回。
 94年4月に自民党を離党し、自由党(当時)を結党して党首に就任。直後に発足した羽田内閣に外相として初入閣した。95年に自民党に復党したが、99年の東京都知事選に党の方針に反して出馬し、同党を除名された。2003年衆院選で落選し、政界を引退していた。
(2009年1月27日20時42分 読売新聞)

2009年1月31日土曜日

民主党(日本)の天下り根絶法案について

選挙で選ばれた政治家ではなく、官僚が力をもっているというのは、いまいち国際的には分かりにくいです。すでに私がなんどかここでも取り上げた高橋洋一氏(元財務官僚:東洋大学教授)は、政治主導を実現するためには、大臣に5人くらい、官邸に数10人スタッフを入れなければと言う。以下が、高橋氏の説明の中で、興味深いと思われる点。

民主党の「天下り根絶法案」(2007年5月9日提出)では、
①事前規制撤廃:「離職後5年間の営利企業への再就職禁止」を削除
②あっせん禁止:「政府は組織的な再就職あっせんは行わない」
③「肩たたき」の全面禁止
④官民交流センターの禁止
⑤職員の定年を65歳に引き上げ
⑥高年齢職員の給与抑制を検討
⑦年齢に応じた職種の新設を検討

②はいいことで、これをやれば天下りはほとんど終わりになる(④とかは②のおまけ)。給与法を直してないため、⑥が極めて重要。長く官僚組織にいれば、有利になるという仕組みを変えないとだめである。給与法の改正は、GHQも改正に手をつけられなかったという代物である。提案としては、国家戦略スタッフ的な特別な公務員(ハイリスク・ハイリターン的な公務員)を作るべきという。

民主党(日本)の言っていたことを録画しておき、政権を取ったら追求できるように、言質をとっておくべきということだそうです。

2009年1月30日金曜日

オバマ・ガール輸入も検討へ

私は、私が知る限り、「小沢ガール(小沢一郎氏を背景とした東京の様々なシーンで、ボディコンの女性がお尻を振り振りさせるPV)」の最初の提唱者ですが、日本の衆議院選挙を前にして、いまいち盛り上がりが欠けることに不満です。

オバマ大統領の選出の主役は、若年層が政治に興味を持ち、投票を行ったことです。日本でも若い世代の政治意識が高まらなければ、本当の意味での政治変化になりにくいと思います。

そういった意味でも、本家本元のオバマ・ガールAmber Lee Ettinger さん)の日本輸入も検討する時かもしれません。

なお政治ウォッチャーとして、次期衆議院選挙での注目すべき候補のリストを発表したい(本当はこういった特集が週刊誌や新聞であるべきである)と思いますので、ご期待ください。

2009年1月28日水曜日

高橋洋一氏(元財務官僚:東洋大学教授)が、再びビデオニュースに登場:今回だけは皆さんにみていただきたく、高橋氏の議論は卓越しています。

今回の高橋洋一氏東京大学理学部数学科出身の元財務官僚)の番組は、面白すぎます。それにしても日本の主要メディアが取り上げないのが痛い。起こっていること(官僚の既得権を守るために、既に発効している法律を実質的に書き換えるような政令を閣議決定)も、法治国家の体をなさなくなっており、衝撃的です。高橋洋一氏については、私も能力を過小評価していました。 以下、高橋氏の、霞ヶ関改革に関する主張と説明をまとめておきます。 ちなみ以下で指摘されている、今の事務(官僚)方のトップの官房副長官は、警察官僚出身(元警察庁長官)の漆間巌(うるま いわお)氏であります。

高橋氏の説明によれば、大手メディアがまともに報じていない間に、国会で成立した法律の本則に反する行為を、法律よりも下位にある政令で可能にしてしまうというとんでもない事態(官僚による明らかな法律違反:「霞ヶ関のクーデター」(仙谷由人衆議院議員))が起こっており、麻生太郎首相も、何が問題かをまともに認識していないようである。いったいスタンフォード大学LSEで何を勉強していたのかということでもある。結論から言えば、政令で法律をひっくり返せるのならば、法律を立法府である国会で議論する事自体が意味がなくなり、国会議員はいらなくなる。

国家公務員法の改正(安倍政権下)で、省庁による官僚の再就職の斡旋(天下り)が実質的に禁止されたが、総理大臣が「委任する」再就職等監視委員会(新設)が承認した場合に限り、3年間だけは経過措置として、天下りが認められることになっていた。ねじれ国会でこの再就職等監視委員会の人事が進まないため、麻生政権はその間首相に天下りを承認する権限を与える政令を作った。高橋氏によれば、このことは、日銀総裁がいないから、総理大臣が政令で、「自分が日銀総裁を兼務する」といっているのと同じことである。明らかな法律違反なので、事務的な役人は困っているはずであるが、これを上層部が押し切ろうとしている。これら行為には、内閣官房の事務方(内閣官房副長官)には責任があり、民主党政権になれば退職金無しで懲戒免職にすればいいし、斡旋をした時点で、行政訴訟を起こせばかなりの確率で政治側が敗訴すると、高橋氏はいう。少なくとも今までは形式的にも大丈夫な範囲でやっていたわけで、これだけ危ないことを官僚がしているのは、あまりにもレベルが低い。官僚OBに対する、「渡りの斡旋」は、一民間人に対する利益供与なので、公序良俗に反しているし、違法である。法律というのは、ある意味では平等にできている。それを政令に書いてしまったわけ。追い詰められた状況で、官房副長官(霞が関官僚のトップ)が非合理的な判断をしたとしかいえない。事務次官会議も通過している意思決定なので、官僚全体の総意とみなされているはずであるという。

なお、官僚のOB会(民間人)が互助会を作っており、「渡り」を斡旋しているという形式を取り、官僚はそれにはタッチしていないという理屈を取れば、少なくともこんな形式にはなっていなかったはずで、法律違反なので、民主党政権になったら、今の事務次官を全員懲戒処分にすれば良いと、宮台真司氏は主張した。

また管直人氏(民主党)の計画では、近未来の民主党政権下では、大臣の記者会見を官僚の作文読み(しかも従来はこの作文に拘束される)にしないで、会見までにかなり時間をかける合宿をするという。そこで官僚に刷り込まれないように、シンクタンク的な役割を果たす人材をプールするべきである。 だが、大学(アカデミズム)、NGO(NPO)、、シンクタンク、市民活動家、政治家などが、法律的なリテラシーを持っていればよいのだが、日本ではまだそういった人材の蓄積が弱く、霞ヶ関がほぼ独占している。霞が関では、どうやって法律を作るかは重要であるが、これは簡単なようで難しい。「委任する(しなくてはいけない)」と「委任できる(しなくてもいい)」では利権の所在が、まったく変わってしまうというところで、官僚は動いている。これが民間の人材が、霞が関で活躍する時の障害になるという。「てにおは」や政令で霞が関は、利権を守ることができるという。例えば、記者会見を複数会行い、霞が関官僚の作文を読むと、実質言質を取られる形になり、大臣は彼らに誘導されていくという。例えば廃止と統廃合(霞が関用語的には、廃止はしないで統合すれば良いということ)は違うという。したがって、大臣は自分の言葉で話すべきであるという。

秘書官にどういう人を持ってくるかが、政治家の能力。オバマ大統領にしても、すべての事柄を自分で分かっているわけではなく、誰をスタッフに持っていくかという勝負を、基本的にはやっているわけで、優秀な人を連れてこれるかどうかで、それぞれの政治家の能力がわかればいいということである。高橋氏によれば、大臣1人に3人の秘書官で、実効性がある形で、官僚をコントロールすることも可能だという。

マル激トーク・オン・ディマンド 第407回(2009年01月24日)
無法地帯化する霞ヶ関
ゲスト:高橋洋一氏(東洋大学教授)
http://www.videonews.com/on-demand/0401410/000827.php

(以下、引用)
 霞が関の官僚たちは一体何を考えているのだろう。  
 先々週の国会では、麻生首相は、既に発効している法律を実質的に書き換えるような政令を閣議決定したことを野党から厳しく追及され、答えに詰まる場面が、繰り返しテレビで放送された。安部政権下での国家公務員法の改正で、省庁による官僚の再就職の斡旋、すなわち天下りが実質的に禁止され、経過措置として3年間は新設される再就職等監視委員会が承認した場合に限り、天下りが認められることになっていた。しかし、ねじれ国会でこの再就職等監視委員会の人事が進まないのをいいことに、麻生政権はその間首相に天下りを承認する権限を与える政令を作ってしまった。国会で成立した法律の本則に反する行為を、法律よりも下位にある政令で可能にしてしまうというのだ。これは明らかに法律違反であり、「霞ヶ関のクーデター」(仙谷由人衆議院議員)と批判されてもしかたがないほどの暴挙だった。  安倍政権で公務員制度改革を設計した東洋大学の高橋洋一教授は、これを官僚による露骨な天下り禁止法案の切り崩しと説明する。何とか天下りを続けたい官僚たちが、なりふり構わぬ既得権益の防衛に乗り出した結果だというのだ。  
 しかし、官僚の権謀術数を知り尽くしている高橋氏は、「このような露骨なやり方は考えられない」と、官僚が利権維持のために法律違反まで犯すようになったことを嘆く。同じく安倍内閣で行政改革担当大臣として公務員制度改革を断行した渡辺喜美衆議院議員も、この政令の撤回を麻生首相に求めたが受け入れられなかったために、自民党を離党している。
 しかもこの政令には、一旦天下りした公務員OBの再就職を斡旋する、いわゆる「渡り」を容認する条項まで盛り込まれており、官僚たちは麻生政権が迷走を続ける間に、天下りを禁じた改正国家公務員法を完全に骨抜きにするばかりか、どさくさに紛れて、これまで法律で認められていなかった行為までも政令に押し込んでしまったようだ。
 それにしても、なぜ官僚はここまで露骨に権益擁護に乗り出さなければならないのか。これまでも官僚は、官僚にしかわからないような独特な霞ヶ関用語を法案の条文や大臣談話に滑り込ませることで、政治家の決定を骨抜きにするなどして、政治を巧みにコントロールしてきた。しかし、今回の政令のような露骨な手法は、これまで例をみない。
 また、仮に民主党が政権の座についても、霞ヶ関をコントロールできなければ、有効な施策を打つことはできない。若い議員が多く、官僚の手練手管を熟知していない民主党に、官僚支配を打ち破ることができるのか。高橋氏は民主党が政権についた時、今回の政令作成に関わった官僚たちを厳しく処分できるかどうかが、最初の試金石になるとの考えを示す。
 官僚たちは単に公共心を失ってしまったのか。あるいは、世論の突き上げで少しずつ特権を失い、いよいよここまでやらなければ、自分たちの権益を守れなくなってきているということなのか。今、霞ヶ関で何が起きているのかを、官僚の世界を裏の裏まで知り尽くした高橋氏に聞いた。
(途中、渡辺喜美衆議院議員の電話出演あり)

2009年1月21日水曜日

アメリカ大統領選について思う(8):オバマ大統領就任の歴史的な日

昨日(1月20日)ワシントンDCでは、バラク・H・オバマ(Barack H Obama )大統領の就任式でした。これは歴史的な出来事です。

まず何よりも、オバマ大統領が黒人であること。アメリカでは50年前には、黒人と白人が同じバスに乗ることもままなかったのです。8年前でさえ、近いうちに黒人の大統領がアメリカで見られるとはそう簡単には予想できなかったと思います。 もちろんすでに申し上げた(「オバマを選べたのは、ブッシュ政権の貢献」2008年11月5日)ように、これはかなりの程度がブッシュ前大統領の貢献なのですが、

第二に、オバマのミドル・ネームのHについて、これはフセインのHです。イスラム系の名前なのです。バラクというのも、かなりイスラム色のする名前です。政治学者の小室直樹博士は以前、テロ戦争の唯一ともいえる解決策として、アメリカの大統領がイスラム教に改宗することをあげていました。フセインという名前の大統領があらわれたことは、アメリカ史において、それ相応の変化なのです。日本でいうと、蓮舫参議院議員(民主党)や、故新井将敬議員(自民党)やツルネン・マルテイ(Martti Turunen)参議院議員(民主党)が、そのままの民族的出自の名前で首相になるようなものです。

第三に、やはり政治意識の変化があります。今回は若年層が大挙して選挙に行ったのです。アメリカでは、日本と違って、まず選挙人名簿に登録しないと、投票もできないのですが、そこから着実に若年層がオバマ候補に投票したのです。投票率というのは重要で、日本でも、もし投票率70%ならば10年前に政権交代だったのですが。

アメリカ政治の自浄作用が一定あることの証拠であり、なによりも画期的です。もちろんオバマ大統領一人ですべてが解決できるほど、甘くないのですが。ハワイ生まれ、インドネシア育ちのアメリカ大統領に期待します。

2009年1月18日日曜日

オークランドで暴動のニュース

カリフォルニア州オークランド(Oakland)で、暴動のニュース。白人警官による黒人男性の射殺事件に端を発しているものだが、暴動の政治的効果については、いまだにアメリカのような先進国でも、暴動によるチェック&バランス機能が一定存在しているといえると思います。暴動は、警察権力に対する大きな牽制になります。 不必要に射殺しているシーンは、こちらのユーチューブ(Youtube)にも上がっています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090109-00000901-reu-int
米オークランドで黒人射殺事件の抗議が暴徒化、105人逮捕
[サンフランシスコ 8日 ロイター] 米カリフォルニア州オークランドで、警官による黒人男性の射殺事件に抗議するデモが7日夜に行われ、暴徒化した抗議者ら100人以上が逮捕された。これを受け、オークランド市当局も8日、市民に平静を呼び掛けている。

2009年1月13日火曜日

渡辺喜美氏が離党届を提出の件

以下のニュースですが、いよいよ自民党の空中分解の序曲が、はじまってきたように思えます。 渡辺喜美氏は2世議員であることもあって、小選挙区での選挙に強いので、比較的自由に行動できるのですが、そういった恵まれた環境を、政治のために、有効につかってもらいたいと思います。私も陰ながら、応援しています。 渡辺議員が提唱するように、官僚支配から独立した政治のために、国民運動を起こすべきでしょう。

渡辺喜美氏が離党届を提出
http://www.asahi.com/politics/update/0113/TKY200901130179.html
自民党の渡辺喜美・元行革担当相は13日午後、自民党に離党届を提出した。麻生首相に求めていた定額給付金の撤回や、早期の衆院解散・総選挙などが受け入れられなかったとして、定額給付金を含む第2次補正予算案が衆院本会議で同日夜に採決されるのを前に、離党に踏み切ることとした。総選挙をにらんで地方議員や首長らと連携した国民運動を展開し、政界再編に結びつけたい考えだ。

本人の肉声を聞きたい方は、こちらをぜひどうぞ。
プレスクラブ (2009年01月13日)
渡辺喜美衆議院議員 離党表明記者会見
http://www.videonews.com/press-club/0804/000820.php

第359回(2008年02月16日)
官僚の思い通りにはさせない
ゲスト:渡辺喜美氏(金融担当大臣)
http://www.videonews.com/on-demand/0351351360/000762.php

2009年1月5日月曜日

公の志を持つ人へ:アイラ・マガジナー(Ira Magaziner)の記事

日本でも、若い人間の中にでも、今も強く、社会に貢献したいという強い動機付けがある人が少なからずいます。東京大学の学生が就職先を決めるときに、公の社会への貢献を考慮する割合が高いという統計調査もあると聞きました。

でもどうやってその志を実現するかについて、簡単な答えはないということが、10年来問題になっています。90年代後半になって、官僚組織の能力とキャリアパスが崩壊、公務員になっても役所の縄張り争いに巻き込まれて公のことはできないことは明らかになったからです。そのための、ひとつのありうる答えを、以下の人物像を示すことで、提示したいと思います。

アイラ・マガジナー(Ira Magaziner)氏の記事

ブラウン大学在学中に、学生の自由な意思による選択カリキュラムの確立を大学当局と交渉して実現、そのような学生活動を行いながらも、卒業生総代の成績(主席)で卒業し、アメリカの主要新聞に卒業式の主席卒業者の演説が掲載される。オックスフォード大学ローズ奨学金生として留学。ビル・クリントンロバート・ライヒ(クリントン政権労働長官)をはじめとする、後に重要な役割を果たす友人に出会う。

帰国後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のコンサルタントとなり、後に自らの手となるコンサルティング会社であるテレシスを起業する。その間、コーニングボルボワンラボラトリーなどの企業戦略の作成に関わると同時に、スウェーデンアイルランドの産業政策の立案やロードアイランド州マサチューセッツ州ブルックトン市の政策にも重要な役割を果たす。

クリントン政権では、ヒラリー・クリントンとともに医療政策の抜本的な改革案を提示することに主導的な役割を果たすが、失敗に終わった。その後は、コーニングなどへのビジネスコンサルティングを続けながら、クリントン基金の役員となり、途上国のエイズプログラムの改革に取り組んでいる。

2009年1月4日日曜日

2009年元旦に思う、日本社会の問題点

ついに2009年になりました。今年は必ず衆議院選挙があり、民主党政権の誕生が強く期待されます。私は長年の小沢一郎氏の支持者ですから、細川護煕首相時代の連立政権誕生から15年以上たっていますので、今の心境は2004年のボストン・レッドソックス(Boston Redsox)、あるいは最近では2006年の北海道日本ハム・ファイターズの優勝のときの気持ちですね。にわかにファンになった人とは違うのです。私にしてみれば、新生党時代も、新進党時代も、自由党時代も、ずっと応援してきたからこそ、今の期待があるのです。

私は、今の日本社会の問題は、①コーポレート・ガバナンスの不整備(投資家から見た取締役会の機能が国際的にまるで信用されていない)と経営者の株主価値を増加させるという意味から見た相対的な無能力、②政治家の相対的な能力の低さ、③大学の研究や教育の生産性という意味での競争力のなさ、④マスメディアの程度の相対的な低さ、に集約されると考えています。

なお学者にしても経営者にしてもメディアにしても例外ありで、あくまで平均レベルの話です。 いすれにせよ、民主党政権がどのように以上の問題に対応していくかは、非常に興味深い問題です。民主党政権に過剰な期待をするべからず、しかし3回予算編成を非自民政権で行わせることが、非常に重要なのです。